「うちに来て」細田衆院議長の嘘を暴く「セクハラ記録」…週刊文春
「うちに来て」細田衆院議長の嘘を暴く「セクハラ記録」(「週刊文春」編集部 2022/05/25)
「全く事実と違います」。先週号の“セクハラ報道”に対し、議運の場でそう述べた細田博之議長。だが、小誌に届いたのは、三権の長に対する女性記者たちからの相次ぐ告発だった。そして、細田氏の発言を覆す物証が――。
▶女性記者たちの告発「2人きりで会いたい」「愛してる」
▶党女性職員が周囲に嘆いた「お尻を触られた」
▶最も狙われた女性記者が漏らした「文春はほぼ正しい」
▶カードゲーム仲間人妻の告白「抱きしめたいと言われ…」
〈全くの事実無根であり、強く抗議します〉
5月23日午後2時過ぎ、編集部にFAXで届いた一通の「通知書」。送り主は、細田博之衆院議長(78)の事務所である。
小誌は5月19日発売の先週号で、細田氏のセクハラ疑惑を報道。取材に「セクハラ発言みたいなのはあった」と答えたA記者とのやり取りや、深夜に細田氏から「今から来ないか?」と電話を受け、実際に自宅に行ったB記者の証言などを取り上げたのだ。
国会担当記者の解説。
「5月10日に『議長になっても毎月もらう歳費は100万円しかない』などと発言し、批判を浴びた矢先の報道でした。野党は文春の発売日、細田氏に対して事実関係の説明を要求した。山口俊一衆院議院運営委員長は翌20日の議運委理事会で、細田氏が『事実と全く違うので厳重に抗議したい』と述べたと説明しました」
その3日後、編集部に届いたのが、「事実無根」を主張する通知書だった。だが、衆院議長という国権の最高機関のトップに就く人物だけに、その言葉は極めて重い。細田氏とは一体、どんな政治家なのか。本当にセクハラ疑惑は「事実無根」なのか――。
“セクハラ発言疑惑”で細田衆院議長取材に応じる「事実無根変わってない」…TBS
【速報】“セクハラ発言疑惑”で細田衆院議長取材に応じる「事実無根変わってない」(TBSテレビ 2022年5月25日(水) 16:11)
女性記者へのセクハラ発言疑惑が報じられた衆議院の細田博之議長がカメラの前で取材に応じ、「全くの事実無根」との立場を繰り返しました。
この問題は、先週、週刊文春が細田議長による女性記者へのセクハラ発言疑惑を報じたものです。細田議長はさきほど、国会内で取材に応じました。
衆議院 細田博之議長
「私が一言言えることはですね、すでに月曜日に抗議文を出しておりますが、その通りで変わっておりません、立場は。それだけ申し上げて失礼します。(Q.事実無根と?)同じことでございます。(Q.自宅に呼んだこともないですか?)(去っていく)」
細田議長側はおととい、週刊文春を発行する文藝春秋に対して「記事は全くの事実無根」との抗議文を出していましたが、その立場に変わりはないとしました。記事には深夜、自宅に「今から来ないか」と誘われたという女性記者の証言などが掲載されていましたが、抗議文では「そのようなことを言った事実はない」としています。
細田衆院議長「訴訟も視野に検討」“セクハラ”週刊誌続報受け…NHK
細田衆院議長「訴訟も視野に検討」“セクハラ”週刊誌続報受け(NHK 2022年5月26日 19時24分)
女性記者などへのセクハラ疑惑を週刊誌に報じられた細田衆議院議長は、26日、続報が出たことを受け、改めて抗議し、今後、訴訟も視野に入れて検討するとしたコメントを発表しました。
細田衆議院議長について「週刊文春」は、女性記者を深夜に自宅に来るよう誘うなど、セクハラと受け止められかねない行為を繰り返しているなどと先週報じたのに続いて、26日に発売された今週号では、自民党本部の女性職員にもセクハラ行為を行っていた疑いがあるなどと報じました。
細田議長は、先週の報道は事実無根だとして、週刊誌側に抗議する内容の文書を送っていますが、26日、改めてコメントを発表しました。
コメントでは「すでに事実無根として強く抗議したところだが、また、同趣旨の記事が掲載されていることに強く抗議する」としています。
そのうえで「今後、通常国会閉会後、弁護団とも協議し、訴訟も視野に入れて検討したい」としています。
岸田首相「議長あるいは議会において適切に対応されるもの」
岸田総理大臣は、衆議院予算委員会で「議長あるいは議会において適切に対応されるものだと思っている。私は行政府の長であり、行政府の立場から立法府に関わる問題について具体的にコメントすることは控えなければならない。三権分立の考え方から、直接申し上げることは控えなければならない」と述べました。
松野官房長官「コメントは控えたい」
松野官房長官は、午後の記者会見で「衆議院議長に関する報道について、行政府の立場でコメントすることは控えたい」と述べました。
立民 泉代表「多くの国会議員が失望していると思う」
立憲民主党の泉代表は記者団に対し「細田議長をおとしめるために、複数の人が共同で計画して、何もないところで急に証言をしているとは思えず、細田議長は、国民からの疑問に答える必要がある。細田議長は、これまでもおかしな発言をいくつもしており、国民生活とまったくずれた見解を持っている人が三権の長であることに、多くの国会議員が失望していると思う」と述べました。
立民 小川政務調査会長「火のないところに煙は立たない」
立憲民主党の小川政務調査会長は記者会見で「今回の報道のような話は、通常、火のないところに煙は立たない。被害を受けた女性記者は、取材対象との距離感を流動化させるなどのリスクがあるなかで、わざわざ根も葉もないことを言う必要がない」と述べました。
そのうえで「細田議長は、今の国会で十分な説明責任を果たさないのであれば、不信任決議案の提出など、あらゆる選択肢を排除できない。それほど、細田議長に投げかけられた疑念や疑惑の目は深刻だ」と述べました。
立民 馬淵国対委員長「事実であれば身を引かざるを得なくなる」
立憲民主党の馬淵国会対策委員長は、記者団に対し「報道が事実であれば、あらゆる職責から身を引かざるを得なくなるのではないか。『事実無根だ』という紙切れを出すのではなく、衆議院の長として衆議院でわれわれに説明するとともに、記者会見で国民に語るべきだ」と述べました。
そのうえで、今後の対応について「世論の高まりとともに、あらゆる選択肢を考えていきたい。今晩、衆議院議長の公邸で夕食会が開かれるが、現在の状況で酒食をともにすることをよしとするわけにはいかず、お断りした」と述べました。
公明 北側副代表「しっかり説明責任を」
公明党の北側副代表は、記者会見で「自身の判断でやってもらうしかないが、そのような報道があったわけなので、しっかり説明責任を果たしてもらいたい」と述べました。
維新 遠藤国対委員長「本人が説明することが前提だ」
日本維新の会の遠藤国会対策委員長は、記者団に対し「三権の長なので、不審に思われていることがあれば、説明をするべきだ。今のところ、それ以上でも以下でもない。本人が説明することが前提だ」と述べました。
国民 玉木代表「事実とすれば破廉恥な行為」
国民民主党の玉木代表は、記者団に対し「報道の内容は、心地いいものではないことは間違いなく、事実とすれば破廉恥な行為だと思う。真実かどうかは、細田議長本人がいちばんよくわかっているはずなので、会見を開いて説明すべきだ。国際的に見ても恥ずかしい話で、このまま放置していると日本の信頼にも関わるので、速やかな解決を望んでいる」と述べました。
共産 志位委員長「議長の資質にもかかわる大変深刻な問題」
共産党の志位委員長は、記者会見で「報道が事実だとすれば、議長の資質にもかかわる大変深刻な問題だ。問われている具体的な問題に即して、本人が国民にきちんと説明する必要がある」と述べました。
「週刊文春」編集部「多数の当事者の証言や証拠に自信」
「週刊文春」の編集部は「記事は、セクハラに関する多数の当事者の証言や証拠に基づくもので、じゅうぶん自信を持っています。細田議長は、国権の最高機関の長として、自らの言動を検証し、真摯に説明されることを期待しております」としています。