今日の出来事(2022年4月27日) 知床遊覧船社長会見「出航判断は誤り」、被害者に謝罪

「出航判断は誤り」経緯説明、被害者に謝罪 知床遊覧船社長会見

北海道・知床半島沖で乗客乗員計26人が乗った観光船「KAZU Ⅰ(カズ ワン)」が浸水した事故で、運航会社「知床遊覧船」(北海道斜里町)の桂田精一社長(58)が27日、同町のホテルで記者会見し「亡くなられた被害者の方、捜索中の被害者の方、申し訳ございませんでした。ご家族にも大変な負担をかけている」と謝罪した。事故発生から5日目。公の場で初めて事故の経緯などを説明し、出航判断の誤りを認めた上で「安全管理が行き届いていなかった」と述べた。

桂田社長によると、事故当日の23日は午前8時ごろ、豊田徳幸船長(54)と今季初の運航を協議。船長から「午後から天気が荒れる可能性があるが、出航は可能」と言われ、海が荒れたら引き返す「条件付き運航」を決めた。桂田社長は「出航を決めたのは私」としつつも「引き返す判断は船長」と述べた。

観光船会社は個々に、波の高さや風の強さなどから出航の是非を判断する基準を盛り込んだ安全管理規程を国に提出することになっている。桂田社長は自社規程に関し「波の高さ1メートル以上、風速8メートル以上」などとする内容だと説明。しかし23日は、「KAZU I」から「沈みそうだ」と通報を受けた同業者が118番した午後1時過ぎには既に波の高さが2メートルほどに達していた。

また、出航時には知床半島を含む地域に強風注意報と波浪注意報も出ていた。桂田社長は出航に関し「今となれば、判断的に間違ったと感じている」と語った。また、記者会見を開くタイミングが事故から5日目になった点については「まず被害者家族対応、救助活動が第一だった」と釈明した。

今回の事故では26人中11人の死亡が確認され、15人が行方不明のまま。斜里町は27日、11人全員の身元が確認されたと明らかにした。

記者会見を開き土下座をした運行会社「知床遊覧船」の桂田精一社長

第6波、555人が自宅で死亡 ワクチン2回接種済みが4割

厚生労働省は27日、新型コロナウイルスの感染の「第6波」中に、自宅で死亡した新型コロナ患者は少なくとも555人に上るとの調査結果を発表した。新型コロナワクチンの接種回数別では、2回接種済みの人が4割を占めた。

昨夏の第5波での自宅での死者は202人で、倍以上に上っており、感染力の強い変異株「オミクロン株」の影響もあるとみられる。第6波での自宅療養者は、2月中旬時点で最大約58万人に達しており、自宅療養者の健康観察を巡って課題を残した格好だ。

厚労省が都道府県を通じて、今年1~3月に自宅療養中に亡くなった人や、入院待機中などに自宅で死亡した人を集計した結果、男性352人、女性203人だった。未報告の自治体もあり、実際の死者数はさらに増える可能性がある。年代別では80代以上55%、70代24%、60代10%――で、60代以上が約9割を占めた。

ワクチンの接種回数ごとに分析したところ、未接種は16%だった一方、2回接種は39%、3回接種は5%、1回接種は2%だった。基礎疾患の有無別では、「あり」が64%で3分の2を占めた一方、「なし」は25%だった。世帯状況は家族などと同居が45%で、単身は15%だった。

東京で新たに6052人感染確認 前週を700人下回る 新型コロナ

東京都は27日、都内で新型コロナウイルスの感染者が新たに6052人確認されたと発表した。前週の水曜日(6776人)を約700人下回った。新たに6人の死亡も確認された。

ノババックス社のワクチン接種了承 日本国内で使用可能は4種類に

厚生労働省の予防接種・ワクチン分科会は27日、米ノババックス社が開発した新型コロナウイルスワクチンについて、1~3回目で使えることを了承した。国内で使用可能となるワクチンは4種類目となる。政府はすでに1億5000万回分の供給契約を結んでいる。

奈良・橿原市長を怒鳴りつけた維新市議辞職 音声付きで報じられ引責

奈良県橿原市議会の原山大亮市議(45)=維新=が27日、議長宛てに辞職願を提出して受理された。インターネットメディアで、議長を務めていた2021年9月に亀田忠彦市長を厳しく怒鳴りつける音声付きの記事が報じられ、引責した。

原山氏はコメントを発表し、音声が自分の発言であることを認めた。発言は市議会の特別委員会の事前協議の場でのものだと説明し、「言葉が過ぎたことに関し、不快な思いをされた方々におわび申し上げる」と謝罪した。

取材に応じた亀田市長は「原山氏は議長就任後、職員への威圧的な言動が庁内で問題になっていた。今回の音源の出所は不明だ」と話した。原山氏は2017年に初当選し、現在2期目。

原山大亮市議(45、維新)が市議を辞職

川面に泳ぐ4000匹のこいのぼり 群馬・館林の鶴生田川で

約4000のこいのぼりを掲げる「こいのぼりの里まつり」が群馬県館林市で開催されている。新型コロナウイルスの影響で2年ぶり。5月15日まで。同市観光協会によると、2020年はコロナの感染拡大で途中で中止に。昨年は開催されなかった。

安保理拒否権、説明責任 国連総会、総意で採択

国連総会は26日、安全保障理事会で常任理事国(5カ国)が拒否権を行使した場合、理由を説明するよう求める決議を総会の総意として採択した。ロシアのウクライナ侵攻に関する決議案がロシア自身の拒否権行使で否決されるなど、安保理の機能不全が浮き彫りになっている。拒否権の行使について、国連に加盟する全193カ国が集まる総会の場で説明責任を果たすよう常任理事国に迫る。

今回の決議案は、リヒテンシュタインが主導して起草した。常任理事国の米英仏のほか日本やドイツ、ウクライナなど80カ国以上が共同提案国に名を連ねた。一方、中露などは加わらなかった。投票を求める声は上がらず、総会の総意として採択された。

ウクライナ侵攻 製鉄所の民間人退避支援 国連総長、露大統領と合意 実現は不透明

国連のグテレス事務総長は26日、訪問先のモスクワでロシアのプーチン大統領と会談した。国連によると、ロシア軍が侵攻したウクライナ南東部マリウポリで、国連と赤十字国際委員会(ICRC)がアゾフスターリ製鉄所に避難している民間人の退避を支援することで原則的に合意した。

ただ、具体的な計画は、国連人道問題調整事務所(OCHA)と露国防省が協議するとしており、退避が実現するかは不透明だ。

【1年前の今日の出来事】 2021年4月27日