2023年8月23日 今日の出来事

処理水、24日午後1時にも放出開始 23年度は3万トン超

政府と東京電力は24日午後1時にも、福島第1原発の処理水の海洋放出を始める。2023年度は計約3万1200トンの放出を計画。東電は23日、最初に放出する処理水に含まれる放射性物質トリチウム濃度の確認を急いだ。基準を下回っていることが確認できれば、24日午前にも結果を公表し、午後、放出のためのポンプを起動する。

第1原発の処理水は約134万トンで、敷地内のタンク約千基で保管。容量の約98%に相当する。23年度は約3万1200トンを4回に分け、約7800トンずつ放出。1回目の放出終了には17日程度かかるとしている。処理水は日々増えているため、年度内の削減量は約1万1200トン、タンク約10基分にとどまると見込む。

東電は最初に放出する処理水約1トンを海水約1200トンで希釈し、大型水槽に移送。トリチウム濃度を測定するため一部を採取している。

693医療機関で負担を誤表示 マイナ保険証、保団連調査

全国保険医団体連合会(保団連)は23日、患者がマイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」を使った際、医療費の窓口負担が誤って表示された事例が、32都道府県の693医療機関で確認されたと発表した。

調査は7~8月、保団連に加入する医療機関に実施した。70歳以上が受診した際の誤表示の有無などを尋ね、5055医療機関が回答した。

70歳以上の窓口負担は、年齢や所得に応じて1~3割となっている。調査では「2割負担なのに3割負担と表示された」などの事例があった。保団連によると、医療保険の運営団体による登録ミスやシステムの誤登録などが原因とみられる。

札幌で36.3度、史上最高 北海道27地点で猛暑日

南から湿り気を帯びた暖かい空気が流れ込んだ影響で、北海道は23日、厳しい暑さとなり、札幌市では午後1時59分に観測史上1位となる最高気温36.3度を観測した。これまで最高だった1994年8月7日の36.2度を0.1度上回った。

札幌管区気象台によると、道内27地点で最高気温が35度以上となる猛暑日を記録。8月中旬以降、札幌市で猛暑日となるのは観測史上初めて。26日まで、予想最高気温が30度を超える真夏日が続く見込み。

インド探査機、月着陸成功 4カ国目、初の南極付近

インドの無人月探査機「チャンドラヤーン3号」が23日、月面への軟着陸に成功した。着陸成功は旧ソ連、米国、中国に次ぐ4カ国目で、宇宙開発におけるインドの先進国入りを示したと言えそうだ。

着陸したのは月の南極付近で、インド政府によると同地域への着陸は史上初。月の南極には水が氷の状態で存在していると考えられており、探査車が約2週間、月の組成の調査などを行う。

7月14日に南部スリハリコタの宇宙センターから打ち上げられ、今月5日に月周回軌道に進入した。地元メディアによれば、事業費は約7400万ドル(約107億円)で、過去の月探査ミッションと比べても「費用対効果は高い」という。

香港、10都県水産物の規制開始 処理水放出に対抗

香港政府は24日、福島や宮城など10都県からの水産物の輸入を禁止する。日本政府が東京電力福島第1原発の処理水を同日にも海洋放出する方針を決めたことを受け、「香港の食品の安全と公衆衛生を守るため」と主張している。

禁輸対象は両県のほか、東京、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、新潟、長野各都県の冷蔵・冷凍・乾燥の水産物や海塩、海藻など。原発事故後にこれら10都県の食品輸入を停止(新潟県産米はその後解禁)した中国本土と歩調を合わせた。

香港政府は6月中旬以降、日本から輸入された食品に対する放射性物質の検査を強化し、対象を日本の全ての水産物に拡大。今後は最新情報を迅速に提供するため、検査結果を平日に公表する。

【1年前の今日の出来事】 2022年8月23日