2021年10月12日

エルサレムに杉原千畝広場 「崇高な行為への感謝の印」
第2次大戦中に「命のビザ」でユダヤ人数千人を救った外交官杉原千畝(1900~86年)の名前を冠した広場がエルサレム市につくられ、11日に記念式典が行われた。在日イスラエル大使館によると、同市は南西部の交差点にある広場を「チウネ・スギハラ広場」と命名した。式典には杉原の四男でベルギー在住の伸生さん、水嶋光一駐イスラエル大使、杉原が発給したビザで命を救われた人々とその親族らが出席。レオン市長は「崇高な行為に対する感謝の印だ」と述べた。

円安加速、113円台 2年10か月ぶり水準、家計圧迫
12日の東京外国為替市場で一時1ドル=113円49銭まで円安が進んだ。2018年12月以来、約2年10か月ぶりの水準。円安は輸出産業に追い風となる面もあるが、現在の原油高の中では原燃料の調達コストを上昇させ、企業収益や家計を圧迫する「悪い円安」になると懸念されている。

9月下旬以降、円相場は3週間ほどで約4円も下落した。背景にあるのは日米の金利差拡大だ。米国は新型コロナウイルスの打撃から立ち直って景気が正常化するとの期待から、市場では米連邦準備制度理事   会(FRB)が11月にも量的緩和縮小の開始を決め、22年には利上げに踏み切るとの見方が浮上する。これに対し、日本では当面利上げが見込めず、市場では日米の金利差を意識して「円安基調が続きやすい」(FX会社)との声が聞かれる。

日本の成長率、2.4%に下げ 21年、コロナ感染拡大で―IMF見通し
国際通貨基金(IMF)は12日発表した世界経済見通しで、2021年の日本の成長率を2.4%と、7月の前回予測から0.4ポイント引き下げた。新型コロナウイルスのデルタ株が猛威を振るい、緊急事態宣言が発令されたことが響いた。一方、22年の成長率は3.2%と、0.2ポイント上方修正された。

IMFは21年の世界経済の成長率を5.9%と、7月時点から0.1ポイント引き下げ。同年の米国は6.0%と、1.0ポイント大幅に下方修正された。半導体などの供給不足問題や、デルタ株拡大による消費の落ち込みを反映したという。

池袋暴走事故 飯塚元院長、過失を認め「反省するため刑に服す」
東京・池袋で2019年4月、暴走した乗用車にはねられた母子ら11人が死傷した事故で自動車運転処罰法違反(過失致死傷)に問われ、禁錮5年の実刑が確定した旧通産省工業技術院の飯塚幸三元院長(90)が12日、支援者を通じて「暴走はブレーキとアクセルを間違えた結果だった。過失を反省するために刑に服してまいりたい」とのコメントを発表した。飯塚元院長は同日、東京・霞が関の検察庁に出頭した。今後、刑務所に収容される見通し。

小型原子炉開発に投資 30年までに1300億円―仏
フランスのマクロン大統領は12日、2030年までに10億ユーロ(約1300億円)を投資し、複数の小型モジュール原子炉を導入すると発表した。地球温暖化対策として、発電時に二酸化炭素(CO2)を排出しない原子力発電を推進する姿勢を改めて明確にした。マクロン氏はパリで行った演説で、小型モジュール原子炉について「(通常の原発に比べ)はるかに安全だ」と指摘。「コストを下げつつ安全性を高めること」が優先課題だと強調した。