天皇陛下が各国首脳らと面会 11か国12人と個別に懇談
天皇陛下は23日、皇居・宮殿で、東京五輪開会式のために来日した各国首脳らと面会した。出席したのは、ジル・バイデン米大統領夫人やマクロン仏大統領ら11か国12人。新型コロナ対策のため飲食はせず、陛下は各国首脳らと短時間懇談し、退出を見送った。各国首脳らも配偶者など同伴者が参加しなかったため、皇后雅子さまは同席しなかった。
陛下は英語によるおことばで、新型コロナの感染拡大により「人が集い、つながることが決して簡単ではない状況が続いています」と言及した上で、「平和と調和というオリンピズムの精神に改めて思いをいたし、その精神の灯火を未来へとリレーする大会となることを願います」と述べた。終了後、陛下は別室で一人一人からあいさつを受けた。
陛下の開会宣言、表現を変更 「祝い」→「記念する」
天皇陛下は23日、国立競技場(東京都新宿区)で開かれた東京五輪開会式に出席し、開会宣言で「私は、ここに、第32回近代オリンピアードを記念する、東京大会の開会を宣言します」と述べた。1964年の東京五輪で昭和天皇が「オリンピアードを祝い」と宣言したのに対し、今大会では「記念する」と表現を変えた。
天皇陛下、東京五輪の開会を宣言 300発の花火が彩る
東京オリンピックの開会式が23日午後8時から、東京・国立競技場で無観客で始まりました。コロナ禍の中で開催されるスポーツの祭典、人々の受け止め方は――。
23:14 天皇陛下が開会を宣言
午後11時14分、天皇陛下が開会を宣言した。その後、開幕を告げる約300発の花火が国立競技場を彩った。
23:22 平和を願う紙製ハト舞う
東京と福島の高校生による合唱にあわせ、平和を願う紙製のハトが舞った。1964年大会では本物のハトが放たれたが、88年ソウル五輪でハトが聖火に巻き込まれた事故をきっかけに禁じられた。
23:38 野球界のレジェンドが聖火つなぐ
午後11時38分。暗いトンネルを抜けてきたような演出とともに、野村忠宏さんと吉田沙保里さんが聖火を持って入場した。その後、王貞治さんが聖火を持ち、松井秀喜さんが長嶋茂雄さんの腰を支えながら一歩一歩ゆっくりと歩いた。王さんらから医療従事者、土田和歌子さん、東日本大震災の被災地に子どもたち6人とそれぞれつなぎ、富士山を模した聖火台に走った。これまでの式典でパフォーマンスをした全てのキャストが、ヒマワリを持ち集まって花道を作り、聖火ランナーを迎えた。
23:47 最終点火者は大坂なおみ選手
聖火の最終点火者は、テニス女子の大坂なおみ選手。富士山の形をした舞台を上がり、午後11時47分、聖火台に火をともした。
お祭りムード、反発、演出批判…ツイッターに反応飛び交う
東京オリンピック・パラリンピックの開会式があった23日、ツイッターではさまざまな反応が飛び交った。お祭りムードが急速に広がる一方、開催に反発したり、開会式の演出を批判したりする声も目立った。
東京都心の上空を航空自衛隊のブルーインパルスが通過した午後には、描かれた五輪マークや機体を撮った写真や動画の投稿が相次いだ。各地で人混みが発生したため、新型コロナウイルスの感染拡大を懸念する声も多かった。
夕方になり、テニスの大坂なおみ選手が聖火ランナーに選ばれたというニュースが流れると、「最終点火者」がトレンドに入った。他にも、夏季だけでなく冬季を含めた五輪メダリストたちの名前が浮上。前日まで不祥事が続いてようやく迎えた開会式だけに、「ゴジラしかない」などと大きなサプライズに期待が集まった。
午後8時を過ぎ、国立競技場で開会式が始まると、「日本の底力を感じます!」と前向きなメッセージが増えてきた。特に演出を巡る投稿は熱気を帯び、登場する人物や楽曲で盛り上がった。法被を着たダンサーがダンスを披露し、NHKの中継でアナウンサーが「オリンピックの理念である多様性と調和を表しています」と解説すると、「日本人(政治とか会社の上の人達)に1番欠けてるもの」「もはやカオス」と厳しい指摘があった。
選手の入場行進で、ゲーム「ドラゴンクエスト」のテーマ曲が流れると「ドラクエ」がトレンド入り。作曲したすぎやまこういち氏は、過去にLGBTQなど性的少数者への差別的な発言が問題視されてきた。このため「(過去のコントでユダヤ人大量虐殺をやゆし、演出担当を解任された)小林賢太郎がだめで、すぎやまこういちがOKな理由ってなんですか?」「ほぼすべての差別を体現した五輪だ」と批判が広がった。
自身の曲の使用を事前に知らなかった作曲家も。小林啓樹さんは「俺の曲がオリンピックで流れてる(笑)」「いやぁ、ほんとに知らんかった。手震えたわ」「すごい!うれしい!いやっほーい」と喜んだ。
一方で「#五輪やめて命を守れ」というハッシュタグとともに、五輪に反対するツイッターデモが呼びかけられた。関連する投稿では「命を守る選択として五輪中止の決断が必要」「医療崩壊が目の前に来ているときにオリンピックを開催している場合でしょうか」「感染拡大すれば私たち看護師の心身も限界だ」と訴える声があった。
全国で新たに4225人感染 3日連続で4000人超える
新型コロナウイルスの国内感染者は23日午後8時現在で、新たに4225人が確認された。4000人を超えるのは3日連続。最多の東京都は1359人で、前週の金曜(16日)より88人多く、34日連続で前週の同じ曜日を上回った。
東京都の新規感染者を年代別でみると、20代が492人で最多。30代276人、40代204人、50代141人、10代111人と続いた。65歳以上の高齢者は37人だった。
ほかに神奈川県が652人、埼玉県が401人と多く、首都圏の1都3県で新規感染者の6割以上を占めた。沖縄県では100人を確認。