2021年9月30日

自民幹事長に甘利氏 過去に「政治とカネ」 岸田氏判断に厳しい声も
自民党の岸田文雄総裁が、党役員人事で幹事長への起用を決めたのは甘利明税制調査会長(72)だった。二階俊博氏(82)の後任になる幹事長は党の権力を握るとも言われる重要ポスト。甘利氏は2016年に「政治とカネ」の問題で第2次安倍政権の経済再生担当相を辞任した経緯などもあり、起用を疑問視する見方も出ている。

甘利氏を巡っては、都市再生機構(UR)との補償交渉を巡り建設会社から口利きを頼まれた当時の秘書が現金500万円を受領し、甘利氏本人も大臣室などで100万円を受け取ったとされる。甘利氏と秘書はあっせん利得処罰法違反と政治資金規正法違反の疑いで刑事告発されたが、東京地検は容疑不十分で不起訴とした。

官房長官に松野博一元文科相起用へ
自民党の岸田文雄総裁は30日、10月4日に発足する予定の新内閣の官房長官に松野博一元文部科学相(59)を起用する方針を固めた。松野氏は最大派閥の細田派に所属している。

自民党副総裁に麻生太郎氏を起用へ
自民党の岸田文雄総裁は30日、麻生太郎副総理兼財務相(81)=麻生派=を党副総裁に起用する方針を固めた。

台風16号、伊豆諸島接近へ 暴風高波大雨に厳重警戒―気象庁
大型で非常に強い台風16号は30日午後、伊豆諸島・八丈島から南へ離れた海上を北上した。10月1日明け方から昼すぎにかけて同諸島に接近し、勢力を維持したまま八丈島付近の海上を通過するとみられる。気象庁は暴風や高波、大雨に厳重に警戒するよう呼び掛けた。

東海から関東、東北南部の沿岸でも暴風になる所があり、激しい雨が降る恐れがある。16号は伊豆諸島接近後、北東へ進んで関東や東北の東方へ遠ざかる見込み。1日に予想される最大瞬間風速は伊豆諸島50メートル、関東40メートル、東海35メートル、東北30メートル。波の高さは伊豆諸島11メートル、関東9メートル、小笠原諸島8メートル、東海7メートル、近畿と東北6メートル。1日午後6時までの24時間予想雨量は多い所で、伊豆諸島300ミリ、関東150ミリ、東海100ミリ、東北60ミリ。

緊急事態宣言30日で解除 飲食店の時短などは約1か月継続
政府は、新型コロナウイルス対策で19都道府県に発令していた緊急事態宣言と、8県に適用していたまん延防止等重点措置を30日で全面解除する。宣言解除地域では10月1日から1か月程度、飲食店の営業時間短縮などを続け、知事の判断で酒類提供などを認める。

宣言解除の19都道府県のうち、東京都では感染予防策の第三者認証を取得した飲食店(認証店)は営業を午後9時まで、酒類提供を午後8時まで認める。大阪府では認証店は営業を午後9時まで、酒類提供を午後8時半まで認める。滋賀県などは営業時間、酒類提供とも制限を設けない。

連合の次期会長に芳野友子氏の就任内定 初の女性
日本労働組合総連合会(連合)の次期会長に、役員推薦委員会が推薦している芳野友子副会長(55)が就任することが内定した。新会長選挙の立候補が30日に締め切られたが、届け出がなかった。新会長は10月6日の定期大会で正式に選出される見通しで、連合(1989年発足)としては初めての女性会長となる。芳野氏はミシンメーカー「JUKI」(東京)の労組委員長で、2015年から、ものづくり産業労働組合(JAM)と連合の副会長も務める。次期事務局長には、同じく推薦委が推す日本教職員組合(日教組)委員長の清水秀行氏が就任する見通し。官公労出身の事務局長も初めてとなる。

東京市場 1年7か月ぶり112円台 米市場ドル買い引き継ぎ
30日の東京外国為替市場の円相場は円がドルに対して大幅下落し、一時1ドル=112円台を付けた。約1年7か月ぶりの円安・ドル高水準。前日のニューヨーク外国為替市場では、米長期金利の上昇を受けて日米金利差の拡大を意識したドル買いが進んでおり、この流れを引き継いだ。午後5時現在は1ドル=111円87~89銭で、前日比58銭円安・ドル高だった。三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは「しばらくは緩やかに円安・ドル高が進む可能性は高い」と語った。

民放キー局5社、番組をネット同時配信へ 日テレは10月2日から
民放キー局5社が、ゴールデンタイムの番組を中心にインターネットで同時配信する方針を相次いで打ち出した。若者を中心にテレビ離れが進む中、番組をスマートフォンなどでどこでも見られるよう利便性を高め、視聴者の獲得を狙う。日本テレビが10月2日に開始し、年度内にも民放各局の足並みがそろう。

日テレは、民放の見逃し配信サービス「TVer」内に「日テレ系ライブ」のコーナーを設け、視聴率の高い午後7~11時を中心とした25番組を配信する。テレビ東京は12月、テレビ朝日は年明け、フジテレビとTBSは年度内の開始をそれぞれ目指し、配信番組や時間帯を調整中だ。各社が持つ動画配信サイトではなく、ドラマやバラエティー番組の見逃し配信などで実績のあるTVerでの配信を軸に検討している。NHKは昨春から「NHK+(プラス)」で同時配信を実施している。

国内初、ドローンから「投下」 山小屋に配送―日本郵便・楽天
日本郵便と楽天グループの合弁会社、JP楽天ロジスティクス(東京)は30日、小型無人機ドローンから荷物を投下する実証実験に成功したと発表した。飛行ルートや荷物の受取先で安全を確認する補助者を配置せずにドローンを飛ばし、長野県白馬村の山小屋に届けた。こうした配送に成功するのは国内で初めて。今年3月の規制緩和で、高さ1メートル以内なら補助者を置かずに荷物を投下することが認められた。人件費の削減につながり、同社は来年度以降の本格運航開始を目指す。