岸田首相「資産所得倍増計画」は“空振り”確定 「貯蓄より投資」宣言するも「まずは国民に投資しろ」の声

5月5日、ロンドン・シティのギルドホールでスピーチを行う岸田首相 政治・経済

岸田首相「資産所得倍増計画」は“空振り”確定 個人金融資産2000兆円狙う魂胆にも批判殺到

岸田首相「資産所得倍増計画」は“空振り”確定 個人金融資産2000兆円狙う魂胆にも批判殺到(日刊ゲンダイ 公開日:2022/05/07 13:50 更新日:2022/05/07 13:50)

予想通り、市場はほとんど反応しなかった。

連休中、6カ国を外遊した岸田首相は5日、ロンドンの金融街シティーで講演し、「安心して日本に投資してほしい」「資産所得倍増を実現する」と表明したが、翌日(6日)の東京市場は、185円03銭高の2万7003円56銭と、わずかに上昇しただけだった。

海外の投資家を相手に講演した岸田首相は、「2000兆円ある日本の個人金融資産は大きなポテンシャルだ」「貯蓄から投資へのシフトを進める」「インベスト・イン・キシダです」と胸を張ってみせた。どうやら、現在、半分以上が現預金で保有されている個人の金融資産2000兆円を投資に回させ、株価をアップさせる魂胆のようだ。

しかし、「資産所得倍増計画」を打ち出した直後からネットでは批判が噴出。

<なんか違う気がする>
<「資産所得倍増プラン」?「所得倍増計画」はどこへいった?>
<そもそもなんで貯蓄に走るかわかってないんでしょうね。日本の先行きに希望が見えないから不安で貯蓄するんでしょう。投資を推奨する前に日本経済を成長させろ。そうすれば投資なんて自然に集まるでしょう。成長が見えないとこに投資はしませんよ>
<無意味なマネーゲームにしかならないと思う>

資産所得とは、給料とは異なり株式の配当などから得られる所得だ。厚労省の調査によると、2018年の1世帯当たりの資産所得は15万8000円だった。岸田首相は、資産所得を倍増させるために「NISA」の利用者拡大などを推し進めるという。しかし、はたして日本国民や外国人が投資するのかどうか。

経済評論家の斎藤満氏はこう言う。

「岸田首相の講演をテレビで見ましたが、聞いていた外国人投資家は、『この人、なに言ってんだ』という感じでキョトンとしていました。日本はドルベースだとマイナス成長の国ですよ。しかも、円安が進行している。投資の鉄則は、強い通貨の国を対象にすることです。経済成長もせず、弱い通貨の国には、誰も積極的には投資しない。外国から投資マネーが入ってこなければ、日本人が投資しても儲けることは難しいでしょう」

どこが「新しい資本主義」なのか。

岸田首相、「貯蓄より投資」宣言するも「持ち株ゼロのお前が言うな」「まずは国民に投資しろ」の声

岸田首相、「貯蓄より投資」宣言するも「持ち株ゼロのお前が言うな」「まずは国民に投資しろ」の声(FLASH 投稿日:2022.05.07 20:00)

岸田首相、「貯蓄より投資」宣言するも「持ち株ゼロのお前が言うな」「まずは国民に投資しろ」の声
2021年11月に公開された保有資産で、岸田首相は1億7595万円のうち、株式がゼロだった

岸田文雄首相(64)の “投資発言” が、いまだに波紋を呼んでいる。

5月5日、英国・ロンドンの金融街シティーで講演した岸田首相は、「資産所得倍増プラン」を表明した。

個人金融資産の半分以上が現預金で保有されている “貯蓄状態” を「日本の大きなポテンシャル」と指摘し、NISA(少額投資非課税制度)の拡充などを通じて「投資による資産所得倍増を実現する」と宣言したのだ。

この発言を永田町は冷やかな目で見ています。というのも、2021年11月に岸田内閣の保有資産が公開されましたが、首相自身の資産は、1000万円の定期預金はあるものの、株式は持っていなかったからです。

当時から『首相は株や投資に興味ないんじゃないのか』という評判ですよ」(永田町関係者)

2019年、金融庁は「老後30年間で2000万円が不足する」という試算を発表。いわゆる「老後2000万円問題」が明らかになって以降、庶民はNISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)を利用し、将来を見据えた資産形成に取り組んでいるが、首相にはそうした不安はないということか。

岸田首相の「貯蓄より投資を」という宣言について、矛盾を指摘する声が相次いでいる。

《岸田は投資に言及するなら、まず自分が投資してからやな》
《国民に投資しろって呼び掛けてるのに、自分は全く投資してないの笑う》
《岸田!まずはお前が国民に投資しろ!》

一国のリーダーには背中で語る姿を見せてほしい。

( SmartFLASH )