今日の出来事(2022年4月22日) 英印首脳、防衛協力で「合意」 インドの対露依存弱める狙い

ロシア、マリウポリから転戦か 製鉄所の攻撃中止、兵力振り分け

ロシア軍のウクライナ侵攻状況(4月21日現在)

ロシアが「制圧した」と主張したウクライナ南東部マリウポリについて、ゼレンスキー大統領は21日夜のビデオ演説で、抗戦を続ける意向を強調した。

プーチン露大統領は同日にアゾフスターリ製鉄所への攻撃中止と徹底封鎖を命じていたが、ウクライナ部隊と市民が立てこもりを続けている。ロシアは来月9日に予定する「対独戦勝記念日」までに東部ドンバス地方(ドネツク、ルガンスク両州一帯)を支配することを狙い、マリウポリの戦力を振り向けるとみられる。

英国防省は22日発表した戦況分析で、プーチン氏が製鉄所の制圧作戦を中止した背景として、自軍の犠牲を回避しつつ、マリウポリの部隊を東部の別の地域に転戦させる狙いがあると指摘。

ロシア中央軍管区のミネカエフ副司令官も22日、軍事作戦の「第2段階の任務の一つはドンバス地方とウクライナ南部を完全支配することだ」と表明した。タス通信が伝えた。

英印首脳、防衛協力で「合意」 インドの対露依存弱める狙い

インドを訪問中のジョンソン英首相は22日、ニューデリーでモディ首相と会談した。ロシアに武器輸入を依存するインドは、ウクライナ侵攻を巡る対露制裁に参加していない。英国はインドの対露依存を弱めたい狙いがあるとみられ、両国の防衛協力や貿易の促進について協議した。

モディ氏は会談後の記者会見で「防衛分野の協力を深めることで合意した。『自立したインド』のための英国の支援を歓迎する」と表明。ウクライナ情勢については「直ちに停戦し、問題を解決するための対話と外交を強く主張した」と語った。ジョンソン氏は「独裁体制の抑圧が広がっている。自由で開かれたインド太平洋を守るという共通の利益のためにも、協力を深めることが重要だ」と述べた。

英BBCによると、英国はインドへの軍用装備品の輸出を促進し、インドが自国で戦闘機を生産するための技術提供も進める方針。また、両首脳は自由貿易協定(FTA)の交渉を年内に完了する意向も示した。

インドのモディ首相(右)と握手するジョンソン英首相=ニューデリーで2022年4月22日

全国で新たに4万3003人の感染確認 新型コロナ

新型コロナウイルスの感染者は22日、全国で新たに4万3003人確認された。前週の金曜日から約6700人減り、前週の同じ曜日を8日連続で下回った。島根県は過去最多の219人だった。

東京で新たに5396人感染確認 前週金曜日を1372人下回る
東京都は22日、都内で新型コロナウイルスの感染者が新たに5396人確認されたと発表した。前週金曜日(6768人)を1372人下回った。新たに9人の死亡も確認された。

ハワイへの旅、復活なるか 旅行各社が2年ぶりにツアー再開

新型コロナウイルスが猛威を振るう前、人気リゾート地の米ハワイには日本から年間約160万人が訪れていた。2022年4月上旬、州都ホノルル市を訪れると、マスクを着けずに街を歩く多くの観光客の姿があった。だが、日本人はほとんど見かけない。

コロナ禍が始まってから2年が過ぎ、日本でもゴールデンウイーク中の国内旅行が復活の兆しをみせる中、旅行業各社は約2年ぶりにツアー旅行を再開するなど「常夏の島への旅」復活に期待をかける。

離島の医療格差解消に 長崎・五島で医薬品ドローン配送事業が始まる

豊田通商(名古屋市)は、医療用医薬品をドローンで配送する事業を長崎県五島市で始めた。子会社「そらいいな」(同市)が福江島に設けた発着拠点の完成式が21日にあった。5月から約20キロ離れた奈留島との間を40分で往復する定期運行を開始する。

豊田通商と協業する米ジップライン社製の技術とドローンを使う。機体は重さ20キロ。飛行機のような形をした固定翼型で雨風に強い。最高時速約100キロで最大80キロ先まで重さ1キロの荷物を届けられる。目標地点に到着すると上空からパラシュートが付いた荷物を投下し、ドローンは周回して発着拠点に戻る。

荷物を投下するドローン(3月撮影)

東京・神田のイチョウ並木「切らないで」 住民団体が監査請求提出

東京都千代田区道「神田警察通り」の道路整備工事に伴い、沿道のイチョウ並木を伐採する計画に反対する住民団体は21日、伐採中止を求める住民監査請求を区監査委員に提出した。工事が行われるのは同区一ツ橋2から神田錦町3までの区道約230メートル。現在の4車線を3車線に減らし、歩道の拡幅や自転車走行空間の整備を行う。沿道では、イチョウ30本を伐採、2本を別区画に移植し、ヨウコウザクラに植え替える。区は25日にも伐採を始めるとしている。

都庁で21日会見した「神田警察通りの街路樹を守る会」は、伐採決定の前にパブリックコメントの募集や広報による周知が行われていなかったと主張。滝本幾子代表は「子供のころから区民が親しんできたイチョウを伐採しないで」と訴えた。一方、区地域まちづくり課の神原佳弘課長は「ここ10年ほど、沿道の13町会や商店街なども含めて議論してきた。反対住民の方とも意見交換したが、平行線だったため、区として工事を進めることを決めた」と説明している。

東京都千代田区が伐採を予定している神田警察通りのイチョウ並木

飼い続けられないミドリガメ、殺処分の周知も検討 環境省

生態系への影響が深刻なアカミミガメ(ミドリガメ)について、環境省は最後まで責任を持って飼う「終生飼養」を基本としつつ、やむを得ない場合は殺処分も必要とする考えを周知する方向で検討していることが22日、同省への取材で分かった。

アカミミガメに対し、国はアメリカザリガニとともに飼育や譲渡は認める一方、新たな個体の輸入や販売、川や池への放出を禁止する方針で、規制範囲を見直した外来生物法改正案が今国会で審議されている。

【1年前の今日の出来事】 2021年4月22日