2021年8月24日

パラ開幕、過去最多の4403選手参加 異例の無観客
第16回夏季パラリンピック・東京大会は24日午後8時から国立競技場(東京都新宿区)で開会式が無観客で行われ、9月5日までの13日間に及ぶ障害者スポーツの祭典が幕を開けた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、東京五輪と同様に1年延期を経ての開催。国内では五輪時よりもコロナ感染が拡大し、競技会場のある東京、千葉、埼玉、静岡の1都3県に緊急事態宣言が出るなか、すべての会場に一般客を入れない異例の大会となる。

組織委は小中学生らに観戦機会を提供する「学校連携観戦プログラム」を実施するが、新型コロナの影響で辞退が相次いでいる。

福島第1原発の処理水、沖合約1キロで放出へ 海底トンネル設置
東京電力福島第1原発から出る放射性物質トリチウムを含んだ処理水の海洋放出をめぐり、東京電力ホールディングスと政府が、海底にトンネルを設置した上で1キロ程度沖合に流す方針を固めたことが24日、関係者への取材で分かった。原発近くの沿岸から直接放出するよりも風評被害を抑えられると判断した。

海底トンネルは岩盤の中を通す工事が必要なため、東電は9月以降に海底の地質を確認するボーリング調査などを行う見通し。同月中にも工事計画を原子力規制委員会に申請し、放出を始める2023年春ごろまでの完成を目指す。

第1原発のタンクにたまり続けている水は現在、約127万立方メートルに上る。その7割は、放射性物質の濃度が国の放出基準を超えているため、多核種除去設備「ALPS(アルプス)」を使って濃度を下げる。しかし、トリチウムだけは技術的に取り除けないので、国の放出基準の40分の1(1リットル当たり1500ベクレル)未満の濃度になるよう、海水で340~1020倍に薄められてから、海に流される。

アフガンの日本人退避へ 自衛隊機2機が入間基地を出発
アフガニスタンに残る日本人らを退避させるため、政府が派遣する自衛隊機2機が24日午後、航空自衛隊入間基地(埼玉県)を出発した。近隣国を経由して、今週半ば以降にも現地に入り、日本人らの退避を始める予定。

この日、出発したのは空自のC130輸送機2機。小牧基地(愛知県)から入間基地に移った後、隊員や資機材を乗せた。那覇基地(沖縄県)で給油後、近隣国へ向かう。一方、23日夕に入間基地を出発し、給油で美保基地(鳥取県)に立ち寄っていたC2輸送機1機も24日未明、近隣国に向けて出発した。これで派遣する計3機すべてが現地へ出発したことになる。

防衛省によると、3機には空自や陸自の隊員数百人が乗る。今後、アフガニスタンの近隣国に拠点を設けた上で、2機のC130が、アフガニスタンの首都カブールの空港との間をピストン輸送する。

緊急事態拡大へ 北海道、宮城、岡山など8道県 9月12日まで
政府は、新型コロナウイルス対策で13都府県に発令中の緊急事態宣言について、発令を要請していた北海道、宮城、岐阜、愛知、三重、滋賀、岡山、広島の8道県を新たに追加する調整に入った。期限は現在発令中の地域と同じ9月12日までとする方向だ。

東京の感染者はもっといる? 検査数、需要予測の5割強
検査を受けていない潜在的な感染者が増えている――。新型コロナウイルスの感染が広がる東京都内で、専門家からそんな指摘が出ている。感染者数の急増とともに増えていた検査件数は頭打ちとなり、検査が必要な人に迅速に対応できていない恐れがあるからだ。検査の陽性率も20%台で高止まりし、冬の第3波と比べても異常とも言える高水準となっている。

都が公表している検査人数(1週間平均)は、感染者数の急増が本格化した7月29日に1万人を突破。その後も増え続けたが、8月17日の1万5012人をピークに頭打ちとなっている。陽性率は21.9%と最も深刻な「ステージ4」の10%を大幅に上回り、第3波のピークだった14.5%(1月7日)を超えた状態が続く。

なぜ、検査人数は伸び悩むのか。担当者はこう分析する。「医療機関はワクチン接種や在宅医療の支援にも人手を割いており、フルに検査に対応するだけの余裕がない。爆発的に感染者数が増えた影響で、検査体制の枠を整えられなかった可能性がある」

「防ぎようない」保育園で相次ぐクラスター 休園1月で4倍に
新型コロナウイルスの感染拡大「第5波」では、20歳未満の感染者数も右肩上がりに増加している。感染力の強いデルタ株の影響とみられる。特に保育園ではクラスター(感染者集団)が相次いで発生しており、臨時休園する施設は1カ月前の4倍に達した。共働き家庭が増える中、保育園の休園は企業活動などにも影響しそうだ。

東京で自宅療養患者1160人が救急搬送されず 16~22日
新型コロナウイルスに感染して自宅療養中などに症状が悪化し、16~22日の1週間に救急搬送を要請した東京消防庁管内の患者1983人のうち1160人が搬送されなかったことが24日、同庁への取材で分かった。保健所の判断で自宅療養を継続することになったケースが多いという。同庁によると、搬送された823人のうち、要請から医療機関到着まで5時間以上かかったのは103人、3時間以上5時間未満は147人に上った。

全国で新たに2万1569人感染 火曜日で過去最多 新型コロナ
新型コロナウイルスの感染者は24日、全国で新たに2万1569人確認され、火曜日としては過去最多を更新した。重症者は前日から37人増えて1935人となり、12日連続で最多を更新した。死者は42人だった。

東京都の新規感染者は4220人。直近7日間を平均した1日当たりの新規感染者は4636.9人で、前週比は102.4%となっている。秋田、愛知、岐阜、滋賀、京都、奈良、高知の7県で新規感染者が最多を更新。和歌山県は過去最多に並んだ。