2021年9月29日

自民党新総裁に岸田文雄氏 10月4日に第100代首相選出へ
菅義偉首相の自民党総裁任期満了に伴う総裁選は29日、投開票された。岸田文雄前政調会長(64)=岸田派=が決選投票で河野太郎行政改革担当相(58)=麻生派=を破り、第27代総裁に選出された。任期は2024年9月末までの3年。岸田氏は10月4日召集の臨時国会で第100代首相に選ばれ、岸田内閣が発足する。総裁選は両氏のほか、高市早苗前総務相(60)野田聖子幹事長代行(61)=共に無派閥=が立候補し、東京都内のホテルで投開票が行われた。

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岸田文雄氏「数十兆円規模の経済対策」 自民党新総裁に選出
自民党総裁選で勝利し、第27代総裁に選出された岸田文雄新総裁(64)は29日の両院議員総会であいさつし、「数十兆円規模の経済対策を年末までにつくりあげなければならない」と表明した。岸田氏は「生まれ変わった自民党をしっかりと国民に示さないとならない」と強調。次期衆院選と来年の参院選に向け力を注ぐ方針を示し、「総裁選は終わった。ノーサイドだ。全員野球で一丸となり、衆院選と参院選に臨もう」と語った。

岸田氏、総裁選3候補を役職に起用へ 二階幹事長は交代の方針
自民党の岸田文雄・新総裁(64)は29日、党本部で記者会見し、党役員・閣僚人事の方針について「総裁選を通じて党が多彩な人材を持ち、中堅・若手をしっかり登用すると言ってきた。老・壮・青のバランスが必要だ」と述べた。総裁選を戦った河野太郎行政改革担当相(58)=麻生派=や高市早苗前総務相(60)=無派閥、野田聖子幹事長代行(61)=無派閥=の起用が焦点となる。在任5年を経過した二階俊博幹事長(82)=二階派=は交代させる。二階氏の後任幹事長には、萩生田光一文部科学相(58)=細田派=や甘利明税調会長(72)=麻生派、茂木敏充外相(65)=竹下派、高市氏などの名前が挙がっている。

東京株、639円安 リスク回避で3万円割れ
29日の東京株式市場は、米国株式市場でリスク回避の動きが強まり下落したことが嫌気され、売りが優勢だった。日経平均株価は終日軟調となり、下落幅は一時800円を超えた。終値は前日比639円67銭安の2万9544円29銭と大幅に3日続落。3万円台を割り込み、今月3日以来の安値となった。

米議会では連邦政府の債務上限問題をめぐり与野党が対立。イエレン財務長官が、合意できなければ「金融危機になる」と警告したことで、米株式市場でリスク回避の売りが広がり、東京市場にも影響が及んだ。市場関係者は「長期金利の上昇や米景気鈍化懸念が嫌気された」(銀行系証券)と指摘した。

市場では、自民党総裁選も注目を集めた。1回目の投票で岸田文雄前政調会長の得票数が河野太郎規制改革担当相を上回ったと伝わると、「改革派の印象が強い河野氏の劣勢に一部の市場参加者が反応した」(同)。この結果が判明した後の午後2時すぎに日経平均は854円80銭安となり、この日の最安値を付けた。

台風16号 強い勢力、東日本と東北の太平洋側など大雨に警戒を
大型で非常に強い台風16号は29日、日本の南の海上を北に進んだ。次第に進路を北東に変え、10月1日には強い勢力のまま伊豆諸島に最も近づく見通し。東日本と東北の太平洋側を中心に各地で大荒れとなる恐れがあり、気象庁は高波や暴風、大雨への警戒と早めの避難を呼びかける。

気象庁によると、1日に予想される波の高さは、伊豆諸島11メートル▽東海、関東、小笠原諸島8メートル▽近畿、東北6メートル。最大風速(最大瞬間風速)は、伊豆諸島30~40メートル(40~60メートル)▽関東25~29メートル(35~45メートル)▽東北20~24メートル(25~35メートル)。1日午後6時までの24時間に予想される雨量は、伊豆諸島200~300ミリ▽東海、関東100~150ミリ▽東北50~100ミリ。伊豆諸島では30日から1日にかけて、落雷や竜巻などの激しい突風も予想される。

日本海が震源の地震で「異常震域」 太平洋側が揺れた理由とは
29日午後5時37分ごろ、日本海中部を震源とする地震があり、北海道から関東の太平洋側の広い地域で震度3を観測した。気象庁によると、震源の深さは400キロ、地震の規模を示すマグニチュードは6.1と推定される。震源は日本海だったが、震度2や3を観測したのはほとんど太平洋側。専門家によると、揺れがプレートを伝って広がり、震源から遠く離れた場所で揺れを感じる「異常震域」という現象だという。

コロナ入院患者、9割がワクチン未接種か1回 2回は症状軽い傾向
国立国際医療研究センターは29日、国内の医療機関から報告があった新型コロナウイルス感染による3417人の入院患者を分析したところ、その約9割がワクチン未接種か1回接種までの人だったと発表した。2回接種した人は約1割で、入院者に占める割合が低いことが分かった。ワクチンで免疫が十分に付いたと考えられる時期の感染は「ブレークスルー感染」と呼ばれている。2回接種してさらに14日過ぎた後の発症は54人確認されたが、その症状は軽い傾向がみられた

無免許運転の木下都議、議員続投を表明 議会は辞職勧告決議案を可決
無免許運転で事故を起こしたとして自動車運転処罰法違反容疑などで書類送検された木下富美子都議=板橋区選挙区=が28日、自身のホームページ(HP)で議員を続投する考えを表明した。都議会は同日、木下氏に対する2度目の辞職勧告決議案を可決している。

木下氏がかつて所属していた都民ファーストの会と立憲民主党は、長期欠席している議員の報酬を半減させるための条例改正案を準備している。出産などの理由以外で定例会の全日程を2回続けて欠席した場合に議員報酬を半減させる項目などを盛り込む。他会派にも賛同を呼び掛け、開会中の第3回定例会での提案、可決を目指している。

「ゴルゴ13」漫画家のさいとう・たかをさん死去 84歳 連載は継続
「ゴルゴ13」や「無用ノ介」などで知られる漫画家のさいとう・たかを(本名・斉藤隆夫=さいとう・たかお)さんが24日、膵臓がんのため亡くなった。84歳。和歌山県生まれ。中学生のころから映画に熱中し、進駐軍が持ち込んだ米国の漫画誌などの影響も受け、ストーリー漫画家を志す。1968年からは、狙った標的は逃がさない国籍不明の超A級スナイパーが活躍する「ゴルゴ13」を「ビッグコミック」に連載開始。「無用ノ介」はテレビドラマ、「ゴルゴ13」は実写映画にもなり、人気を確固たるものにした。小学館によると「ゴルゴ13」の連載は継続する予定。

歌手の橋幸夫さん引退へ 23年5月に 加齢で満足いく歌唱できず
歌手の橋幸夫さん(78)が2023年5月に引退することが29日、事務所関係者への取材で分かった。加齢により満足のいく歌唱ができなくなってきたことが理由。80歳の誕生日となる23年5月3日に歌手活動から退くことを決め、前年1月から引退コンサートを開催していくという。

1960年デビュー。大ヒット曲「潮来笠」で日本レコード大賞新人賞の第1回受賞者となった。舟木一夫さん、西郷輝彦さんと共に「御三家」と呼ばれ、一世を風靡。近年は認知症の母親を介護し、その体験記を出版するなど幅広く活動していた。