【データとグラフで解析】 新型コロナ、世界の感染状況

covid-19_World20210103 国際

昨年、全世界で猛威を振るった新型コロナウイルは、今年に入って収束するどころか勢いを増し、感染者数は全世界で8464万人、死亡者数は183万人、国/地域別では、最多の米国で感染者が2000万人、死亡者が35万人を越えた(ジョンズ・ホプキンズ大学のデータ、日本時間2021年1月3日午後7時23分)。イギリスや南アフリカでは感染力の強い変異種が確認されており、すでに各国に伝搬し、感染拡大に拍車をかけている。

感染拡大の状況をグラフとデータで視覚化した。

新型コロナウイルス 世界各地で感染が拡大し、死亡者も増加している

世界全体における1日ごとの新規感染者数と死亡者数の推移をグラフに示した。数値は曜日によってばらつきが大きいので、7日間の移動平均値をとった。

新型コロナウイルス 世界全体の新規感染者数及び死亡者数の推移

2019年12月頃に発生したとされる中国では、翌2020年1月から感染者数と死亡者数が世界に先駆けて増加した。発生源の武漢市は閉鎖され、すべての市民にPCR検査を強行し、その後も患者が確認される度に、検査と隔離を徹底した。現在は小康状態となっている。

危機を敏感に察知した台湾はすぐに水際対策を強化し、ハイテクも駆使して、国内の感染拡大を防いだ。甘く見た米国や遠い国の出来事ととらえたヨーロッパでは一挙に感染が拡大した。現在、世界全体では収まる気配が見えない。

米国、イギリス、中国、ロシアなどの国では、すでにワクチンが開発され接種が始まっている。その効果に期待したい。

感染者数(累計)の多い世界トップ5 … 米国、インド、ブラジル、ロシア、フランス

感染者数(累計)の多い国/地域は、最多が米国2043.0万人(死亡者数35.0万人)、次に、インド1032.3万人(14.9万人)、ブラジル771.6万人(19.5万人)、ロシア320.3万人(5.7万人)、フランス270.0万人(6.5万人)、ロシア207.1万人(5.7万人)の順である(ジョンズ・ホプキンス大学、日本時間2021年1月3日午後7時23分)。トップ5が世界全体の感染者数の52.4%を占めている。

トップ5のそれぞれの国の累計感染者数及び1日ごとの新規感染者数の推移をグラフにした。

新型コロナウイルス 累計感染者数の多いTop5か国/地域の推移

累計感染者数の多いTop5か国/地域における毎日の新規感染者数の推移

米国における新規感染者数の増加の推移は、まさに異常に大きい。インドは9月半ばにピークを迎え、その後は下降傾向にある。南半球のブラジルは冬の季節に当たる7月、8月に山となりその後は徐々に縮小したかに見えたが、11月以降再び増加している。

感染者(累計)及び死亡者(累計)の多い上位15位までの国/地域を、それぞれ表にした。参考のため、100万人当たりの感染者数と死亡者数も記載した。データの出典は、厚生労働省『新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について(令和3年1月1日版)』である。

感染者数の多い世界トップ15か国/地域の感染者数、死亡者数、及び人口100万人当たりの人数

順位 国/地域 感染者(人) 死亡者(人) 人口100万人当たり
感染者(人) 死亡者(人)
1 米国 19,968,087 345,737 60,681 1,051
2 インド 10,266,674 148,738 7,514 109
3 ブラジル 7,675,973 194,949 36,370 924
4 ロシア 3,127,347 56,271 21,439 386
5 フランス 2,677,666 64,759 41,113 994
6 英国 2,496,231 73,622 36,965 1,090
7 トルコ 2,208,652 20,881 26,473 250
8 イタリア 2,107,166 74,159 34,800 1,225
9 スペイン 1,928,265 50,837 41,258 1,088
10 ドイツ 1,760,520 33,791 21,080 405
11 コロンビア 1,642,775 43,213 32,634 858
12 アルゼンチン 1,625,514 43,245 36,299 966
13 メキシコ 1,426,094 125,807 11,178 986
14 ポーランド 1,294,878 28,554 34,176 754
15 イラン 1,225,142 55,223 14,776 666

死亡者数の多いトップ15か国/地域の感染者数、死亡者数、及び人口100万人当たりの人数

順位 国/地域 感染者(人) 死亡者(人) 人口100万人当たり
感染者(人) 死亡者(人)
1 米国 11,715,316 252,535 35,602 767
2 ブラジル 5,981,767 168,061 28,343 796
3 インド 9,004,365 132,162 6,590 97
4 メキシコ 1,019,543 100,104 7,992 785
5 イギリス 1,456,940 53,870 21,575 798
6 イタリア 1,308,528 47,870 21,611 791
7 フランス 2,077,755 46,760 31,902 718
8 イラン 815,117 43,417 9,831 524
9 スペイン 1,541,574 42,291 32,984 905
10 アルゼンチン 1,349,434 36,532 30,134 816
11 ペルー 939,931 35,317 28,912 1,086
12 コロンビア 1,225,490 34,761 24,345 691
13 ロシア 1,998,966 34,525 13,704 237
14 南アフリカ 759,658 20,671 12,973 353
15 インドネシア 483,518 15,600 1,787 58

直近4週間における感染状況 1日当たりの新規感染者数と死亡者数、Top15国/地域

2020年12月1日から12月28日までの4週間における感染状況について、1日当たりの新規感染者数及び1日当たりの死亡者数を、多い順に15位までを表にした。

直近4週間における、1日当たりの新規感染者数(平均)の多い世界トップ15か国/地域

順位 国/地域 感染者(人) 死亡者(人) 人口100万人当たり
感染者(人) 死亡者(人)
1 米国 203,622 2,381 615 7.2
2 ブラジル 41,748 659 196 3.1
3 ロシア 27,550 538 189 3.7
4 インド 27,196 376 20 0.3
5 トルコ (注) 25,952 228 645 2.7
6 イギリス 25,106 453 370 6.7
7 ドイツ 21,526 516 257 6.2
8 イタリア 16,240 600 269 9.9
9 フランス 12,241 372 188 5.7
10 ウクライナ 11,026 208 252 4.8
11 コロンビア 10,250 200 201 3.9
12 メキシコ 9,853 604 76 4.7
13 ポーランド 9,650 357 255 9.4
14 オランダ 8,912 60 520 3.5
15 イラン 8,725 235 104 2.8

注)トルコ保健省は12月10日に、これまで症状が軽微な患者を集計に反映して来なかったが、この日から過去に遡って含める形にしたため、この日の感染者数は断トツに多い82万3225人(ジョンズホプキンス大学)となった。直近の平均を求める際には、この日を除いて27日間の平均値をとった。

新規感染者数は、最多の米国が2位のブラジルと比較して約5倍である。人口100万人当たりに換算しても3.1倍である。

直近4週間における、1日当たりの死亡者数(平均)の多い世界トップ15か国/地域

順位 国/地域 感染者(人) 死亡者(人) 人口100万人当たり
感染者(人) 死亡者(人)
1 米国 203,622 2,381 615 7.2
2 ブラジル 41,748 659 196 3.1
3 メキシコ 9,853 604 76 4.7
4 イタリア 16,240 600 269 9.9
5 ロシア 27,550 538 189 3.7
6 ドイツ 21,526 516 257 6.2
7 イギリス 25,106 453 370 6.7
8 インド 27,196 376 20 0.3
9 フランス 12,241 372 188 5.7
10 ポーランド 9,650 357 255 9.4
11 イラン 8,725 235 104 2.8
12 トルコ 54,426 228 645 2.7
13 ウクライナ 11,026 208 252 4.8
14 コロンビア 10,250 200 201 3.9
15 南アフリカ 7,924 198 134 3.3

死亡者数も最多の米国は2位のブラジルと比較して3.6倍である。

深刻さを増すヨーロッパ、イギリスで感染力の強い変異種が猛威を振るう

ヨーロッパでは夏が終わる頃から感染が再び増加し、現在は第1波をはるかに超える第2波が押し寄せている。特に、イギリスでは感染力が70%強い変異種が確認され、感染拡大に拍車をかけている。変異種はすでに世界に拡散し、各国でも確認されている。

ヨーロッパで感染者数の多いトップ5か国の毎日の新規感染者数の推移

ヨーロッパでは、フランスが11月初めにピークを記録したが、その後は下降傾向にある。イタリアも11月中旬にピークとなり、その後、下降している。

問題はイギリスである。2020年の秋頃に感染力の強い変異種が確認され、その後、感染が勢いを増して拡大している。警戒感を強めたボリス・ジョンソン首相は12月19日、それまでの方針を急転換し、大規模なロックダウンに踏み切った。変異種の感染力はこれまでより70%強力だと言われている。

変異種はすでに世界に拡散しており、ヨーロッパではフランス、ドイツ、イタリア、スイス、北米のカナダ、アジアでは日本、香港、シンガポール、韓国、中東のレバノン、イスラエル、ヨルダン、それにオーストラリアなどに広がっている。

南アフリカでは、感染力の強い、イギリスと異なる変異種が発見

南アフリカでもイギリス種とは別の変異種が確認されている。これも感染力が強く、中高年だけでなく若者にも患者が増えているという。

イギリスの専門家は、「南アフリカの変異種はイギリスの変異種に比べ、ウイルスが体内に侵入する上で重要な役割を果たすタンパク質により多くの変異があり、ワクチンが誘発する免疫反応の影響を受けにくくなる恐れがある」と指摘した。つまり、今開発されているワクチンが効かない可能性の懸念を示した。

日本国内でもすでに南アフリカ変異種が確認されている。厚生労働省は昨年12月28日、南アフリカから成田空港に到着した30代の女性が新型コロナウイルスの変異種に感染していたと発表した。

南アフリカでの感染状況

中南米では、ブラジルが再び増加

中南米では、感染者数はブラジルが圧倒的に多い。南半球に位置する南米諸国は冬の季節である7月、8月に感染者が増えたが、ブラジルは8月のピークを過ぎて11月中旬頃から再び急に増加した。日本でも8月の夏の季節に第2波の山を形づくった。

中南米での感染状況

アジアでは、インドネシアに次いで日本が急上昇

アジアとして、ここでは日本が位置する東アジアと東南アジアを取り上げた。国/地域は、
≪東アジア≫  日本、韓国、(北朝鮮=データがないので見送り)、中国、台湾、香港、モンゴル
≪東南アジア≫ フィリピン、ベトナム、ラオス、カンボジア、タイ、ミャンマー、シンガポール、マレーシア、インドネシア、東ティモール、ブルネイ
である。

感染状況を、累計、及び、直近4週間(2020年12月1日~12月28日)における1日当たりの平均について、感染者数の多い順に表にした。

東アジア・東南アジアにおける『累計』感染状況

順位 国/地域 感染者(人) 死亡者(人) 人口100万人当たり
感染者(人) 死亡者(人)
1 インドネシア 743,198 22,138 2,746 81.8
2 フィリピン 474,064 9,244 4,385 85.5
3 日本 234,395 3,460 1,848 27.3
4 ミャンマー 124,630 2,682 2,306 49.6
5 マレーシア 113,010 471 3,537 14.7
6 中国 87,071 4,634 61 3.2
7 韓国 61,769 917 1,206 17.9
8 シンガポール 58,599 29 10,096 5.0
9 香港 8,847 148 1,190 19.9
10 タイ 7,163 63 103 0.9
11 ベトナム 1,465 35 15 0.4
12 モンゴル 1,220 1 378 0.3
13 台湾 799 7 34 0.3
14 カンボジア 378 0 23 0.0
15 ブルネイ 157 3 363 6.9
16 東ティモール 44 0 34 0.0
17 ラオス 41 0 6 0.0

直近4週間(2020年12月1日~12月28日)における『1日当たり平均』感染状況

順位 国/地域 感染者(人) 死亡者(人) 人口100万人当たり
感染者(人) 死亡者(人)
1 インドネシア 6,441 161 24 0.6
2 日本 2,672 38 21 0.3
3 マレーシア 1,464 3 45 0.1
4 フィリピン 1,394 26 13 0.2
5 ミャンマー 1,136 24 21 0.4
6 韓国 860 12 17 0.2
7 中国 101 1 0 0.0
8 タイ 87 0 1 0.0
9 モンゴル 13 0 4 0.0
10 シンガポール 11 0 2 0.0
11 台湾 4 0 0 0.0
12 ベトナム 4 0 0 0.0
13 カンボジア 1 0 0 0.0
14 東チモール 1 0 0 0.0
15 ブルネイ 0 0 0 0.0
16 ラオス 0 0 0 0.0

アジア(東アジア、東南アジア)における感染者数及び死亡者数は、欧米と比較して、その数値は1/10~1/100と非常に小さい。

アジアにおいて感染者数と死亡者数は、累計で、最多がインドネシア、次がフィリピン、そして3位が日本である。また、直近の状況は、感染者数と死亡者数のともに、最多がインドネシア、2位が日本である。

日本は新型コロナの感染状況に関して、アジアでワースト2位である。それは数値が示す誤魔化しようのない事実である。その事実を踏まえて、政府、自治体、医療機関は真に効果のある対策を実施して頂きたい。そして、国民一人ひとりは、自分と家族や大切な人の命に責任の持てる行動をするよう心掛けましょう。

東アジア・東南アジアにおけるトップ6国/地域の新規感染者数の推移

最多のインドネシアは10月に感染拡大が止まったが、それ以外の期間においては一貫して増加している。11月以降は増加の勢いが強い。

累計で第2位のフィリピンは、8月をピークにして、その後は新規感染者数は減少している。

累計で第3位の日本は、4月の第1波、8月の第2波、そして秋以降は第3波をつくっている。第3波における新規感染者数は11月以降、激しい勢いで増加しており、日々、記録を更新している。収まる気配が見られない。

冬が進むにつれて新規感染者数が大きく伸びているのは、インドネシア、日本、マレーシアである。

【参考リンク】

【データで解析】 新型コロナウイルス ヨーロッパは2度目のロックダウン、日本は対策に失敗

【グラフで解析】 新型コロナの感染状況…新規感染者は全国4000人超、東京1000人超、今後も増加する

【データの出典元】

ジョンズ・ホプキンス大学:COVID-19 Dashboard by the Center for Systems Science and Engineering (CSSE) at Johns Hopkins University (JHU)

オックスフォード大学:Our World in Data ”Coronavirus Source Data

厚生労働省『新型コロナウイルス感染症について

NHK 特設サイト『新型コロナウイルス』