衆参5補選開票結果 自民は4勝1敗「いい結果出した」 立憲は全敗 維新は目標上回る、地方議員ら774人「大きなうねりに」 岸田首相の衆院解散戦略は?

衆参5つの補欠選挙 自民党4勝1敗 政治・経済

衆参5補選、自民は4勝1敗…岸田首相の衆院解散戦略にも影響か

衆参5補選、自民は4勝1敗…岸田首相の衆院解散戦略にも影響か(読売新聞 2023/04/24 03:09)

衆参5補欠選挙と第20回統一地方選の後半戦は23日、投開票された。補選で自民党は、衆院千葉5区で英利アルフィヤ氏(34)、山口2区で岸信千世氏(31)、山口4区で吉田真次氏(38)、参院大分選挙区で白坂亜紀氏(56)がそれぞれ当選し、「4勝1敗」で勝ち越した。衆院和歌山1区は日本維新の会の林佑美氏(41)が勝利し、和歌山県では初めての議席を得た。今回の結果は、岸田首相の衆院解散戦略にも影響を与えそうだ。

補選では、政府の物価高・少子化対策や外交・安全保障政策などが主な争点となった。与野党は、岸田内閣の「中間評価」となる選挙と位置付け、総力戦を展開した。選挙期間中の15日には、首相が和歌山市の遊説先で、爆発物を投げ込まれる事件が起きた。

千葉5区補選は、自民議員だった薗浦健太郎氏が「政治とカネ」の問題で辞職したことを受けて実施された。選挙戦は計7人の混戦となった。自民の英利氏は「これから仕事で恩返ししていきたい」と述べた。

自民は、補選の原因となった不祥事による逆風が予想されたことから、首相をはじめ党幹部を次々投入した。野党候補の乱立で、政権批判票が分散したことも有利に働いた。

山口2区補選は、議員辞職した岸信夫・前防衛相の長男の岸氏と、民主党政権で法相を務めた無所属の平岡秀夫氏(69)の一騎打ちだった。岸氏は、世襲批判を意識し、選挙戦では謙虚な政治姿勢を強調した。岸氏は「岸田政権が推し進めている安全保障、エネルギー政策に前向きに取り組みたい」と語った。

安倍晋三・元首相の死去に伴う山口4区補選は、吉田氏が「弔い合戦」を前面に出した。安倍元首相の昭恵夫人の全面的な支援も得て、他の候補を引き離した。吉田氏は「(安倍氏の)思いを引き継いで、実現させていきたい」と強調した。

参院大分選挙区補選は、大分県知事選(9日投開票)に出馬した前参院議員の辞職を受けたものだ。自民の白坂氏が、立民の吉田忠智氏(67)を破った。白坂氏は「全身全霊で日本のため、大分のために頑張っていく」と意気込んだ。

一方、和歌山1区補選は、岸本周平・前衆院議員(現和歌山県知事)の辞職に伴うもので、林氏は、維新が躍進した統一地方選・前半戦の勢いを勝利につなげた。和歌山県内の小選挙区を維新が制したのは初めて。林氏は「古い政治を新しくしてほしいとの思いが結果になった」と喜びを語った。

読売新聞社の集計によると、衆院千葉5区の投票率は38.25%で、2021年の前回衆院選から15.82ポイント下がった。和歌山1区は44.11%(前回比11.05ポイント減)、山口2区は42.41%(同9.20ポイント減)、山口4区は34.71%(同13.93ポイント減)だった。参院大分選挙区の投票率は42.48%で、22年参院選を10.50ポイント下回った。

自民「いい結果出した」 維新「大きなうねりに」 衆参5補選

自民「いい結果出した」 維新「大きなうねりに」 衆参5補選(産経新聞 2023/4/24 02:32)

衆参5つの補欠選挙の勝敗が固まり、各党の明暗は大きく分かれた。自民党は衆院千葉5区、山口2、4区、参院大分選挙区で勝利した。衆院和歌山1区で敗北したものの、4勝1敗という結果を与党側は歓迎した。和歌山1区を制した日本維新の会は勢いづき、1勝も挙げられなかった野党第一党の立憲民主党との力関係に変化が生じそうだ。

自民党の茂木敏充幹事長は24日未明、党本部で記者団に「いい結果を出した。安全保障、少子化といった課題に一つ一つ向き合い、結果を出して国民の期待に応えなければならない」と述べた。

党本部には23日夜から茂木氏や森山裕選対委員長ら幹部が入った。各地で接戦の情報が伝えられ、ある幹部は壁に貼られた5補選の公認候補のポスターを見ながら「誰の笑顔が崩れるのか。一人で済めばいいが…」と不安を口にしたが、ふたを開ければ4勝だった。

党幹部は24日未明、「ハラハラした。よく勝ち切った」と周囲に話し、若手議員は「岸田文雄首相は早期に衆院を解散したくなるかもしれないが、逆に求心力を保てるので、引っ張るかもしれない」と語った。

公明党の石井啓一幹事長も党本部で記者団に「与党として勝利した。岸田政権の運営に一定の評価を頂けた」との認識を示した。

一方、和歌山1区は維新の公認候補が勝利した。統一地方選前半戦で大阪府知事選や大阪市長選、奈良県知事選を制した勢いが続いた。維新の馬場伸幸代表は23日、和歌山市で民放テレビのインタビューに応じ、「自民以外に託してみようとの雰囲気が、かなり大きなうねりとなった」と選挙戦を振り返った。維新は次期衆院選に向けて候補者擁立を急ぐ。

立憲民主党は与野党一騎打ちの構図になった選挙区も含めて全敗に終わった。岡田克也幹事長は24日未明、党本部で記者団に「頑張ってくれた皆さんに申し訳ない」と述べた。泉健太代表の進退への波及を否定し、「候補者の乱立がよくないことを示した」と国政選挙での野党候補の一本化の必要性を改めて強調したが、全敗した立民が候補者調整を主導することは容易ではない。国民民主党の榛葉賀津也幹事長は23日夜、東京都内で記者団に「とにかく自民をやっつけるために一本化しろというのは野合だ」と述べた。

共産党の小池晃書記局長は23日夜、候補を擁立した千葉5区が激戦となったことを踏まえ「選挙戦の論戦を通じても自民候補を追い詰めるという役割は果たしたと思っている」と語った。

維新、地方議員ら774人に 統一選「600議席」目標達成

維新、地方議員ら774人に 統一選「600議席」目標達成(JIJI.COM 2023年04月24日15時47分)

日本維新の会は24日、統一地方選の結果、現職を含めて首長・地方議員が774人に達したと発表した。維新が掲げた「地方議会600議席」の目標を大幅に上回った。維新の馬場伸幸代表はこれまで、目標に届かなければ辞任する意向を示していた。

党によると、今回の統一地方選で首長8人、地方議員591人が当選。選挙がなかった現職は175人で合わせて774人となった。

衆参5補欠選挙 開票結果

衆院補選 千葉5区

有権者数 451,273
投票率 38.25%

 英利アルフィヤ 50,578(30.6%)
34歳 自民・新 推薦:公明 元国連職員元日本銀行職員

矢崎堅太郎 45,635(27.6%)
55歳 立民・新 元千葉県議会議員元みずほ銀行行員

岡野純子 24,842(15.0%)
44歳 国民・新 元千葉県浦安市議会議員元NHK松山放送局キャスター

岸野智康 22,952(13.9%)
28歳 維新・新 一般社団法人代表元参議院議員秘書

斉藤和子 12,360(7.5%)
48歳 共産・元 共産党中央委員共産党千葉県副委員長

星 健太郎 6,561(4.0%)
43歳 無・新 元千葉県市川市議会議員元早稲田大学助教

織田三江 2,463(1.5%)
41歳 政女・新 元信用金庫職員パート従業員

衆院補選 和歌山1区

有権者数 304,221
投票率 44.11%

 林 佑美 61,720(47.5%)
41歳 維新・新 元和歌山市議会議員人材育成会社役員

門 博文 55,657(42.8%)
57歳 自民・元 公明推薦 元国土交通政務官元ホテル運営会社社長

国重秀明 11,178(8.6%)
62歳 共産・新 支持:社民県連合 共産党和歌山県常任委員元しんぶん赤旗記者

山本貴平 1,476(1.1%)
48歳 政女・新 政治家女子48党職員元物流会社社員

衆院補選 山口2区

有権者数 279,203
投票率 42.41%

 岸 信千世 61,369(52.5%)
31歳 自民・新 推薦:公明 元衆議院議員秘書

平岡秀夫 55,601(47.5%)
69歳 無・元 元法務大臣

衆院補選 山口4区

有権者数 239,874
投票率 34.71%

 吉田真次 51,961(63.5%)
38歳 自民・新 推薦:公明 元山口県下関市議会議員

有田芳生 25,595(31.3%)
71歳 立民・新 元参議院議員

大野頼子 2,381(2.9%)
49歳 無・新 元新聞社社員

渡部亜衣 1,186(1.4%)
37歳 政女・新 製パン会社役員

竹本秀之 734(0.9%)
67歳 無・新 投資家

参院補選 大分

有権者数 943,477
投票率 42.48%

 白坂亜紀 196,122(50.0%)
56歳 自民・新 推薦:公明 飲食店経営

吉田忠智 195,781(50.0%)
67歳 立民・前 支持:共産・社民 元社民党党首