2021年4月22日

4都府県に緊急事態宣言、25日から5月11日
政府は22日、新型コロナウイルスの感染再拡大が続く東京、大阪、京都、兵庫の4都府県を対象に、特別措置法に基づく緊急事態宣言を出す方針を決めた。4都府県では酒類やカラオケを提供する飲食店に休業要請する他、床面積が1000平方メートルを超える商業施設や遊興施設に休業を要請する方向で検討している。また、愛媛県に緊急事態宣言に準じた「まん延防止等重点措置」を適用することも決めた。23日に政府対策本部を開き、正式決定する。

緊急事態宣言と愛媛県への重点措置の期間は、今月25日から5月11日までの予定。また宮城県と沖縄県に適用中の重点措置について、期限を5月5日までから11日までへと延長する方向で調整している。

全国で新たに5500人が新型コロナ感染 2日連続5000人超
新型コロナウイルスの感染者は22日、全国で新たに5500人確認された。1日あたりの感染者が5000人を超えるのは2日連続。死者は42人増えて計9828人となった。

大阪府の重症病床、使用率100% 転院できない患者も
新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、大阪府内の重症病床(272床)の使用率が22日、100%に達した。転院できずに中等症病床で治療を続ける重症者も56人いるため、使用率は実質121%となった。府内の22日の新規感染者は、過去5番目に多い1167人だった。1日あたりの新規感染者は、直近10日間では19日を除いて1000人超が続いている。

東京に広がる変異株 2週間後に「1日2000人超」試算も
新型コロナウイルスの流行の主体が、東京都内で従来株から変異株に移り変わりつつある。22日にあった都のモニタリング会議で示された推計によると、直近1週間で感染者数全体の9割を変異株が占めた。特に感染力が強いとされる「N501Y」の変異を持つウイルスへの感染が増えた場合、2週間後には1日あたりの感染者数が2000人を超えるとの試算も示された。

インド変異株、日本で5件確認 加藤官房長官「監視体制を強化」
加藤勝信官房長官は22日の記者会見で、インドの新型コロナウイルス感染急増の要因となっている、二つの変異株の特徴を併せ持つ「二重変異ウイルス」が日本国内で同日までに5件確認されていることを明らかにした。感染力が高まったり、ワクチンの効果に影響を与えたりする可能性があるとされる。 

2030年までに「13年比46%減」 温室効果ガス 削減目標を大幅引き上げ
2030年までの新たな温室効果ガス削減目標について、政府は「13年比46%減」とする方針を固めた。22日の地球温暖化対策推進本部(本部長・菅義偉首相)で決定する。現行の「同比26%減」から大幅な引き上げとなる。同日開幕するバイデン米大統領主催の「気候変動に関する首脳会議(気候変動サミット)」で、菅首相が国際社会に向けて表明する。

内閣府に不正アクセス、個人情報漏えいした可能性
内閣府は22日、内閣官房などと共同で利用しているファイル共有のストレージサービスに不正アクセスがあり、内閣府が関わったイベントに申し込むなどした外部の231人分の氏名や所属、連絡先などが漏えいした可能性があると発表した。連絡の付かない19人を除く全員に経緯を説明し、謝罪した。

インド、1日の感染者数30万人超え 急拡大止まらず
インド政府は22日、新型コロナウイルスの直近24時間の新規感染者が約31万5000人に上ったと発表した。1日の新規感染者としては米国で1月8日に記録した約31万3000人(米疾病対策センター調べ)を抜いて世界最悪となった。感染の急拡大に歯止めがかからない中、病床や医療用酸素の不足が深刻化している。

「ナワリヌイ氏に自由を」 ロシアで抗議活動 約1800人拘束
刑務所での容体悪化が伝えられるロシアの反体制派指導者ナワリヌイ氏への連帯を訴える抗議活動が21日、全土で行われ、人権団体によると、約100都市で約1800人が拘束された。プーチン政権は反体制派への圧力を強めてきたが、1月に続いて再び抗議の波が全国に広がったことで、政権への根強い不満が浮き彫りになった。

豪政府、「一帯一路」の合意書を無効に
オーストラリア政府は21日、豪ビクトリア州(州都・メルボルン)が中国政府と結んだ中国の巨大経済圏構想「一帯一路」で協力する合意文書を無効にする、と発表した。豪政府は、安全保障にもかかわる基幹インフラ事業が想定される「一帯一路」への協力には後ろ向きなためだ。中国政府は強く反発しており、両国関係がさらに緊張する可能性がある。

トリチウムはキャラから「T」に 復興庁が新たにチラシ
東京電力福島第一原発から出る放射性物質トリチウムを、復興庁が風評被害対策のチラシや動画に「ゆるキャラ」のように描いていた問題で、同庁は22日、新たなチラシを公表した。動画も修正して、ホームページに後日掲載する。新たなチラシでは元素記号の「T」をあしらった画像にした。

世界最高水準の人工光合成に成功、植物を超える 豊田中央研
トヨタ自動車グループの豊田中央研究所(愛知県長久手市)は21日、太陽光を活用して二酸化炭素(CO2)から有機物を生成する「人工光合成」の効率を世界最高水準に高めたと発表した。変換効率は植物を上回る水準といい、CO2を有効利用する手段として有望視する。研究では、太陽光エネルギーを活用し、CO2と水から有機物の「ギ酸」を生成する。生成したギ酸は、水素をつくったり、発電の燃料にしたりして使うことを想定しているという。