「農家はこれから不安だらけ」 コメから転作 “交付金”条件見直しで困惑

「農家はこれから不安だらけ」 コメから転作 “交付金”条件見直しで困惑 政治・経済

「農家はこれから不安だらけ」 コメから転作 “交付金”条件見直しで困惑(TBC 東北放送 2022年6月9日(木) 16:56)

コメ余りが続く中、田んぼでコメ以外の作物をつくると、国から生産者に給付される「交付金」があります。この「交付金」の給付条件が突如変更され、農家の間では戸惑いが広がっています。

宮城県色麻町の農家、庄子智弘さん。約14ヘクタールでコメとネギを育てています。

庄子智弘さん
「ここはもともとコメ、水稲を育てていた場所。今年はネギを作付けしている」

今年、ネギに転作したのは田んぼ30アール分で、給付される「交付金」は約10万円です。

庄子智弘さん
「こういう情勢なので(交付金に)頼らざるを得ない」

コメ余りが続く中、食料自給率の向上を図ろうと、農水省は、田んぼでほかの農作物を作った農家に対し、▼10アールあたり年額▼3万5000円の「交付金」を給付してきました。しかし、「5年間一度もコメ作りをしなかった田んぼ」を、交付金の対象から除外することを決めたのです。

この条件の見直しに多くの農家は困惑しています。庄子さんの田んぼも、水に弱いネギのために掘ったあぜを埋めなければなりません。

庄子智弘さん
「これを埋めるとなるとトラクターで土を戻すが、戻しても(土地が)低くなってしまう。低くなると、(稲の)苗をちゃんと植えられない」

農水省は、条件の見直しを「ブロックごとの転作を促すため」と説明していますが、農家の不安は、増すばかりです。

庄子智弘さん
「土の状態が悪くて稲が作れないとか、そういう土地はいっぱいあると思う。そういうところを鑑みて政策をやってもらわないと、農家はこれから不安だらけになっていく」

生産者は、転作した田んぼを作物に合わせて改良しており、簡単には水をはれないといいます。負担が増えれば、耕作放棄地が増える懸念があり柔軟な対応が求められそうです。