岸田父子ますます窮地…差別発言で更迭の荒井秘書官は“役立たず”翔太郎氏の「代役」だった(日刊ゲンダイ 公開日:2023/02/07 06:00 更新日:2023/02/07 11:03)
LGBTなど性的少数者や同性婚をめぐり差別発言をした首相秘書官がスピード更迭された問題。経産省出身の荒井勝喜秘書官の「隣に住んでいたら嫌だ。見るのも嫌だ」という発言は人権意識の欠如極まりなく、「即アウト」なのは間違いないが、4閣僚のドミノ更迭で岸田首相の決断が遅れ、後手に回ったのとは大違い。岸田首相はLGBTに対する同様の差別発言をしていた杉田水脈衆院議員の総務政務官更迭でも、ズルズルと抵抗していた。
■息子は必死に守る
こうしたダブルスタンダードに、霞が関からは、「岸田派議員や安倍派議員ら政治家のクビはすぐ切らないのに、官僚は使い捨てか」との不満が聞こえてくるが、今回の騒動でさらに風当たりが強まっているのが、同じ首相秘書官の岸田首相長男・翔太郎氏だ。
岸田首相は、翔太郎氏が外遊で公用車観光をしたと報じられたことには、「広報用の写真撮影」と言い訳し、閣僚の土産購入に公用車を使ったことは「公務」だと強弁。「息子は必死に守る。身内に甘すぎるんじゃないか」というわけだ。
翔太郎氏は「機密情報を特定の記者にリークした」疑いもあり、公用車観光問題も重なったことで、官邸内では「このまま秘書官を続けさせるのはマズい」との議論があった。しかし岸田首相は、「自らの後継ぎの将来に傷をつけられない」とかばう。
翔太郎氏は政治経験が浅すぎてオフ懇は務まらない
岸田親子に霞が関から厳しい目が向けられるのには、別の理由もある。荒井氏は事務の首相秘書官。主業務は首相の意向を踏まえた各省庁との政策調整だ。荒井氏は官邸の広報役を担っていたとはいえ、首相関係のオフレコ記者懇談は、本来は政務秘書官の仕事。荒井氏には、“役立たず”岸田首相長男の「代役」の側面もあったのだ。
「政務の首相秘書官は2人いるが、筆頭格で元経産官僚の嶋田隆氏は原発推進などの政策立案が中心。そのため、翔太郎氏の就任前は、首相の事務所から派遣された前任者の山本秘書がオフ懇をやっていた。しかし、翔太郎氏は政治経験が浅すぎて、とても務まらない。加えて、機密情報リーク疑惑や公用車観光の問題が出てきて、いまはまったく動けない状態です。首相のスピーチライターも担っていた荒井氏は、夜遅くまで官邸にいることが多い。翔太郎氏の問題の余波もあって結果的に、荒井氏が取材対応をする比重が高くなっていました」(官邸関係者)
こんな背景があるから、ますます「息子はかばうのに、側近官僚はさっさと切り捨てか」という批判になる。
そもそも、同性婚の法制化について「家族観や価値観、社会が変わってしまう」とした岸田首相の国会答弁がことの発端だ。霞が関の岸田離れは必至。この際、荒井氏とセットで、翔太郎氏も交代させた方がいい。ドラ息子をいつまで甘やかし続けるつもりか。