赤木雅子さんの岸田総理への手紙(全文) 森友・公文書改ざん問題の経緯、改ざん指示した幹部は全員栄転

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自殺した赤木氏の妻が真相を求めて岸田首相に手紙を郵送

学校法人森友学園への国有地売却をめぐる財務省の公文書改ざん問題で、改ざんに関与させられ自死した近畿財務局職員、赤木俊夫さん(当時54)の妻・雅子さんは、10月6日、岸田首相に対し「夫が正しいことをしたこと、それに対して財務省がどのような対応をしたのか調査してください」などと求める手紙を郵送した。

7日に会見した雅子さんは「岸田首相は話を聞くのが得意だと話していたので、聞いていただこうと思い手紙を出した」と話した。

が、岸田文雄首相に再調査を求める手紙を首相官邸宛てに送ったことについて、首相は7日、訪問先の静岡市清水区で記者団の取材に対し、「お手紙受け取った上で、この対応について考えたいと思う」と答えた。

立憲・辻本清美副代表が代表質問で赤木夫人の手紙を取り上げる 答弁逃げる岸田首相

辻元清美議員、赤木氏妻の手紙全文読み上げる 岸田総理は神妙表情(デイリー 2021.10.11)

立憲民主党の辻元清美議員が11日、国会での衆議院代表質問で、いわゆる「赤木ファイル」を記した財務省近畿財務局の職員・赤木俊夫さんの妻、雅子さんの手紙全文を読み上げ、岸田文雄総理へ回答を迫った。

辻本議員は「先週、森友公文書改ざん問題で自殺に追い込まれた赤木さんの妻、雅子さんにお会いしました」と切り出した。雅子さんへ「どんな思いでお手紙を出したのですか」と聞いたといい、雅子さんは「岸田総理は人の話を聞くのが得意なので、私の話も聞いてくれるかと」と答えたという。

辻元議員は「(手紙を)読みましたか? 御返事はされるのですか? お答え下さい」というと、雅子さんが岸田総理へ送ったという手紙全文を読み上げた。NHKの中継カメラでは、読み上げる辻元議員の横で神妙な表情を浮かべる岸田総理を映し出していた。

岸田総理は、赤木氏へ「ご冥福をお祈り申し上げたい」とした上で「ご指摘の手紙は拝読しました。内容はしっかり受け止めさせて頂きたい」と回答。

さらに現在は民事において「原告被告の立場にある」とし「返事は慎重に対応したい。裁判の過程において、まずは裁判所の訴訟指揮に従いつつ、丁寧に対応するように財務省に指示を行った」などとも答え、最後に「今後、行政において疑惑を招くような事を二度と起こさないよう」などと語った。

赤木夫人が岸田首相の郵送した手紙の全文

財務省の決裁文書の改ざんに関与させられ自殺した近畿財務局の男性職員の妻が10月6日、岸田総理大臣にこの問題の再調査を求める直筆の手紙を送った。

赤木雅子さんが岸田総理大臣に投かんした手紙の全文(原文ママ)

内閣総理大臣 岸田文雄 様

私の話を聞いてください。

私の夫は三年半前に自宅で首を吊り亡くなりました。

亡くなる一年前、公文書の改ざんをした時から体調を崩し身体も心も壊れ最後は自ら命を絶ってしまいました。

夫の死は公務災害が認められたので職場に原因があることに間違いありません。財務省の調査は行われましたが夫が改ざんを苦に亡くなったことは書かれていません。なぜ書いてないのですか?

赤木ファイルの中で夫は改ざんや書き換えをやるべきではないと本省に訴えています。それにどのように返事があったのかまだわかっていません。夫が正しいことをしたことそれに対して財務省がどのような対応をしたのか調査してください。そして新たな調査報告書には夫が亡くなったいきさつをきちんと書いてください。

正しいことが正しいと言えない社会はおかしいと思います。岸田総理大臣ならわかってくださると思います。

第三者による再調査で真相をあきらかにしてください。

                                 赤木 雅子

森友文書の改ざんを巡る経緯

2013年  
6月28日森友学園が小学校用地として、国有地取得を財務省近畿財務局に要望
2015年  
9月5日安倍晋三首相の妻昭恵氏が、学園の小学校の名誉校長に就任
2016年  
6月20日近畿財務局が学園に、ごみ撤去費約8億2000万円を鑑定評価額から値引きし、1億3400万円で国有地を売却
2017年  
2月9日朝日新聞が国有地売却問題を報道
17日安倍首相が「私や妻が関係していたとなれば、総理大臣も国会議員も辞める」と国会答弁
2月下旬
~4月頃
佐川氏らが決裁文書の書き換えを複数回指示
2月~7月赤木氏が森友案件を担当(7月以降、休職、うつ病
24日財務省の佐川宣寿理財局長(当時)が「交渉記録は廃棄した」と国会答弁
26日財務省理財局の指示に、近畿財務局の赤木俊夫氏は抵抗したが、決裁文書を改ざん
3月7日
~8日
赤木氏、改ざんの指示に涙を流しながら抵抗
7月15日赤木氏、うつ病と診断
11月17日赤木氏に大阪地検から取り調べの打診。以降、自殺願望を口にするに
12月25日赤木氏、大阪地検検事から電話で聴取を受ける。うつ病の症状がさらに悪化
2018年  
3月2日朝日新聞が決裁文書に書き換えの疑いがあると報道
同日夜赤木氏が「死ぬ場所を決めているから」と述べ、遺書を持って自宅から出て行こうとするのを妻が止める
7日赤木氏が自殺
9日佐川氏が国税庁長官を辞任、退職
12日財務省が決裁文書14件で改ざんを認める
27日佐川氏が国会の証人喚問で改ざんの経緯や動機の証言を拒否
5月31日東京地検特捜部が佐川氏らを不起訴
6月4日財務省が改ざんの調査報告書を公表
2020年  
3月18日赤木雅子さんが提訴。赤木ファイルの提出を国に要請
2021年  
2月8日雅子さんがファイル提出を国に命じるよう申し立て
5月6日国側がファイルの存在を認める
6月22日国側がファイルを雅子さん側に開示、核心は黒塗り
10月6日雅子さんが岸田首相に再調査を求める手紙を郵送
 は訴状より

【参考記事】

森友文書改ざん「本省の指示」 自殺職員の妻、佐川氏と国を提訴(東京新聞 2020年3月19日 02時00分)

赤木ファイル“核心”は黒塗り 「誰から指示されたのか…」妻落胆(西日本新聞 2021/6/23 6:00  2021/6/23 15:56 更新  [有料会員限定記事])

森友問題で改ざんを指示した財務省幹部は全員栄転

森友問題で自殺職員が名指し 財務官僚「全員栄転」の仰天(日刊ゲンダイ 公開日:2020/03/23 14:50 更新日:2020/03/23 16:25)

森友問題を巡り公文書改ざんを強要され、自殺に追い込まれた財務省職員、赤木俊夫さん(享年54)が残した「手記」が永田町を揺るがしている。特に火がつきそうなのは、赤木さんが名指しで批判した財務官僚が、シレッと「栄転」を果たしていることだ。

財務省「栄転6官僚」

氏  名  改ざん開始時
(17年2月)の役職
  
栄転後の役職
佐川宣寿理財局長国税庁長官(18年3月に退職)
中尾 睦理財局次長横浜税関長(19年7月就任)
中村 稔理財局総務課長駐英公使(19年8月就任)
冨安泰一郎国有財産企画課長内閣官房内閣参事官兼情報通信総合戦略室参事官(19年7月就任)
田村嘉啓理財局国有財産業務
課国有財産審理室長
福岡財務支局理財部長(17年7月就任)
美並義人近畿財務局長東京国税局長(19年7月就任)

赤木さんが「刑事罰、懲戒処分を受けるべき者」と記したのは、佐川宣寿元国税庁長官(62)以下、財務省本省所属だった6官僚。いずれも、2017年2月以降、赤木さんが所属していた近畿財務局に改ざんを指示した人物だが、6人中5人の栄転が確認できた。

さらに当初、改ざんを拒否していた近財内部に対し「全責任を負う」と言ってゴーサインを出したとされる美並義人近財局長(59)には、東京国税局長と“花道”ポストが用意された。全員、公文書改ざん問題を受け18年6月に懲戒処分されたにもかかわらず、出世街道を爆走しているのだから驚くしかない。

さらに不自然なのは、全員が本省を離れ、改ざん当初の所属先とはほぼ関係のない部署に移っていること。理財局総務課長だった中村稔氏(53)に至っては駐英公使と、財務省とは全く無関係なポストに就いた。

国会招致逃れのため、経産省から在イタリア大使館の1等書記官となった元昭恵夫人付職員の谷査恵子氏のケースが思い浮かぶ。「内閣人事局」を通じて省庁の幹部人事を握る安倍官邸が、再び招致逃れのため、“キーマン”を本省から切り離した可能性も考えられる。