立民代表選4候補 原発、野党連携、消費税
柏崎刈羽再稼働、泉氏前向き 野党連携・消費減税で温度差―立民代表選4候補が討論(時事通信 2024年09月07日18時57分)
立憲民主党代表選(23日投開票)に立候補した野田佳彦元首相(67)、枝野幸男前代表(60)、泉健太代表(50)、吉田晴美衆院議員(52)は7日、日本記者クラブ主催の討論会に臨み、経済政策や野党連携などを巡って論戦を交わした。
泉氏は東京電力ホールディングス(HD)の柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働に前向きな考えを表明。他の3人は慎重な姿勢を示した。
泉氏は「安全対策の審査、地元の同意、避難計画が全部満たさなければ稼働はできない」と指摘した上で「すべてをクリアしたものを動かすことはあっていい」と述べた。最終的に「原発ゼロ」を目指すとも強調した。
野田氏は「再生エネルギーの大々的普及を含め、原発に依存しない社会を目指す」と指摘。枝野氏は「廃炉作業などは100年単位で(原発を)ゼロにすると言うとあすにも全部なくなると誤解を招く」、吉田氏は「原発のない社会を目指す」と訴えた。
次期衆院選での他野党との関係に関し、野田氏は「穏健な保守層まで(支持を)取りに行く」と話し、日本維新の会との協力に前向きな考えを示した。枝野氏は維新との連携を否定。泉氏も「極めて難しい」と語った。枝野、泉両氏は国民民主党とは連携を強める方針を示した。
枝野氏は共産党とは「安全保障や天皇制で(考えが)全然違う。包括的な連携は難しい」と説明。泉氏も「共産党とは共に政権を担うことはできない」と明言した。
消費税減税を巡っては、泉、吉田両氏が前向きな考えを示した。泉氏は「食料品の税率を軽減することで低所得者向けの効果がある」と主張。これに対し枝野氏は「消費税を下げても焼け石に水だ。中・低所得者向けの給付で支えるべきだ」と反論した。野田氏は「一回下げたら戻すのはものすごい大変だ。軽々にそれ(減税)でいいとは思わない」と述べた。
野田佳彦氏「今の政治状況に強い危機感」 代表選所信表明
野田佳彦氏「今の政治状況に強い危機感」 代表選所信表明(毎日新聞2024/9/7 19:13 最終更新 9/7 19:13)
立憲民主党代表選が7日告示され、野田佳彦元首相(67)、枝野幸男前代表(60)、泉健太代表(50)、吉田晴美衆院議員(52)の4氏が立候補した。
野田氏の所信表明は次の通り。
早期の解散・総選挙が予想される。政権交代前夜の代表選だ。代表選を通じ、共に政権を取りにいこうという思いを共有したい。
今の政治状況に強い危機感を抱いている。裏金のような問題がまかり通る政治と決別するため、きちっと政治改革を進める。政治資金規正法は天下のザルで、抜本的に改正する。被選挙権年齢を引き下げ、国会議員の世襲を制限する。
アベノミクスで格差は拡大した。セーフティーネットをはり、分厚い中間層を取り戻すため政策を総動員する。多様性を認める社会を作り、地域コミュニティーの再生に尽くす。日米同盟が基軸の現実的な外交安全保障政策を進める。内閣人事局のあり方を含め新しい政と官の関係をつくる。
野党議席を最大化し、自公を過半数割れに追い込むのが基本だ。他の野党とも緊密に対話をできるよう連携を図っていく。【安部志帆子】
枝野幸男氏「政治不信克服し新政権の選択肢を」 代表選所信表明
枝野幸男氏「政治不信克服し新政権の選択肢を」 代表選所信表明(毎日新聞2024/9/7 19:14 最終更新 9/7 19:15)
枝野氏の所信表明は次の通り。
日本は今、大きな分岐点に立っている。アベノミクスが限界を迎え経済危機に直面。自民党の裏金事件で政治不信はかつてないほど高まっている。この危機に高みの見物を決め込むようでは日本の未来は変えられない。そう自分に檄(げき)を飛ばし(立候補を)決意した。
目指すべきビジョンとして「人間中心の経済」を掲げた。多様な個人が最大限に力を発揮できる環境を作れるかに日本の可能性はかかっている。教育、研究開発、高齢化、少子化への対応など、徹底的に人に中心を置き、人に投資する。
足元では物価高支援を打ち出す。政治腐敗を一掃する改革を最優先で進める。女性の声を正しく反映し、その力を最大限に引き出す。地方政治の改革と地方組織の基盤強化を進める。
政治不信を克服し、新たな政権の選択肢を作る。それが新代表の唯一にして最大の使命だ。【中村紬葵】
泉健太氏「政権担えば官僚と協働し産業を伸ばす」 代表選所信表明
泉健太氏「政権担えば官僚と協働し産業を伸ばす」 代表選所信表明(毎日新聞2024/9/7 19:16 最終更新 9/7 19:16)
泉氏の所信表明は次の通り。
(政治とカネで)ルール違反をしてきた自民党は今、何事もなかったかのように改革を訴えている。次の選挙をみそぎと称し、また当たり前のように政権を担うだろう。そんなことで私たちは子どもたちに何を語れるのか。立憲民主党に責任を果たさせてほしい。
私たちは批判ばかり、反対ばかりではなく、建設的に政策をつくってきた。特に私が党代表を務めた3年間は政権を担える党にするという一心で歩んできた。
政権を担った時、官僚と協働する。産業を伸ばす。私のキャッチフレーズは「日本を伸ばす」。成長か分配かで常に分配の側に立ってきた立憲だが、それだけでは駄目。きちんと国の未来をつくっていく。特に地域経済を支えたい。教育無償化は我々がつくる新政権の共通政策となるだろう。
今回も最年少の候補者になった。皆様と共に政権を担える立憲を作る。【源馬のぞみ】
吉田晴美氏「国民生活の底上げ、収入増を実現」 代表選所信表明
吉田晴美氏「国民生活の底上げ、収入増を実現」 代表選所信表明(毎日新聞 2024/9/7 19:17 最終更新 9/7 19:17)
吉田氏の所信表明は次の通り。
これまでの慣習にとらわれない等身大の政治の形をつくりたい。一期生に何ができるんだ、ということがあるかもしれないが代表選の常識を変えていきたい。
経済は教育と分けて考えられない。企業の力は人、人の力は教育だ。あなたが望むなら、そこには必ずチャンスがある。そういう国にしていきたい。
生きづらさを抱える子供たちがたくさんいる。少子化の原因とも言われる教育費の無償化を実現したい。
経済面でまず先にやらなければいけないのが国民生活の底上げ、収入アップだ。最低賃金の全国一律1500円を目指す。それとセットで中小企業の社会保険料免除も3年間行う。130万円の年収の壁もスピード感を持って変えていく。
立憲は広報が苦手だと言われる。私が代表になったら新しい形の国民とのコミュニケーション手段を考えていきたい。【安部志帆子】