維新系「兵庫県知事」への「パワハラ実名告発」で関西激震…!追い詰められた自民・公明が仕掛ける「暗闘」のすべて(現代ビジネス 2024.05.27)
県庁幹部の「実名告発」
ある公務員の実名告発に関西政界が揺れている。齋藤元彦兵庫県知事の「パワハラ・おねだり疑惑」を告発する文書を、県西部を管轄する西播磨県民局の前局長・渡瀬康英氏が配布したのだ。
「文書には『知事が秘書や職員を理不尽に罵倒している』『視察先の企業から個人的に物品供与を受けている』といった内容が書かれていました。知事は当初『事実無根』『嘘八百』と完全否定していましたが、4月に幹部職員が物品供与を裏付ける証言をし、風向きが変わった」(県庁関係者)
さらに地元では、告発内容にかかわっていた県職員が休職後に亡くなったとの噂も広がり、県議会で追及が加速。齋藤知事が折れ、第三者委員会で調査することが5月21日に決まった。
「維新王国」の綻び
一連の動きの背後には、総選挙を見据えた維新と与党の対立がある。
「齋藤知事は元総務官僚で、’18年に大阪府へ財政課長として出向し、府知事で維新共同代表の吉村洋文さんと親しくなって維新へ渡りをつけた。
いまや関西は完全に維新王国で、大阪では次の総選挙で全小選挙区を維新が取ると言われます。かつて関西で強かった公明党は、維新との対立で風前の灯。自民党も裏金問題で苦しい状況です。
そこで今回の告発に乗じて、自公が齋藤降ろしに回ったわけです」(自民党兵庫県連関係者)
齋藤氏が当選した’21年の県知事選では、自民党県連と党本部の対応が割れ、党本部が地元の頭越しに齋藤氏の推薦を決めた。そのため県連では、今なお「反齋藤」の雰囲気が濃い。関西選出の自民党代議士が言う。
「問題の本質は、結局は齋藤知事の気質ですよ。自民党の支援で知事になったのに、当選後はわれわれのアドバイスを一切聞かないし、気に入らない部下はすぐ飛ばす。今回も告発した渡瀬さんを、局長から係長に降格させる『見せしめ人事』をして恥じない。維新の集票力を笠に着た報いです」
暗闘の結末やいかに。
「週刊現代」2024年6月1日号より
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