何故、菅総理の施政方針演説が国民の心に響かないのか !!

第204通常国会施政方針演説20210118-2 政治・経済・社会

1月18日に召集された第204通常国会の初日、菅義偉総理は施政方針演説を行った。演説をインターネットで視聴したが、感想を一言でいえば、心に響くものはなかった。

第204通常国会における菅義偉首相の施政方針演説(全文)

施政方針演説は各省庁から集まった「短冊」と呼ばれる政策の羅列

演説内容は各省庁から集まった「短冊」と呼ばれる政策を羅列しただけであり、その原稿を総理がただ棒読みするだけ。新型コロナに打ち勝って、国民の健康と命、日常の暮らしを取り戻すという、国のトップとしての責任感と熱意を感じなかった。それでは国民の心に響かない。

しかも、言葉の発音が不明瞭で聞き取りにくい。読み間違いもあった。参議院本会議では、

「今回、緊急事態宣言を発出しました。これまで1年近くの闘いの経験に基づき、効果的な対象に徹底的な対策を行っております。」との原稿を、「・・限定的な対策・・」と読み上げ、その場で言い直した。政府のコロナ対策の実態に合わせて、無意識に本音が出たのだろうか。

他にも、「不妊治療と仕事の両立に、後ろめたい思い」を「後ろめいた思い」に、「出産・育児の負担」を「生産・育児」に、「全国の小学校について」を「小中学校」に、衆議院本会議では、「脱炭素に向けたあらゆる主体の取組」を「あらゆる全体」に、それぞれ言い間違えた。

誰にでも間違いはあるので、それを逐一あげつらうつもりはない。ただ菅総理にはもっと重大な問題がある。

一つは、民主主義国家において政治は「言葉」が非常に重要な意味を持つが、菅総理は言葉が不得手のようだ。キャッチコピーを記したパネルを手にしてパフォーマンスが上手な東京都知事にも困ったものだが。

菅総理の無策と小池知事のパフォーマンスで、日本は東アジアの負け組 (注目記事より)

総理は、国民が追い込まれている状況や心境を理解できていない

もう一つは致命的である。総理の施政方針演説や記者会見での発言が国民の心に響かないのは、そもそも総理自身が国民が追い込まれている状況や心境を理解できていないからである。

今国民は、新型コロナに感染しても入院できる病院がなく、自宅に放置されたまま。不幸にも亡くなる方が出ている。身の危険を覚悟し使命感で治療に当たる医師や看護師、しかもボーナスはカット。

飲食業は諸悪の根源と断定され、一方的に営業の時短が要請される。1日6万円の補償で生き延びることが出来るお店もあるが、多くの従業員を抱えたお店には従業員を解雇せよと言うのか。

総理は演説の冒頭で、「私が、一貫して追い求めてきたものは、国民の皆さんの『安心』そして『希望』です。」と語った。

続けて、「国民の命と健康を守り抜く。まずは『安心』を取り戻すため、世界で猛威をふるい、我が国でも深刻な状況にある新型コロナウィルス感染症を1日も早く収束させます。」と大見得を切った。しかし、具体的な対策はほとんど見られなかった。

飲食店の営業時短だけでコロナ感染は収束するのか。テレワークの7割実施、「ステージⅣ」を早急に脱却、必要な方に必要な医療をしっかりと提供・・など言葉が並んでいるだけで、具体策は全く示されていない。

持続化給付金及び家賃支援給付金は事情があれば2月15日まで、雇用調整助成金は2月末まで、それぞれ延長された。その後は廃止なのか、延長もあるのか。そういう状況で、どうやってお店と雇用を維持できるのか。

このように施政方針演説は、今国民が直面している深刻な、まさに命のかかった課題に対し、何ら応えてくれるものではなかった。

昨年10月に召集された第203臨時国会での所信表明演説で、菅総理は「爆発的な感染は絶対に防ぎ、国民の命と健康を守り抜きます。」と語った。しかし、総理は感染拡大を防ぐどころか、全く逆の、GoToキャンペーンの継続にこだわり、感染を全国に拡大させた。今回はそのことに言及はなかった。

第203臨時国会における菅義偉総理の所信表明演説(全文)

コロナが去ったら、大増税が待ち構えている

コロナ対策に具体策を示さないまま、演説の大半をアフターコロナの政策に時間を費やした。本気にコロナ感染を収束させるという熱意を感じなかった。

アフターコロナ政策にもいろいろな問題がある。

2、3指摘すると、カーボンニュートラル実現に向けて原子力政策を進める。中小企業対策として生産性の底上げ・賃金上昇を目指すとするが、それは弱小の中小企業の切り捨て。地方金融機関の統廃合。沖縄の皆さんの心に寄り添うと言いながら地元が反対する辺野古移設を強行するなど。

演説の「おわりに」、梶山静六内閣官房長官(当時)から受けた言葉を紹介した。

「お前はそういう大変な時代に政治家になった。その中で国民に負担をお願いする政策も必要になる。その必要性を国民に説明し、理解してもらわなければならない。」

何故、この言葉で施政方針演説を終えたのか。それは、コロナ対策を多額の国債発行でまかなったので、膨らんだ赤字を埋めるため、コロナが収束した後には増税を実施するという『増税宣言』なのである。

コロナが去ったら、大増税が待ち構えている。

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