2021年10月14日

衆院が解散、総選挙へ 任期満了超えての衆院選は現行憲法のもとで初
岸田文雄内閣は14日午後、衆院を解散した。岸田首相はこの日午前の臨時閣議で解散を宣言し、解散を決定した。解散後の臨時閣議で「19日公示、31日投票」の衆院選日程を決めた。

解散前日まで激しい公認争い 山口3区、河村氏引退で保守分裂回避
自民党の河村建夫元官房長官(78)=衆院山口3区、二階派=が次期衆院選に出馬しない意向を固め、参院から3区にくら替えを目指す林芳正元文部科学相(60)=岸田派=との保守分裂選挙は回避される見通しになった。解散前日に事態が動くまでには、公認争いを巡る林氏陣営の激しい攻勢があった。

公明の太田昭宏・前代表が引退表明「党全員の勝利、祈る」
公明党の太田昭宏前代表は14日の両院議員総会で、今回の衆院選に出馬せず、政界を引退すると正式表明した。「多くの方にお世話になり、今日を迎えた。公明党全員の勝利を心から祈り、私も戦いたい」と述べた。

自民との対立回避 全トヨタ労連支援、愛知11区の古本氏不出馬
トヨタ自動車グループの労働組合でつくる「全トヨタ労連」が支援する古本伸一郎前衆院議員(56)=愛知11区=は14日、愛知県豊田市で記者会見し、衆院選への立候補を見送ると表明した。古本氏は「組織内候補が出なければ(超党派連携の)可能性は開ける」と説明。与党との連携を模索する労連の方針に従い、同選挙区で競合する自民党との対立を回避した。

河井夫妻側への1.5億円問題、「首相が説明を」 広島の自公幹部
2019年参院選広島選挙区で、自民党本部が河井克行元法相夫妻側に提供した1億5千万円をめぐり、岸田文雄首相が再調査に否定的な見解を示したことについて、広島県の自公幹部が14日、相次いで批判の声を上げた。衆院選を控えて幕引きを急ぐ政権に、首相の足元から待ったをかけた格好だ。

「『必要があれば丁寧に説明をしていく』と何度も(首相と)約束した。ちゃんと説明し、解決してほしい」。自民党県連ナンバー2の中本隆志・県議会議長はこの日、記者団の取材にこう批判した。首相は13日、内閣記者会加盟社の書面質問に対し、党の前執行部において党の内規に照らして監査などが済んでいるとした上で、「私も総裁として、その説明を了としている」と答えていた。

立民2議員、「ツイートはデマ」と提訴
匿名アカウントによる噓のツイートで名誉を傷つけられたとして、立憲民主党の小西洋之、杉尾秀哉の両参院議員が、東京都内のウェブ関連会社を相手取り880万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしたことが13日、分かった。小西議員が明らかにした。提訴は6日付。

小西議員によると、このアカウントは「Dappi」。令和元年6月に開設され、16万人以上のフォロワーがおり、プロフィル欄には「日本が大好きです。偏向報道をするマスコミは嫌いです」などと記されている。小西議員らは、このアカウントが2年10月25日、森友学園をめぐる公文書改竄問題について「近財(近畿財務局)職員は杉尾秀哉や小西洋之が1時間つるしあげた翌日に自殺」と投稿したツイートは、事実ではないと訴えている。

リニア初の大深度地下工事、JR東海が掘削に着手、住民から反発も
リニア中央新幹線の工事の一環として、JR東海は14日、東京都品川区の深さ40メートル以上の大深度地下で、シールドマシン(大型掘削機)を使った作業に着手した。リニアでの大深度地下工事は初めて。同工事では東京都調布市で昨秋、住宅街の道路が陥没する事故が起きており、住民の一部が反発している。同社によると、品川―名古屋間の286キロのうち、都内や川崎市の33キロと名古屋市などの17キロが同工事の対象区間。直径14メートルのシールドマシンを用いる「シールド工法」で実施する。