参院選始まる 各党党首の第一声は、物価高対策や安全保障の訴え

参院選が公示され、第一声を聞く聴衆=22日午前、東京・新宿駅西口 政治・経済

各党党首の第一声は 物価高対策や安全保障訴え 参院選公示(毎日新聞 2022/6/22 11:57 最終更新 6/22 18:23)

参院選が22日公示され、党首や立候補者が街頭で第一声を上げた。

自民党・岸田文雄総裁「国の備え十分か確認」

自民党こそが国民の声をしっかり受け止める国民政党、未来を切り開く責任政党だ。今回の選挙は福島の復興、新型コロナとの闘い、ウクライナ情勢への対応、物価高、こうした時代を画する大きな課題に誰が結果を出すことができるのか、どの政党に託すのかが問われる。

コロナ対応は高いレベルで感染症対策を維持しながら、一つ一つ社会・経済活動を取り戻していく。近々、全国規模で観光支援策を展開していく。

ロシアによるウクライナ侵略があった。いま一度、国の備えが十分にできているのか、年末に向けて国家安全保障戦略を見直す中で確認していく。

物価高に対してはエネルギー分野と食料分野に特化した対策を用意してきた。今後とも万全の態勢で臨んでいく。(福島市で)

立憲民主党・泉健太代表「物価高、岸田インフレと戦う」

立憲は参院選の候補者の半分以上を女性にした。国会でもっと女性の声を反映させることで生活課題を改善したい。

物価が上がって生活は大変だが、政府や日銀は、円安は日本経済にプラスであるとして是正しない。もうける輸出産業もあるかもしれないが、生活、家計を無視するような政治はいけない。物価高、岸田インフレと戦う。

首相に何も言えない与党議員の集まりでは何にもならない。今必要なのは緊張感のある、論戦のある国会だ。

ウクライナ情勢にかこつけて軍備ばかりにいく政治は抑えていかないといけない。安全保障に責任を持つ。必要な防衛力を整備するが、防衛費だけ2倍にしたら農業予算、教育予算はどうなるか。バランスの取れた国家予算が必要だ。(青森市で)

公明党・山口那津男代表「食料品の値上がりに手を打つ」

日本はコロナ禍とウクライナ情勢が世界を揺るがす中にある。物価高、円安が追い打ちをかけ、人口減少・少子高齢化、格差拡大が加速し、先行きに不安が広がっているのが現状だ。

いま政治に求められるのは国民の不安をなくすこと、安心を届けることだ。人を育み、希望を作り出すことが求められている。

政策を実現し、日本を前に進めることができる政党、政治家は誰かを選んでいただく選挙だ。公明党は経済立て直し、全世代を守る社会保障の構築、安全保障強化の三つの課題に挑戦する。

全国で国民生活総点検運動を展開した。切実な声や実情を政府に緊急提言し、作られたのが緊急総合対策だ。食料品の値上がりにも思い切った手を打っていく。どうか与党、公明党に力を与えていただきたい。(JR桜木町駅前で)

日本維新の会・松井一郎代表「野党第1党になり自民に圧力」

維新が大阪でやってきたことは一つ。昨日より今日、今日より明日。少しでも住みやすいまちをつくること。10年やってきて少しずつ実現してきた。

全国の政治家は、昭和の時代に決められた身分保障でぬくもっている。経費の問題でも優遇、厚遇されている。そこにメスを入れたい。

維新を野党第1党にしてもらいたい。そうすれば自民党に圧力がかけられる。自民をピリッとさせないと、国民に借金という負担が増え、経済が成長しない。やはり大転換が必要。我々の子や孫が真面目に働けば、給料が上がっていく。そういう日本をつくる。

そして平和で安全で、他国に侵略をされない。そういう積極的防衛力を持ち、安心して住み続けられる日本にしたい。そのスタートだ。(大阪市で)

共産党・志位和夫委員長「核抑止の呪縛を断ち切る」

この参院選は戦争か平和か、日本の命運がかかった選挙だ。ロシアの蛮行に乗じて岸田政権は敵基地攻撃や軍事費2倍、憲法9条改正の大合唱をしている。日本が軍拡すれば、相手も軍拡を加速する。軍事対軍事の悪循環に陥ることが一番危険だ。

自民党はGDP(国内総生産)比2%以上を公約にしながら財源を一言も書いていない。消費税なら2%以上の負担になる。消費増税の白紙委任を自民党に渡すわけにはいかない。

日本が進むべきは敵基地攻撃ではなく、9条をいかした平和外交だ。核兵器禁止条約への参加を求める。唯一の戦争被爆国である日本の不在が大きな批判になっている。橋渡し役と言いながらなぜ参加しないのか。核抑止の呪縛を断ち切るべきだ。(JR新宿駅西口で)

国民民主党・玉木雄一郎代表「国民のために行動したい」

我が国は今、国内外に多くの課題を抱えている。これまでと同じことをただ繰り返すだけでは問題に対応できない。私たちは過去の慣習や古い考え方にこだわらず、「今の国民にとって何が一番大切なのか」という基準に従い国民のために行動したい。

参院選では「給料を上げる」、「国を守る」というシンプルな二つの公約を掲げて戦う。

25年にわたり実質賃金指数が下がり続けているのは日本だけ。経済が停滞したまま四半世紀たった。一生懸命頑張って就職して真面目に働けば給料が上がる。そんな希望さえあれば、若い人は奨学金を借りることは不安ではなく、結婚もでき望む数の子どもを持てる。

政治が役割を果たしていないから、私たちの新しい答えでこの日本を変えたい。(愛知県犬山市で)

れいわ新選組・山本太郎代表「消費税廃止で景気回復」

れいわ新選組の山本太郎代表 残念ながら日本は先進国で唯一、25年間不景気が続く国だ。一部の資本家や大企業にのみ利益が流れ、それ以外の人々は搾取される構造だ。

一番の原因は消費税。明らかに政治による失敗だ。消費者や中小企業の首を絞める消費税を年々上げていきながら、この国の消費、投資する力を奪い続けた結果、日本は衰退国家の一つとなった。

この国の立て直しをもう一度やらせていただきたい。物価上昇や国の状況を回復するためには、消費税廃止が必要だ。(JR新宿駅南口で)

社民党・福島瑞穂党首「”暮らしが一番”の政治を」

「大企業が潤えば全てうまくいく」という新自由主義で国民の生活を破壊し続けるのか、それとも「暮らしが一番」の政治をつくるのかが問われる選挙だ。

憲法9条を持ち平和国家であり続けるのか、戦争のできる国、軍事大国になるのかも問われている。コロナ禍で生活が厳しいという声を聞いている。

3年間消費税ゼロ、大企業の内部留保への課税を実現する。非正規雇用に歯止めをかけ、最低賃金を1500円以上にする。物価が上がっており、下がった年金の手当てもしっかりやる。(JR新宿駅東南口で)

NHK党・立花孝志党首「受信料不払いを全力で守る」

今回の選挙の我々の主張は、NHKに受信料を支払わない方を全力で守る。NHKから裁判を起こされた場合、NHK党が裁判費用、NHKに払うべき受信料を支払う。

年金生活をされている方の受信料を無料にする。少なくとも半額にする。生活保護をもらっている方、学生の受信料も無料だ。年金生活者が受信料を全額払う制度はおかしい。

NHKに受信料を支払わない国民を応援、守る政党がNHK党だ。参院選に勝って、NHKをぶっ壊す。(東京・渋谷のNHK放送センター前で)