2022年3月2日 今日の出来事

【ウクライナ情勢・・対露非難決議案 小国からも支持】

対露非難決議案 小国からも支持 背景に「核兵器使用示唆」への懸念
ロシアのウクライナ侵攻をめぐる国連総会(加盟193カ国)の緊急特別会合で、対ロシア非難決議案への支持表明が相次いだ。小国も目立つ。大国が軍事力を振りかざして隣国に侵攻する姿に危機感を募らせているからだ。支持の背景には、プーチン露大統領が核兵器の使用を示唆する命令を出したことへの懸念もある。

欧州議会、ロシア制裁拡大求める決議 ウクライナのEU加盟に賛意

ブリュッセルの欧州議会で1日、ゼレンスキー・ウクライナ大統領のビデオ演説に拍手を送るフォンデアライエン欧州委員長

欧州連合(EU)の欧州議会は1日、ウクライナに軍事侵攻したロシアを厳しく非難したうえで、制裁をさらに拡大してロシアの財政を支える天然ガスなどの輸入に制限をかけるよう求める決議を採択した。ウクライナのEU加盟手続きを進めるよう関係機関に呼びかけた。賛成637、反対13の圧倒的多数で採択された決議は、拡大を求める制裁を列挙した。天然ガスや原油の輸入制限▽ロシア全銀行のEU金融システムからの排除▽新規の投資はロシア向けもロシアからも禁止――などとしている。

参院もロシア非難の決議 プーチン氏の核巡る発言「言語道断」
参院は2日午後の本会議で、ロシア軍によるウクライナ侵攻について「最も強い言葉で非難する」との決議を採択した。1日に非難決議を採択した衆院に続く対応。参院はロシアのプーチン大統領に関しても、核兵器使用を前提とするかのような発言をしているのは「言語道断であり、唯一の被爆国として非難する」とした。併せて、ロシアの行動はウクライナの主権と領土の一体性を侵害していると断じ、即時の攻撃停止と部隊撤収を求めた。ウクライナを巡る決議採択は衆参とも2度目。

自民・河野太郎氏「恥を知れ」 在日ロシア大使館ツイートに

河野太郎議員「恥を知れ」と非難、在日ロシア大使館ツイッターに

自民党の河野太郎広報本部長は2日までに、自身のツイッターで、ロシアのウクライナ侵攻をめぐる在日ロシア大使館のツイートに対し「恥を知れ」と英語で批判した。投稿した真意について「ロシアが力による一方的な現状変更を試みているのは明らかだ。フェイクニュースだと注意喚起しないといけない」と述べた。東京都内で記者団の質問に答えた。

【青と黄色でウクライナを支援を示す】

米大使館の壁にウクライナ国旗 エマニュエル氏「力強い支援示す」

米大使館の壁にウクライナ国旗

ロシアのウクライナ侵攻が続く中、東京都港区の米国大使館の建物が2日夜、ウクライナ国旗をイメージした青と黄色にライトアップされた。ウクライナ国民への連帯を示そうとラーム・エマニュエル駐日大使が発案し、ウクライナのセルギー・コルスンスキー駐日大使を招いて点灯式が行われた。エマニュエル大使は「米国の力強い支援をウクライナ国民に示すことはとても重要だ」と語った。

林外相と山東参院議長、ウクライナカラー着用して国会に出席
林芳正外相は2日に開かれたウクライナ情勢に関する参院予算委員会の集中審議に、青系のスーツと黄色のネクタイを着用して出席した。欧米では多くの都市の名所などでウクライナ国旗の色と同じ青と黄のイルミネーションでウクライナへの連帯を表明する動きが広がり、東京都庁も「ウクライナカラー」のライトアップを始めている。林氏も服装で同調した形だ。山東昭子参院議長もロシアの侵攻に対する非難決議を採択した2日の参院本会議に、青のセーターに黄色のジャケットを羽織って登壇した。

熊本城をウクライナカラーに 哀悼と反戦の思いでライトアップ

熊本城をウクライナカラーに

熊本市は、ロシアのウクライナ侵攻による犠牲者への哀悼と反戦の意思を表明するため、熊本城(同市中央区)の天守閣をウクライナ国旗と同じ色にライトアップしている。大天守を青、小天守を黄色に照らす。5日まで日没から午前0時に実施する。大西一史市長は「ロシアによるウクライナへの軍事侵攻は国際社会の平和と秩序、安全を脅かすとともに人道的にも断じて容認できない。一刻も早く平和的解決がなされることを強く求める」とのコメントを発表し、抗議文を在日ロシア大使館に送った。

ロシア7銀行をSWIFTから排除 EU決定、最大手は対象外
欧州連合(EU)は2日、ロシアへの追加の経済制裁として同国2位のVTBバンクなど大手7行を国際的な資金決済網「国際銀行間通信協会(SWIFT)」から排除すると決めたと発表した。ロシアには約300の銀行があるが、まず大手行を対象に国際決済から締め出す。欧州のエネルギー調達への影響を抑えるため、最大手のズベルバンクとエネルギー部門に強いガスプロムバンクは排除を見送った

【民間人の被害拡大、テレビ塔・大学も攻撃される】

ウクライナで民間人の被害拡大 攻撃強めるロシア、犠牲者増える恐れ

「パパも戦うことになるかも」別れを涙で耐える男の子

ロシア軍がウクライナに侵攻して3日で1週間となる。首都キエフや第2の都市である北東部ハリコフなどで激しい戦闘が続き、ロシア軍の砲撃などによる民間人の被害も拡大している。両国の代表団による2回目の停戦協議が2日に予定されているが、その行方は不透明だ。交渉を有利に進めたいロシア側は、ウクライナ軍が拠点とする都市への攻撃を強めるとみられ、犠牲者はさらに増える恐れがある。ウクライナ政府によるとキエフでは1日、テレビ塔にロケット弾2発が着弾。市民5人が死亡し、複数の負傷者が出たという。

ロケット弾による攻撃を受けるテレビ塔

ロシア軍、ハリコフの国立大学も攻撃 ウクライナ非常事態省発表
ウクライナの非常事態省は2日、北東部ハリコフの国立大学や警察庁舎がロシア軍の攻撃を受け、3人がけがをしたと発表した。同省のフェイスブックには建物が炎に包まれ、消防隊員らが消火活動に当たる写真が掲載されている。

爆撃を避けるために病院の地下室で患者の対応にあたる医療関係者

日本、安保理改選の統一候補に 12回目の非常任入りへ
今年6月に行われる国連安全保障理事会の次期非常任理事国の改選(任期2023年1月~24年12月)で、日本がアジア太平洋地域の統一候補となったことが1日、分かった。同地域の枠を争っていたモンゴルが立候補を取り下げた。これにより、日本の非常任理事国入りが濃厚となった。当選すれば12回目で、自国が持つ国連史上最多記録を更新する。

まん延防止、東京など14都道府県で延長 福島など11県は解除へ
政府は2日、新型コロナウイルス対応のまん延防止等重点措置について、適用中の31都道府県のうち14都道府県で延長し、11県は解除する方針を固めた。残る6県は調整を続行。岸田文雄首相は3日に関係閣僚と協議し、方向性を固める。政府は期限の6日までの全面解除を目指したが、新規感染者数の減少速度が想定より遅く、地域によっては病床使用率の高止まりがなお続いている。

生活保護申請、2年連続増 21年は23万5052件 コロナ影響か
生活保護の2021年1~12月の申請が速報値で23万5052件となり、前年比1万1430件増えたことが2日、厚生労働省の発表で分かった。新型コロナウイルス禍による経済情勢悪化の影響とみられる。増加は2年連続。

韓国で「オミクロン株」拡大、1日の感染者が8万人増…過去最多の21万9241人
変異株「オミクロン株」の拡大によるもので、新規感染者は3月中旬までに1日最大35万人になる可能性があるという。9日の大統領選への影響も注目されている。感染者や隔離対象者は、投票が午後6時~午後7時30分に制限されている。感染者が急増した場合、混乱する懸念があり、与野党候補は期日前投票を呼びかけている。

【1年前の今日の出来事】 2021年3月2日