岸田首相、30円の賃上げでドヤ顔見せるも「実質賃金」2.6%減、ついに「企業の賃上げに期待」と丸投げ(FLASH編集部 2022.12.07 15:04)
12月6日、厚労省が発表した10月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、物価の変動を反映させた実質賃金は前年同月比2.6%減で、7カ月連続のマイナスとなった。減少幅は、2015年6月以来、7年4カ月ぶりの大きさだ。
基本給と残業代などを合わせた給与総額は、労働者1人あたり平均で1.8%増の27万5888円。正社員が1.9%増の35万7332円だったのに対し、パート労働者などは1.5%増の9万9556円だった。
一方で、消費者物価指数は4.4%上昇と、ものの値段が上がっており、賃金上昇が追いつかない状態になっている。
「実は、10月から新しい最低賃金が適用されています。2022年度の最低賃金は、都道府県ごとに30円または31円引き上げ、全国平均で時給961円。31円の引き上げは、過去最大となる3.3%の増加幅です。
10月6日、岸田文雄首相は最低賃金について『過去最高となる31円の引き上げをおこなっている』と誇ってみせましたが、物価高騰に対して、焼け石に水となっています。
11月20日には、自民党の茂木敏充幹事長が『若干の物価上昇があっても、賃上げがそれよりも上回っていれば状況としてはいいこと」と述べていますが、そんな状況にはまったくなっていません」(経済担当記者)
岸田首相は12月6日、「成長と分配の好循環は来年春の春闘の成果にかかっている」と述べ、物価高騰に見合った賃上げ実現に期待を示した。
「成立したばかりの2022年度補正予算案では、歳出総額28兆9222億円のうち、企業の事業再編や生産性向上といった賃上げ関連に投じるのは7800億円。事実上、賃上げを企業の労使交渉に丸投げしているだけです」(同)
実質賃金が大幅に減少するなか、「企業の賃上げ」に期待するだけの岸田首相に、SNSでは批判の声があがっている。
《たった30円の賃上げ額で「過去最大の」とドヤ顔していた10月の法定最低賃金引上げは、全く賃上げになっていなかった、という話なんだよ》
《春闘に賃上げ期待ぢゃなく確実に賃上げさせる手段を打てよ!》
《民間に丸投げ ほんと何もする気なくて草》
《相変わらずお願いしかできんな、岸田は》
12月5日、岸田首相は、向こう5年間の防衛費の総額を43兆円とするよう「指示」した。その「指示」を、賃上げにも向けることはできないのだろうか。
( SmartFLASH )