最近は、全国的に、新型コロナ感染の下げ止まり、地域によっては増加傾向が見られる。感染力の強い変異株も随所で確認されており、それが勢いづくと第4波が襲ってくる。
全国の都道府県における感染状況と医療提供体制を、ブロック別に表にした。
感染状況の4ステージ 指標及び目安
ステージⅠ 感染者の散発的発生及び医療提供体制に特段の支障がない段階
ステージⅡ 感染者の漸増及び医療提供体制への負荷が蓄積する段階
ステージⅢ 感染者の急増及び医療提供体制における大きな支障の発生を避けるための対応が必要な段階
ステージⅣ 爆発的な感染拡大及び深刻な医療提供体制の機能不全を避けるための対応が必要な段階
各都道府県における医療提供体制の状況とステージ
各都道府県の感染状況がどのステージにあるのか、地域(ブロック)ごとに表にした。データを比較するため、都道府県別に3時点を上段、中段、下段に併記した。
上段は、厚生労働省が公表している直近のデータ「都道府県の医療提供体制等の状況(医療提供体制・監視体制・感染の状況)(2021年3月9日更新)」
中段は、大阪、愛知、福岡など6府県を先行解除した際、根拠とした厚生労働省が公表しているデータ「都道府県の医療提供体制等の状況(医療提供体制・監視体制・感染の状況)(2021年2月19日更新)」
下段は、第2次緊急事態宣言の期限であった2月7日の延長が検討された際のデータ「都道府県の医療提供体制等の状況(医療提供体制・監視体制・感染の状況)(2021年1月29日更新)」
医療提供体制(病床使用率、10万人当たりの療養者数)などの負荷・・3月9日(上段)、2月16日(中段)、1月26日(下段)の時点
PCR陽性率=陽性者数/PCR検査件数・・3月7日(上段)、2月14日(中段)、1月24日(下段)までの最近1週間
10万人当たりの新規感染者数・・3月11日(上段)、2月18日(中段)、1月28日(下段)までの直近1週間の陽性者数
感染経路不明な者の割合・・3月5日(上段)、2月12日(中段)、1月22日(下段)までの1週間の割合
以下の表の中で、黄色塗りはその指標がステージⅢ、赤色塗りはステージⅣにあり、数値の右側にある矢印、↑ は増加傾向、↓ は減少傾向にあることを示す。都道府県で、赤字は緊急事態宣言が現在発出されている都府県で、ピンクは緊急事態宣言が解除された府県。栃木県は2月8日に解除、岐阜県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、福岡県は3月1日に延長を先行解除された。
北海道・東北地方
新規感染者数で、直近1週間はその前の1週間に比べて総じて増加しており、岩手県と宮城県では感染経路不明が50%を超えている。
10万人当たりの新規感染者数は、宮城県は2月19日更新時(中段)で1.7人で減少傾向にあったが、3月12日更新時(上段)では10.45人と跳ね上げり、しかも増加傾向にある。
病床利用率は、福島県が入院者48.0%、重症者20.0%で、いずれもステージⅢ。2月19日更新に比べて増加している。
北関東地方・首都圏
病床の使用率は2月19日更新時に比べて減少しているが、栃木県と群馬県を除いてステージⅢに留まっている。
新規感染者数は2月19日更新時よりも増えている。1週間比では栃木県、埼玉県、東京都は1倍を超え、下げ止まりどころか増加傾向に転じている。神奈川県と千葉県は0.94倍、0.84倍で下げ止まり状態であり、増加に転じる可能性もある。
緊急事態宣言の疲れによるリバウンドや変異株の動き次第では宣言解除は難しい。
北陸信越地方
病床の使用率は余裕が出てきたが、新規感染者数が前の1週間に比べて、石川県を除き1倍を超えている。注意が必要だ。
東海地方
静岡県での新規感染者数が増加の傾向を示している。
近畿地方
病床の使用率は、滋賀県が2月19日更新時の29.2%から3月12日更新時の30.5%と、ステージⅢでほぼ横ばい状態である。
新規感染者数は、1週間比較でいずれの府県も1倍を超えている。増加に転じる可能性がある。特に、変異株の浸透が懸念される。
中国地方
鳥取県と島根県は優良県だが、岡山県と広島県は最近は増加傾向に転じている。
四国地方
徳島県は入院者による病床使用率がステージⅢから脱した。
九州・沖縄地方
入院者数による病床使用率は、福岡県25.7%、沖縄県31.0%で、2月19日更新時のステージⅣからステージⅢに改善した。
新規感染者数は、福岡県、佐賀県、熊本県、沖縄県で増加を示している。