2023年9月1日 今日の出来事

関東大震災百年、備え新た 各地で防災訓練、追悼

約10万5千人の死者、行方不明者を出した関東大震災の発生から1日で100年を迎えた。政府は「防災の日」のこの日、首都直下地震を想定し、岸田文雄首相らが出席する防災訓練を実施した。東京都内では犠牲者を悼む法要が営まれ、各地で虐殺された朝鮮人らの追悼式もあった。未曽有の惨禍を教訓に、いつ起こるか分からない巨大地震への備えが改めて求められる。

この100年で建物の耐震性や不燃性は向上し、消防力や堤防などハード面の整備も進んだ。一方で木造住宅の密集地域は依然残り、高層マンションの増加による新たな課題も浮上している。

訓練は午前7時10分、東京23区を震源とするマグニチュード(M)7.3の地震が発生したと想定した。防災服姿の岸田首相や閣僚らが徒歩で官邸に集まり、被害の状況や必要な救援物資について情報収集した。

その後の訓練で、岸田首相は記者会見に臨み「安全な場所に退避するなど、命を守る行動を取ってほしい。経済的、社会的影響を最小限にするため、落ち着いて行動してほしい」と呼びかけた。

史上最も暑い夏に…最多猛暑日は群馬・桐生市の39日間 東京都心も記録更新

今年の夏(6~8月)の平均気温は関東甲信地方で平年より1.8度高く、これまで最高だった2018年(平年比プラス1.3度)を大きく上回り、1946年の統計開始以降で最も高かったことが、気象庁のまとめで分かった。

地点別では水戸市、埼玉県熊谷市、前橋市、千葉市、宇都宮市、横浜市などで今夏の平均気温が平年より2度以上高く、いずれも過去最高を更新。東京都心も平年を2.2度上回り、1875年の統計開始以降の149年間で、2010年に次ぐ2位の記録だった。

今夏の猛暑日(最高気温35度以上)の日数は、群馬県桐生市で全国最多の39日を記録。熊谷市でも38日、都心では22日と、いずれも過去最多を塗り替えた。

猛暑は沖縄・奄美を除き全国的で、北日本(北海道と東北)では今夏の平均気温が平年を3度上回り戦後最高。0.9度上回った西日本(近畿以西)も戦後最高タイだった。

台風11号、沖縄先島諸島接近へ 3日にかけて暴風厳戒

強い台風11号は1日、沖縄の南の海上を西寄りに進んだ。勢力を維持したまま、3日にかけて先島諸島に接近する見込み。沖縄では、先島諸島を中心に2~3日に猛烈な風が吹き、海はうねりを伴って大しけになる恐れがある。気象庁は暴風や高波に厳重な警戒を呼びかけた。

気象庁によると、台風11号は1日午後3時現在、時速約15キロで西に進んだ。中心気圧は980ヘクトパスカルで、中心付近の最大風速は35m、最大瞬間風速は50m。中心から半径55キロ以内は風速25m以上の暴風域。

沖縄で2日に予想される最大風速(最大瞬間風速)は30m(45m)、3日は30~40m(40~60m)。

コロナ感染者、2週連続で増加 前週比1.07倍、注視必要

厚労省は1日、全国約5千の定点医療機関から8月21~27日の1週間に報告された新型コロナの感染者は計9万3792人だったと発表した。1医療機関当たり19.07人で、前週比1.07倍。2週連続で増加した。5月に法的な位置付けが「5類」に移行してから最も多い。

移行後、感染者数は緩やかに増加した後、8月上旬に一時減ったが、お盆期間を経て増加に転じた。加藤厚労相は1日の閣議後会見で「過去の状況を踏まえると、夏休みが終了して学校が再開した際の影響も懸念される。引き続き注視が必要だ」と述べた。

1医療機関当たりの感染者数は、28都府県で増えた。最も多かったのは岩手の31.71人。

「内閣感染症危機管理統括庁」発足 対策の立案・調整一元的に

感染症対応の司令塔機能を担う「内閣感染症危機管理統括庁」が1日、内閣官房に発足した。首相や官房長官と直結した指揮系統で、対策の企画立案や調整を一元的に担う。厚生労働省は1日付で「感染症対策部」を設置。新たな感染症危機が発生した時には、危機管理統括庁と厚労省対策部、今後設立される専門家組織「国立健康危機管理研究機構」が連携し、一体的に対応に当たることになる。

危機管理統括庁トップの「内閣感染症危機管理監」は栗生俊一官房副長官、それを助ける「内閣感染症危機管理対策官」には厚労省の迫井正深医務技監を充てる。新設時は60人程度の職員を配置。危機時には他省庁の併任者も合わせ最大300人規模とする。

きょうから値上げ 調味料、冷凍食品など2067品目…円安長期化などで来年再来か

値上げされるのは、みそやしょうゆなどの調味料や冷凍食品などの加工食品、菓子など多岐にわたる。

帝国データバンクによると、菓子やアイスといった嗜好品や粉ミルクなど乳幼児向け製品が値上がりし、子どもがいる家庭で特に値上げを実感しやすいという。

値上げは原材料価格の高騰が落ち着くことで10月にいったんピークを超えるが、ガソリン価格が上昇したり、円安が長期化したりすれば、来年以降、再び値上げ傾向になる可能性があるという。

電動ボード違反、1カ月406件 7都府県、新制度施行の7月

警察庁は1日、最高時速20キロ以下などの要件を満たす電動キックボードについて、自転車とほぼ同様の交通ルールを適用する新制度が始まった7月1日からの1カ月間に、7都府県警が406件の違反を摘発したと明らかにした。人身事故は7件で7人が負傷。死者はいなかった。

警察庁によると、違反の類型別では信号無視が187件(46%)で最多。最高時速を6キロ以下に制御しないまま歩道を走るなどの通行区分違反が151件(37%)で続いた。酒気帯び運転も2件あった。都道府県別では東京が355件と8割以上を占めた。

人身事故7件のうち4件は単独事故で、2件が歩行者と、1件が自動車との事故だった。

マイナポイント未申請2千万人超 9月末期限、殺到の恐れ

総務省は1日、マイナンバーカードを取得し、最大2万円分の「マイナポイント」を受け取れる9299万人のうち、23%の2155万人が未申請だと明らかにした。このままでは9月末の期限間際に申請が殺到し、自治体窓口の混雑や専用サイトがつながりにくくなる事態が起きかねず、早期の手続きを呼びかけている。

松本剛明総務相は記者会見で、ポイント付与の主体となる決済サービス事業者によっては、期限が9月末より早いと説明。現在の申請ペースが続くと2155万人の70~80%が期限切れを迎えるとして「希望者は早めに申請してほしい」と話した。

最大2万円分のポイント付与は三つに分かれ、それぞれの未申請者は(1)マイナカードの新規取得で最大5千円分が23%、2155万人(2)カードに保険証機能を加える「マイナ保険証」の登録で7500円分が32%、2963万人(3)公金受取口座の登録で7500円分が36%、3365万人―という。

ポイントを申請できるのは、2月末までにマイナカードの取得を申し込んだ9299万人。

待機児童、最少2680人 保育所の整備、少子化が進行

こども家庭庁は1日、希望しても認可保育所などに入れない待機児童が今年4月1日時点で2680人だったと発表した。昨年より264人減少。1994年の調査開始以降最少となった。保育所の整備が進んだことや小学校就学前の子どもが減ったことが要因とみられる。これまでの受け皿確保から保育士の手厚い配置など質の向上が今後の施策の焦点となる。

減少は6年連続。直近10年間で最も多かった2017年の約2万6千人から10分の1となった。

利用児童数は前年比1万2564人少ない271万7335人で2年続けて減った。こども家庭庁の担当者は、コロナ禍の利用控えはほぼ解消したと指摘。「少子化で想定より申込者数が減っている」と説明した。保育の定員数は6529人増の305万928人。定員充足率は0.6ポイント減の89.1%で低下傾向が続いている。

全市区町村の86.7%に当たる1510自治体で待機児童がゼロとなった。守山市が82人で最も多く、津市(57人)、名護市(56人)、西宮市(56人)と続いた。

海外半導体大手、日本に支援拠点 生産設備保守、設立相次ぐ

オランダの半導体製造装置大手ASMLなど海外の企業や研究機関が、日本に生産設備の保守などを手がける支援拠点を相次いで設立することが1日、分かった。西村経済産業相が北海道千歳市での企業幹部らとの会談後、記者団に明らかにした。

ASMLは、台湾積体電路製造(TSMC)が工場を建設している熊本県にサポート拠点を開く。千歳市に工場を建てるラピダスと、広島県東広島市で工場を運営する米マイクロン・テクノロジーに、半導体の微細化に欠かせない極端紫外線露光装置を納入する計画もあり、日本での支援体制を拡充する。

米半導体製造装置大手ラムリサーチは、ラピダスを支援する拠点を北海道に設ける。

係争地、軒並み「自国領」に 中国の新地図に各国反発

中国政府が8月下旬に発表した新しい国土地図に、アジア各国・地域が一斉に反発している。領有権を争っている地域・海域が軒並み「中国領」となっていたためだ。ロイター通信などによると、これまでに少なくともフィリピン、マレーシア、ベトナム、インドネシア、インド、台湾が抗議している。

新たな地図では、南シナ海の約90%を覆う広大な海域が「中国」のものとされ、フィリピンやマレーシアなどの排他的経済水域(EEZ)内にまで及んでいる。また、インドが実効支配するアルナチャルプラデシュ州の係争地も中国領になっていた。

マレーシア外務省は、地図の内容を「認めない」とする声明を出し、ベトナム外務省も「中国の主張には何の価値もなく、断固拒否する」と猛反発。インド外務省も強く抗議し、ジャイシャンカル外相は「ばかげている」と一蹴した。

中国とインドの国境紛争は近年深刻化しており、2020年に中印両軍が衝突して双方に死者が出た。中国の習近平国家主席は、今月インドで開かれる20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に欠席する可能性があるとも報じられており、事実なら両国間の溝がさらに深まりそうだ。

【1年前の今日の出来事】 2022年9月1日