マイナンバーカードで最も怖いのは個人情報漏洩 何か起きても「デジタル庁は責任を負わない」と規約に明記

マイナンバーカードをめぐってトラブルが続出しているが… 政治・経済

マイナンバーカードで最も怖いのは個人情報漏洩 何か起きても「デジタル庁は責任を負わない」と規約に明記(マネーポストWEB 2023.06.17 07:00 女性セブン)

マイナンバーカードで取った住民票が、赤の他人のものだった──今年3月以降、神奈川・横浜市や川崎市、東京・足立区など、各地のコンビニでこんな“珍事”が相次いでいる。

「最大2万円分のポイントを付与」など、これまで国を挙げて大キャンペーンを行い、政府が事実上の義務化を目指すマイナンバーカード。だが、ここに来てトラブルが多発しているのだ。

住民票誤発行のほかにも、公金受取口座がまったくの別人の名前で誤登録されていたケースが748件あり、本人ではない家族名義の口座の誤登録はなんと13万件もあった。

加えて6月9日には、マイナポータル(政府が運営するオンラインサービス)で他人の年金記録が閲覧できる問題も明らかになった。

昨年8月にも、滋賀県でマイナ保険証の利用を希望していない市民の保険情報が職員のミスによってカードに誤登録されるケースが発生。ただの人的ミスなら登録を解除すれば済むはずだが、職員が解除手続きしようとしたところ、国は「手順を整備していない」として、解除を拒否。つまり、一度マイナ保険証に移行してしまったら、それが誤りであっても、二度ともとに戻すことはできないのだ。

その一方で、「医療機関で提示したマイナ保険証にまったくの別人の情報が登録されていた」というケースも多数報告されている。

これだけミスや不祥事が世間を騒がせているにもかかわらず、6月2日、現行の健康保険証を2024年秋に原則廃止することを盛り込んだ法案が、国会で成立した。「マイナ保険証」への移行が実質的に義務化され、現行の保険証は「実質廃止」となる。

1つの番号に全情報をひもづける「フラット型」のリスク

経済ジャーナリストの荻原博子さんが警鐘を鳴らす。

「マイナポータルでは、マイナンバーカードをつくればさまざまな行政サービスがスピーディーに受けられるとうたわれていますが、これだけのトラブルを目の当たりにしては、とても信頼できません」(荻原さん・以下同)

荻原さんは、今後はカードを持っているだけで、さらなる不利益が生じる可能性があるとみる。

もっとも気がかりなのはやはり、個人情報の漏えいだ。マイナンバーと暗証番号さえわかれば、住所や氏名、生年月日はもちろん、勤務先、収入状況、病歴まで、ほぼすべての個人情報が漏れてしまう恐れがある。

「マイナンバーカードのように、1つの番号に全情報がひもづけられている管理方法を『フラット型』といい、アメリカやシンガポールでも同様の方法が取られています。ですが、アメリカでは過去にこれを利用した詐欺で、年5兆円が奪われました。シンガポールでも2018年に150万人の医療情報が盗まれる事件が起きている。このため諸外国ではフラット型の利用範囲を狭めているのに、日本はそれに逆行しているのです」

マイナポータル規約には〈デジタル庁の故意又は重過失によるものである場合を除き、デジタル庁は責任を負わない〉と書かれている。

つまり「基本的に、何が起きても国は責任を負いません」と明記しているのだ。

「“デジタル後進国”である日本が、国民の個人情報を犯罪者から守れるとは、とうてい思えません」

※女性セブン2023年6月29日号