世田谷区のコロナ感染者1786人が後遺症訴え(産経新聞 2021/9/10 20:51)より
東京都世田谷区は、新型コロナウイルスに感染した区民らを対象に実施した後遺症に関するアンケートの結果(速報値)を公表した。対象となった8959人のうち有効回答は3710人で、そのうち1786人が後遺症があると回答した。症状で最も多かったのは嗅覚障害だった。区は「無症状や軽症の患者も含めた数千人規模の調査は全国でも珍しい」としている。
区は、今年4月15日時点で世田谷区保健所に提出された発生届を基に、新型コロナの感染者8959人にアンケートを行った。調査期間は7月16日~8月6日で、郵送とインターネットで3710人から回答を得た(有効回収率41.4%)。
回答者のうち48.1%(1786人)が後遺症を訴えた。年代別では30~50代が5割台と高く、20代と60~70代が4割台、10代と80~90代が3割台だった。
症状(複数回答)では、嗅覚障害が最も多く971件。次いで、全身の倦怠感(893件)、味覚障害(801件)と続いた。10~30代では嗅覚障害、40~90代では全身の倦怠感を訴える割合が最も多かった。
区は10月下旬をめどに最終結果をまとめ、区の公式サイトなどに掲載して注意喚起する。
1700人以上が後遺症を訴えたことについて、保坂展人区長は「これだけ多いことが改めて分かった。退院後も苦痛が続き、日常生活に支障をきたしているが、その受け皿は十分ではない」とした上で、「データを基に、臨床の現場でも、後遺症治療がコロナ治療の連続線上で行われるよう国に求めていきたい」と話した。