「プーチンの欲望は失敗する」バイデン大統領、ワルシャワで演説

21日、ポーランド首都ワルシャワで演説するバイデン米大統領 国際

「プーチンの欲望は失敗する」バイデン大統領、ワルシャワで演説(産経新聞 2023/2/22 06:58)

ポーランドを訪問中のバイデン米大統領は21日夕(日本時間22日未明)、首都ワルシャワで演説し、24日で開始から1年となるロシアのウクライナに対する残虐な侵略を「人道に対する犯罪」と非難し、プーチン露大統領の「土地や権力への欲望は失敗する」と述べ、ロシア側の勝利はないと強調した。バイデン氏は週内に同盟諸国とともにロシアに対し追加的な制裁措置を行うと明らかにした。

旧王宮前の広場を埋め尽くした聴衆を前に、バイデン氏は「1年前、世界は(ウクライナの首都)キーウの陥落を覚悟していた」と振り返ったが、「私はキーウから戻ったばかりだから報告できるが、彼らは毅然と立ち向かっている」とし、1年前の世界が予想しなかったウクライナの勇敢な抵抗を自らのキーウ訪問で確信したと述べた。

また、バイデン氏は、ロシアの侵略にウクライナだけでなく米国、欧州、世界の民主主義が試されてきたと指摘しつつ、「プーチン氏は今、1年前には考えられなかったことに直面している。それは民主主義諸国の世界は強くなり、独裁者の世界は弱くなったということだ」と断言。

そのうえで「大西洋から太平洋までの国家連合ができ、われわれは間違いなく団結している」と強調。ウクライナ軍事支援に50カ国以上が参画する国際社会の連帯は強固だと訴えた。

バイデン氏は、プーチン氏は西側が分断し、ウクライナ支援の継続に疲れていると信じていると指摘しつつ「われわれの支援は揺るぎないし、疲れていない」と強調すると聴衆は大きな歓声と拍手を送った。

ロシアの残虐行為については駅や産院、学校、孤児院まで爆撃の対象にし「市民を標的に死と破壊をもたらし、レイプを戦争の兵器にしている」と非難、ハリス副大統領がミュンヘンの安全保障会議で訴えたと同様に「人道に対する罪」を次々指摘した。

バイデン氏は北大西洋条約機構(NATO)の結束もかつてないほどだとし、北大西洋条約5条(集団防衛)に対する米国の防衛責任は盤石だと強調。最後に「自由ほど高貴な目標はない」とし「自由のためにともに立ち上がろう」と世界に呼びかけた。