2021年3月2日

21年度予算年度内成立確定 過去最大106兆6097億円
2021年度当初予算案は2日、衆院本会議で自民、公明両党などの賛成多数で可決し、参院に送付された。参院送付後30日で自然成立する憲法の規定により、年度内の成立が確定した。一般会計総額は106兆6097億円で当初予算案としては9年連続で過去最大。3日の参院予算委員会で審議入りする。立憲民主、共産、日本維新の会、国民民主の各党は反対した。

ワクチン接種3日後、くも膜下出血で死亡 因果関係不明
厚生労働省は2日、米ファイザー製の新型コロナウイルスのワクチン接種を受けた60代女性が3日後に死亡したと発表した。死因はくも膜下出血とみられる。基礎疾患やアレルギーはなかった。医療機関から「接種との因果関係は現時点では評価不能」と報告があった。接種後の死亡報告は初めて。

東日本大震災10年の追悼式 両陛下臨席、国立劇場で
政府は2日の閣議で、政府主催の東日本大震災から10年となる追悼式を3月11日に東京都千代田区の国立劇場で開催すると決定した。新型コロナウイルスの感染防止の観点から、例年行っていた一般からの献花は行わず、出席者も200人ほどに絞るなど規模を縮小する。震災追悼式への皇族出席者は6回目の2017年から秋篠宮さまご夫妻となっていたが、今年は10年の節目でもあり、天皇、皇后両陛下が臨席される。実行委員長は菅総理大臣が務め、衆参両院の議長とすべての閣僚、岩手、宮城、福島の3県の遺族の代表などが出席する。

緊急事態宣言の2週間延長を要請へ 首都圏1都3県の知事
新型コロナウイルスの緊急事態宣言が7日で期限を迎えることを受け、東京、神奈川など首都圏1都3県の知事は宣言を2週間延長するよう政府に求める調整に入った。3日夜にも西村康稔経済再生担当相に要請する。政府は7日に解除する方針を崩していないが、今後の判断に影響を与える可能性が出てきた。

水際対策強化、13か国を追加 変異株流行で
政府は2日、新型コロナウイルス変異株の流行が懸念されるイタリアやオーストリアなど計13か国から帰国する邦人らに対し、水際対策を強化すると発表した。5日から実施する。

対象国からの帰国者らには出国前72時間以内の検査証明や入国時の検査に加え、指定療養施設での待機や入国後3日目の再検査を要請。陰性だった場合、公共交通機関を使わず移動し、自宅などで入国後計14日間が過ぎるまで待機してもらう。

13か国は、アラブ首長国連邦(UAE)、イタリア、オーストリア、オランダ、スイス、スウェーデン、スロバキア、デンマーク、ドイツ、ナイジェリア、ブラジル、フランス、ベルギー。これまで英国、アイルランド、南アフリカ、イスラエル、ブラジル・アマゾナス州を指定していたが、ブラジルについては対象を全域に広げた。

EU、ワクチン接種や検査結果にデジタル証明 月内に法案
欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は1日、新型コロナウイルスのワクチン接種歴や感染検査の結果を示すデジタル証明(ワクチンパスポート)発行をめざす考えを示した。ツイッターで「今月中に法案を発表する」と述べた。フォンデアライエン氏は「観光や仕事のため、EUや域外で徐々に移動しやすくするのが目的」だとしている。データ保護、プライバシー確保の重要性にも言及した。

EUでは、観光産業の再開を急ぐギリシャやポルトガル、オーストリアなどが、ワクチン接種の共通証明の発行を提案。これに対し、ドイツやフランス、ベルギーは「接種を受けられない人への差別を生む」と否定的な姿勢を示している。

バイデン政権、ナワリヌイ氏襲撃で初制裁 ロシアは反論
米政府は2日、ロシアの反体制派指導者、ナワリヌイ氏の毒殺未遂事件を巡り、ロシア当局者が化学兵器を使用したなどとして、露連邦保安庁(FSB)長官を含む政府高官7人を制裁対象に指定した。プーチン露大統領に融和的だったトランプ前大統領は制裁を見送ったが、人権重視を掲げるバイデン大統領は厳しく対処する姿勢を改めて内外に示した形だ。バイデン政権の対露制裁は初めて。

また、欧州連合(EU)も2日、クラスノフ検事総長らロシア高官4人に資産凍結や渡航制限の制裁を発動した。EUが昨年12月に新たに導入した「深刻な人権侵害」を対象とする制裁の枠組みを初めて適用。恣意的な逮捕や表現の自由に対する抑圧があったとしている。

英仏独が太平洋、インド洋への関与強化 高まる中国警戒論
シーパワーを増大させる中国に対する警戒論が欧州で強まっている。英国は2021年に空母などをアジア太平洋に展開させる。ドイツも21年夏にもフリゲート艦を派遣。欧州主要国は対中政策を本格的に転換させるのか。英与党・保守党に影響力を持つ英シンクタンク「ポリシーエクスチェンジ」は2020年11月、インド太平洋地域に対する英国の戦略についてのリポートで、民主主義的価値観を共有する日米、オーストラリア、インドの4か国による安全保障面などでの非公式な協力の枠組み「クアッド」への英国の参加を提言した。