月100万円支給される文書通信交通滞在費、日割り改正が正しい方法か？
国会議員に月100万円支給される文書通信交通滞在費（文通費）を巡り、世論の批判が強まっている。10月31日投開票の衆院選で当選した衆院議員が10月分を全額受給したことに関し、日本維新の会が「仕事をしていないのにもらうのはおかしい」と問題提起したことが契機となった。
各党は日割り支給を可能とする方向で法改正を急いでいる。
これに関して、3つの問題を提起したい。
１．文書通信交通滞在費の趣旨に沿って考えるなら、日割りが正しい方法か、疑問だ。
２．これは誰にも分かりやすいテーマだからマスコミはこぞって取り上げるが、もっと大きな無駄や不正こそ注目するべきではないか。
３．この事案をもって維新が「実を切る改革」「税金の使い道を公開」を実行していると評価してはいけない。維新の収支報告書には数千万円～億単位の政治資金の使途が不明のままである。
玉川徹氏「日割りは発想が給与、経費にして全部公開」
玉川徹氏、満額支給問題の文通費はあくまで「経費」 日割り計算は「発想が給与」（デイリー 2021.11.16）より抜粋
テレビ朝日の玉川徹氏が16日、同局「羽鳥慎一モーニングショー」で、問題視されている国会議員の文書通信交通滞在費（文通費）の満額支給について、一部で日割りでとの声が上がっていることに「日割りというのは発想が給与」と語り「この際だから経費に切り替えたらいいんじゃないか」と提案した。
玉川氏は「議論が始まったのはいいが、本質からずれている。それは文通費が給与なのか経費なのか。日割りに、という発想が給与なんだと思うが違うと思う」と、文通費はあくまで“経費”なのではないかと主張。
「政治に信頼がないのは透明性がないから」「透明性があればチェックが働くからおいそれとしたことはできない。透明性を担保するには経費にして全部公開」とも訴え「この際だから、経費にちゃんと切り替えたらいいんじゃないでしょうか」と提案した。
「経費として一体何に使えるのか厳密に決めて、それぞれの上限を決めて余ったら返す。民間が普通にやっていることを国会議員もやるだけ」とコメントしていた。
山口真由氏「もっと大規模な無駄ってある」
山口真由氏 文通費問題持ちきりの報道に疑問視「もっと大規模な無駄ってある」（デイリー 2021.11.16）より抜粋
テレビ朝日「羽鳥慎一 モーニングショー」などに出演する元財務官僚で弁護士の山口真由氏が16日、ツイッターに新規投稿。国会議員の文書通信交通滞在費に批判が集まっていることに「分かりにくくてもっと大規模な無駄」の存在を指摘した。
山口氏は「維新の小野さんのご指摘は、1日なのに1か月と象徴的で分かりやすい。重要な指摘であること間違いないが、マスメディアは、分かりやすさより金額的規模感を基準に報道の優先度決めるべきじゃないか」と呼びかけた。
その上で「文書交通通信滞在費、アベノマスク保管費用だけど、分かりにくくてもっと大規模な無駄ってある」とコメント。分かりやすいテーマに報道がなびきやすい現状を憂えた。
維新は政治資金の使途の公開を主張するが、馬場幹事長は1年間で5600万円も使途不明
丸山穂高氏 文通費問題指摘の維新に「毎月じゃぶじゃぶ使っている組織活動費の件は？」（デイリー 2021.11.16）より抜粋
前衆議院議員の丸山穂高氏が16日、ツイッターに連続投稿。文書通信交通滞在費の問題を最初に指摘した小野泰輔議員が在籍する日本維新の会に対して、「毎月何百万もじゃぶじゃぶ使っている組織活動費の件も、使い道全て公開すべきでは？」と要求した。
「この組織活動費は議員個人に流れた後はどう使ったかもオープンにならない。使い切ったことにすれば一切所得税もかからぬ税金原資の魔法の掴み金。もし幹部からさらに他者に渡したならその人はどう経費計上しているか？も問題。政治活動に使ったならオープンにできるよね？？現に収支報告書制度はそういう趣旨なのだから」
日本維新の会国会議員団 収支報告書 令和元年分 「日本維新の会本部からの収入」
政治資金収支報告書によると、「日本維新の会国会議員団」は、令和元年（2019年1月1日～12月31日）に「日本維新の会」本部から18回、計1億5652万5000円の交付を受けている。
日本維新の会国会議員団 収支報告書 令和元年分 「政策活動費」
「日本維新の会国会議員団」は「政策活動費」として、令和元年に合計5865万8000円を支出している。その中で、馬場伸幸幹事長に合計5600万円を支出している。
この5600万円、馬場幹事長がどのように支出したのか、明細は一切分からない。政治資金の公開を主張するのなら、「政策活動費」の明細を明らかにすべきだ。
