プーチン大統領が逃げた!? ロシア国民が〝生直撃〟する恒例イベント延期の異例事態 「ウクライナ侵攻停滞」「体調不良」の憶測も

昨年6月、国民との対話を行うプーチン大統領 国際

プーチン大統領が逃げた!? ロシア国民が〝生直撃〟する恒例イベント延期の異例事態 「ウクライナ侵攻停滞」「体調不良」の憶測も(zakzak 2022.6/9 11:21)

プーチン氏と国民の直接対話は毎年6月に実施されている。クレムリンは当初、今月15日から18日の間に行うとしていたが、大統領府のペスコフ報道官は「直接対話は今月は開催できない」と発表した。後日開催するとしたが時期は明らかにしなかった。

このイベントは、約4時間にわたりプーチン氏が国民からの質問や意見に答えることで知られる。

「ロシアの経済社会状況が悪いのは、あくまで中間の官僚の責任であり、自身が民衆の不満に寄り添っているという姿勢をみせる〝プーチン流民主主義の政治ショー〟だ」と指摘するのは、ロシア政治に詳しい筑波大名誉教授の中村逸郎氏。

「イベントの数週間前からクレムリンにコールセンターのようなものが立ち上がり、インターネットなどを介して市民が動画などで要望を届ける。選ばれた意見の中から、プーチン氏だけがテキパキと問題を処理できる姿をテレビでアピールする狙いだ。水害被災地を中継して世帯への給付金支援を決めたり、工場で給与未払いの訴えがあると工場支配人の刑事訴追を即断するなど例があった」と解説する。

延期理由として考えられるのがやはりウクライナ侵攻だ。2月24日に「特別軍事作戦」と称して侵攻を開始し、5月9日の「戦勝記念日」までに勝利を収めるシナリオは崩れた。

兵士の犠牲も日に日に増え、将官の戦死も相次いでいる。欧米からの厳しい経済制裁で国内経済も困難に直面している。表向きはプーチン氏の支持率は高いが、国民の不満がくすぶっている可能性がある。

もう一つは体調面の問題だ。クレムリンは重ねて否定するが、西側の情報当局などからは進行型のがんや血液のがん、パーキンソン病などの重病説が飛び交っている。

前出の中村氏は「ウクライナ侵攻に反対する不満の声に対応しきれないことや、4時間近く続くイベントなので、体調上、体力がもたないなどの理由が考えられる。プーチン氏を支える基盤であっただけに政権の正統性が揺らぎかねない」との見方を示した。

プーチン氏が毎年4月に実施するロシア連邦議会での演説も今年は行われていない。やはり異変が生じているのか。

ロシアのプーチン大統領が、国民と直接対話する恒例のイベントを延期するとクレムリン(大統領府)が発表した。20年近く行われ、テレビ放送もされる重要行事が延期されるのは初めてという異例の事態だ。ウクライナ侵攻をめぐり国民からの追及を恐れて逃げたのか。体調面の不安があるのか。さまざまな憶測を呼んでいる。