今世紀末までに2.4~2.6度上昇の恐れ 現行削減目標達成でも
各国が現在掲げる温室効果ガス排出削減目標が達成できたとしても、世界の平均気温は今世紀末までに産業革命前から2.4~2.6度上昇する恐れがあるとの報告書を、国連環境計画(UNEP)が27日公表した。2021年の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)では気温上昇を1.5度に抑えることを事実上の世界の共通目標にしたが、実現が見通せない状況が続いている。
報告書によると、21年の世界全体の排出量は過去最高だった19年(564億トン、二酸化炭素換算)を上回る可能性があり、現在の対策を続けるだけでは30年に580億トンに達すると予測される。1.5度実現には30年時点の排出量をこの予測値より45%減らす必要があるが、今後各国が対策を強化して目標通りに削減が進んでも5~10%しか減らすことができず、1.5度に向けた道筋と大きな開きがある。
モスクワ中心部で内乱鎮圧演習、プーチン氏は政変警戒…政権内部の力関係にも変化か
ロシアのプーチン大統領ら要人の安全を守る露連邦警護局は25~27日、モスクワ中心部の大統領府や上下両院などで内乱鎮圧を想定した定期演習を行った。プーチン氏は、米欧がロシアでの政変を画策していると主張しており、警戒感を一段と強めている。
「(民主化運動を指す)『カラー革命』のシナリオは終わっていない」。プーチン氏は26日、旧ソ連構成国の情報機関トップらとのオンライン会合で持論を展開した。連邦警護局の発表によると、テロの脅威封じ込めや容疑者拘束などを訓練した。クーデターへの対処も含まれるとみられ、SNSでは装甲車両などが出動する動画が拡散している。
ロシアのウクライナ侵略が長期化し、国内の治安は不安定になっている。26日未明には、モスクワ中心部にある政権与党「統一ロシア」本部の窓に火炎瓶が投げ込まれた。ウクライナに隣接するベルゴロド州では24日に鉄道火災があり、英国防省は26日、露国内の反戦組織の犯行と指摘した。
経済対策の補正29.1兆円 電気代軽減など、政府28日決定
政府は28日、物価上昇などに対応する総合経済対策を決める。電気・ガス代の抑制策や子育て支援拡大などを盛り込む。財源の裏付けとなる2022年度第2次補正予算案の一般会計は29.1兆円程度、民間投資などを含めた事業規模は71.6兆円ほどとする方針だ。
ウクライナ情勢に起因する経済的な影響へ迅速に対処するための予備費も創設する。賃上げ促進に向けたリスキリング(学び直し)の支援拡充や妊娠した女性への助成拡大も入れる。
不登校、最多24万人超 いじめ認知も一転増加、コロナ影響続く…文科省
国の小中学校で2021年度に不登校だった児童生徒は前年度から4万8813人(24.9%)増の24万4940人で過去最多となったことが27日、文部科学省が公表した「問題行動・不登校調査」で分かった。増加は9年連続。また、高校なども含めたいじめ認知件数は前年度比19%増の61万5351件で、新型コロナウイルスに伴う一斉休校などにより減少した前回調査から再び増加に転じた。
文科省は不登校が大幅に増えた要因について、コロナ禍での生活リズムの乱れや休むことへの抵抗感の薄れのほか、活動制限が続いて交友関係が築けないことに伴う登校意欲の低下を指摘。児童生徒の休養の必要性を明示した「教育機会確保法」が浸透したことなども背景にあるとみている。
新たに4万2737人感染確認 前週比6600人増 新型コロナ
厚生労働省は27日、新型コロナウイルスの感染者が全国で新たに4万2737人確認されたと発表した。前週の木曜日より約6600人増えた。都道府県の新規感染者は多い順に、北海道4579人▽東京都3941人▽大阪府2494人――など。
【1年前の今日の出来事】 2021年10月27日