2020年10月9日

学術会議問題 東大学長がメッセージを発信
日本学術会議が推薦した新会員候補6人の任命が拒否された問題に関し、東京大学の五神真(ごのかみまこと)学長は9日、「同会議からの要請に対する真摯な対応を政府には望みます」とのメッセージを大学ホームページに掲載した。

学術会議元会長が首相批判
立憲民主党などの野党は9日、日本学術会議が推薦した新会員候補6人の任命を菅義偉首相が見送った問題に関する合同ヒアリングを国会内で開いた。会合には、3年前の平成29年まで6年間、日本学術会議の会長を務めた東京大学の大西隆名誉教授と、大西氏の前に会長を務めた東京大学の広渡清吾名誉教授が出席した。大西元会長は「選考基準と違う基準を適用し、任命拒否したとなれば日本学術会議法違反になる」と首相を批判。広渡元会長は「誤っているとしか言いようがない。拒否した理由を説明しなければ首相の責任は果たせない」と訴えた。

理工系93学会が緊急声明 「任命拒否を憂慮」
菅義偉首相が日本学術会議の会員候補6人の任命を拒否した問題で、日本物理学会など理工系の93学会は9日、任命拒否を憂慮する声明を発表した。声明は日本地球惑星科学連合、日本数学会、日本物理学会のほか、生物科学学会連合と自然史学会連合の傘下学会が共同で出した。任命を拒否された6人は人文・社会科学系の学者だが、日本地球惑星科学連合の田近英一会長(東京大教授)は記者会見で、「理系でも起こり得る話。学術に基づいた自由な言動が制限されることは学問の自由の制限につながる」と述べた。

首相 論点のすり替え 学術会議も行政改革の対象に
日本学術会議が推薦した会員候補6人が任命されなかった問題で、菅義偉首相は9日のインタビューでも具体的な理由を語らなかった。他方、同会議を行政改革の対象にしてあり方を見直す考えを示した。

日銀 デジタル通貨を来年度から実証実験
日銀は9日、中央銀行が発行するデジタル通貨をめぐり、実証実験を来年度早期に開始すると発表した。「(デジタル通貨を)発行する計画はない」としているが、先行する中国などの動きや菅義偉政権が重視するデジタル戦略も踏まえ、準備を加速する。