蓮舫氏「小池百合子都知事の政策、思いつきばかり」対決色鮮明に 都知事選の出馬表明で語ったこと【一問一答】

都知事選出馬を決め、記者会見に臨む立憲民主党の蓮舫参議院議員=27日午後、東京・永田町で 政治・経済

蓮舫氏「小池百合子都知事の政策、思いつきばかり」対決色鮮明に 都知事選の出馬表明で語ったこと【一問一答】(東京新聞 2024年5月27日 19時18分)

東京都知事選(6月20日告示、7月7日投開票)に無所属で立候補する意向を表明した立憲民主党の蓮舫参院議員。27日の記者会見では、小池氏が8年前の都知事選で掲げた介護離職、残業、多摩格差など「7つのゼロ」について、「どこに行ったのか。どれもゼロになっていない」と批判。明治神宮外苑の民間事業者による再開発事業などにも矛先を向け、3選出馬が確実視される小池氏との対決姿勢を鮮明にした。

蓮舫氏は会見の冒頭、8年間の小池都政について「功績、実績はどうか。『7つのゼロ』公約、どこにいったのか。介護離職、残業、都電の電柱(新設)、多摩格差、満員電車、どれもゼロにはなっていない」と指摘。

「『12のゼロ』も公約として掲げていた。原発ゼロ、ブラック企業ゼロ、隠蔽ゼロ。どこに行ったのか? 今は小池都知事から「ゼロ」公約の声は聞こえない。その代わりに突然思いついたかのような政策ばかりが印象に残っている」とも語った。

神宮外苑再開発「事業者に早く報告を出させるべき」

報道陣との質疑では、明治神宮外苑の民間事業者による再開発事業や、都庁舎をスクリーンに映像を流すプロジェクションマッピングなどにも批判の矛先を向けた。

記者「神宮外苑の再開発にはどう対処するか」

蓮舫氏「これは選挙後に先送りをしてはいけないと思っています。やっぱり多くの方たち、坂本龍一さんをはじめとした著名な方を含めて異を唱えておられます。(多くの人が)事業者側から伐採に対する報告を(出すよう)求めていますけれども、なぜ小池さんはもっと早く迅速に報告を出すように言わないのかがちょっと分かりません。早く出させるべきです。そして、その出た答えは、都民や多くの皆さま方に公開をして、もう一度声を聞いて都政、都知事としての(再開発の是非を)判断をするべきだと思っています」

記者「小池知事は、関東大震災の際の朝鮮人虐殺の追悼式典にコメントを送付していない。歴代の知事はやっていたが、蓮舫さんはどうするお考えか」

蓮舫氏「大変大きな課題だと思っています。これは公約をする時にぜひ皆さんにお訴えしたいと思います」

都庁舎の映像「浮いた予算で困っている人たちに」

記者「都庁のプロジェクトマッピングをやるべきではないという声、X(旧Twitter)上にあふれているが、今の時点でどう感じるか」

蓮舫氏「やる、やらないも含めて、やっぱり一度この夏、都知事選挙で問う一つの事例にもなるんだと思っています。例えば、通年通じてやるべきものなのか、あるいはクリスマスだけやるのか。その浮いた予算で炊き出しであったり、困っている人たちに対する予算、政策に回すことはできないんだろうか。当然都知事選挙では、彼女(小池氏)の政策ですから、争点の一つとして問わせていただきたいと思っています」

記者「小池都知事は記者クラブの改革、開放を掲げ、たくさんのフリーランス含めた記者を(記者会見に)入れるようにしたが、コロナ禍を理由に完全にフリーランスは会見場から締め出されている。ご自身が都知事になった場合、どう変えていきたいか」

蓮舫氏「私たちが(国の)政権を持っていた時には、こうしてフリーランスの方も雑誌の方たちも、記者クラブの方たちも入っていただきました。それは時としてきつい時もありました。政権にとって良い時ばかりじゃありませんから。それでもそれも声だと思って受け止めていたので、都知事の会見は見直すべきだと思っています」

「都の全ての事業に関し、行革の本気度を示す」

記者「都立日比谷公園が100億円を超えると言われている巨額を投じて、しかも10年間もかけて改装されて、趣味の悪い庭園になる。これをどうするか」

蓮舫氏「すいません、趣味がどうかっていうのは、そこまで私関心をまだ寄せていなかったんですが、また日を改めて私の都知事選の公約を皆さんにお伝えとご説明をさせていただきますが、当然その時に一般会計だけで8.5兆円の都の財政、全ての事業に関して、皆さんに私の行革の本気度はお示しをしたいと思います」

「都職員の大量辞職、要因は調べている」

記者「都庁の内部の方に聞くと、相当偏った人事を小池さんがやっていて、早く小池さんに去っていただきたいという声がものすごく多いそうだ。蓮舫さんの耳に届いておられるのか。聞いておられるとすれば、どういう風に考えるか」

蓮舫氏「都の職員の声、時々聞く機会あるんですけど、問題視してるのはむしろそれよりも、知事直轄の課で大量に都職員がおやめになられてるというのが2年くらい続いてるんですね。それは何か要因があるのかしらと思って、今、そこは調べているところです」

小池都知事の学歴詐称疑惑「ご本人が説明を」

記者「小池都知事の学歴詐称疑惑。カイロ大卒は実態があるかないか、どう考えるか」

蓮舫氏「私も(学歴詐称疑惑を報じた)文芸春秋は読ませていただきました。おそらく多くの読者が感じたような高い信憑性があるんじゃないかなという感想は抱いています。ただ、ご本人の学歴のことですから、私からどうこう言う立場ではないと思いますので、選挙に出るのであれば当然、プロフィールも含めてご本人が説明しなければいけないと思っています」

記者「単位を取って学業実態がないのであれば、卒業と見なすべきではないのでは」

蓮舫氏「うーん、ごめんなさい、仮定の話なので今の私の立場からは、ここまでどうだっていうのは控えさせていただけますか」

「反自民、反小池都政で広範な都民の支援をいただきたい」

記者「蓮舫さんは立憲民主党所属だが、都知事選にはどのような形で立候補するのか。他の政党からの支援についてはどのように考えているのか」

蓮舫氏「広範な都民の皆様がたのご支援をいただきたいので、無所属で臨みます」

記者「政党からの支援は受けない」

蓮舫氏「今、知事選定委員会で都知事候補という話があって、いくつか強い要請をこれまでもいただいてきて、それが私の判断一つになってることもあります。これまで築いてきた信頼関係は基本、ベースなんですけども、より幅広い支援をいただくべく、反自民政治、非小池都政、オール東京の皆さんに支援していただいて臨んでいきたいと思います」

記者「参院議員を辞職することになると思うが、それはいつ」

蓮舫氏「党の執行部と相談して決めていきたいと思います」

「小池都政の8年間をリセットしなきゃいけない」

記者「共産党も含めた野党共闘をやらなければ、(小池氏に)伍して勝てないんじゃないか。野党共闘に対する考え方を聞かせて」

蓮舫氏「私は都知事をやりたいと強く思っています。この8年間をリセットしなきゃいけない、自民党政治を終わらせなければいけないと思っています。その部分では、1人でも多くの広範な都民の皆様方のご支援をいただければと。だから今おっしゃったような方たちとの信頼関係はもちろん大事にしていきたいと思いますし、それよりも何よりも反自民党政治、非小池都政のオール東京、そこに共鳴してくださる方々、一人でも多くの皆さんの支援はいただきたいと思っています」

記者「なぜ今回だったのか。蓮舫さんは毎回、都知事選あるたびに名前が挙がっていた。参院に空席を作ってまで今回決めたきっかけは」

蓮舫氏「なぜ今回か。国政での私の立ち位置、あるいは行政監視の役割からみて、今のこの自民党の政治は看過しがたい。この思いが一番強いところにあります。まだ見通せませんけれども、政治とカネの政治改革はこれから与野党協議を経て、国民が厳しく注視してる中で進んでいくことになっております。だけども、足元の首都東京、参議院の東京選挙区(選出)の私からしてみたら、東京にも行財政改革しなければいけない。もっともっと予算の見直しをしなければいけないお金があることを見つけました。これは公約で後ほど改めてお伝えすることになりますが、東京だけが改革から遅れてはいけないと思っています。その部分で今回、都知事になって都政から変えたい、それが結果として国政にも影響が出るような政策を実現していきたいと思っていることが大きな理由です」

「つい直近。この2週間くらいで出馬を決断」

記者「立候補をいつ決めたか。どういうタイミングで考えていたか。目黒と静岡の選挙は考えに影響したのか」

蓮舫氏「今ご指摘のことは、影響していなかったと言えばうそになりますね。静岡県知事選挙の結果、あるいは昨日の目黒の都議会の補欠選挙の結果も、とても大きいと思います。決めたのはいつかと言われるとなかなかこうだと言えないんですけど、つい直近です。この2週間ぐらいで決断しました」

記者「意識自体はいつごろから」

蓮舫氏「都知事選定委員会からご要請を、今年に入ってからもいただいていたので、そういう選択もあるのかなというのは認識はしていました」

記者「小池都知事は子育て政策をよくアピールしている。子育て政策に特化して、こういうことをやりたいということが今あれば」

蓮舫氏「75万人になったんですよね、1年間で生まれる赤ちゃんが。戦後は260万人、第2次ベビーブームの時に200万人。この人たち(子育て世代)に手当をしなければいけない、子育て支援を支えなければいけないっていうのも、もちろんあります。私も2004年は少子化対策を掲げて選挙(参院選)に臨みました。一方で、結婚もできない。安定した仕事がない。3年後が見えない。そういう格差の光の当たらないところにいる若い子たちが増えてきてしまっている。私は少子化対策に加えて、こういう若者対策、あるいは今、生涯未婚率男性が2人に1人、女性3人に1人ですから、そうした私と同じぐらいの世代の方々、現役世代の方々への支援も必要だと思っています」