猪瀬直樹「セクハラ被害」維新女性候補の「疑惑の経歴」(FRIDAY 2022年06月19日)
6月12日、東京・吉祥寺で日本維新の会の参院選に向けた街頭演説が行われた。その場で元東京都知事・猪瀬直樹氏(75)が、東京都で立候補する海老沢由紀氏(48)の胸などを触る「公然セクハラ」が行われたことが報じられている。猪瀬氏はこの件について、自身のSNSで「軽率な面があった」などと釈明している。
猪瀬氏の行為は許されるものではない。一方、この被害を受けた海老沢氏について、「FRIDAY」は2022年5月6・13日号で彼女の経歴についての疑惑を報じている。以下に再録する。
夏の参院選(7月10日に投開票予定)の東京選挙区には、各党が注目の候補を用意している。自民党は元バレーボール選手の朝日健太郎(46)に女優の生稲晃子(53)、ファーストの会は代表の荒木千陽(40)を擁立した。そんななか、4月13日に日本維新の会は大阪市議の海老沢由紀氏(48)を公認候補とすることを決めた。全国紙記者が語る。
「元プロスノーボーダーで、’11年には『国民的美魔女コンテスト』でファイナリストに選ばれました。’12年に維新政治塾に入り、都議選などに出馬してきましたが、落選。’19年4月に大阪市議選に出馬し、念願の初当選を果たしたのです」
そんな彼女に、ある疑惑が持ち上がっている。それは、「大阪市議選に出馬した際、選挙区での居住実態がなかったのではないか」というものだ。維新の会の関係者が話す。
「大阪市議選に出馬した際、彼女は家族と一緒に東京で暮らしていて、大阪市内には住んでいませんでした。4月13日の海老沢氏の出馬会見で、維新の馬場伸幸共同代表(57)が『3年前の大阪市議選の時、彼女は告示日の2~3日前に出馬を決めた』と語っていました。思わず口が滑ったのでしょうが、まさに彼女の居住の実態を明かしてしまったのです。当選後も彼女はほぼ都内で暮らしていて『(大阪に通う)新幹線代が月に何十万円にもなる』と漏らしていました」
公職選挙法は、被選挙権を得るための条件として「選挙区内での3ヵ月以上の居住」を定めている。同様の事例では、元戸田市議のスーパークレイジー君(35)がこの要件を満たしていなかったとして、当選無効となった。この疑惑について海老沢氏に話を聞くと、以下のように回答があった。
「’19年4月の大阪市議選の実施が決まった’18年末の時点で、念のため、大阪市内にある実家に単身で転居していた。そのため、党幹部が説明しているように、市議選出馬を最終的に決断したのは数日前だが、約4ヵ月間の居住実態がある」
しかし、彼女の実家の周辺住民に話をきくと「ここはあくまで実家です。彼女が一度離婚したときに戻ってきたことはありましたが、再婚して子供ができてからは東京に住んでいます」という。
実家の前で海老沢氏の母親に声をかけて用件を告げると、表情が一変し、「こっちに(海老沢氏の)住民票はあります」「忙しいので」「ごめんなさい」と繰り返し、慌てて家に入っていった。
彼女の経歴には他にも疑義がある。彼女は自分のHPなどのプロフィールに「’97年スノーボードクロスで日本チャンピオン」と記している。「スノーボードクロス」とは、複数の選手が同時に同じコースを滑り降り、着順を競う競技のこと。しかし、『日本スノーボード協会』の担当者はこう話す。
「彼女はたしかにプロとして登録はされていますが、(彼女が日本チャンピオンと記載している記録は)協会の公認の記録ではありません。当時はスノーボードのなかで『ハーフパイプ』のみが公認競技で、『ボーダークロス(スノーボードクロスの当時の名称)』が公認されたのは’99~’00年シーズンからです」
海老沢氏はこの件について「当時、(彼女が優勝した大会は)ボーダークロスの唯一の大会でしたので、『そこで勝てば日本チャンピオンだ』という認識で活動していました」と回答した。
神戸学院大学法学部法律学科教授の上脇博之氏が話す。
「住民票を移しただけではダメで、居住の実態が必要です。居住実態がなかったのであれば、スーパークレイジー君の件と同様に『当選無効』になります。
スノーボードチャンピオンについてですが、彼女が公表している経歴を見ると、『プロ資格取得』と記し、その次の行で『日本チャンピオン』と書いている。公式の記録であるようにミスリードさせる書き方で、公職選挙法235条に抵触する恐れがあります」
後日、ホームページ上で本件について説明をした海老沢氏だが、有権者は納得しただろうか。