知床の観光船事故 社長、事故当日の出港は「いけると思った」乗客家族らに釈明

知床観光船事故、現場の海水温は2~4度 社会

知床の観光船事故、社長は「記者会見する」方針 乗客の家族らに説明

知床の観光船事故、社長は「記者会見する」方針 乗客の家族らに説明(朝日新聞 4/25(月) 13:00配信)

北海道・知床半島沖で観光船「KAZUI(カズワン)」の乗客・乗員26人が行方不明になって25日で3日目。25日には子ども1人の死亡が新たに発表され、事故による犠牲者は計11人になった。遺族らが北海道斜里町の遺体安置所を訪れ、安否を気遣う家族らも、関係機関による説明会に足を運んだ。

観光船が出航した斜里町のウトロ漁港近くにある宿泊施設では25日朝から、町長や捜索に当たる海上保安庁関係者、観光船を運営する「知床遊覧船」の社長らによる説明会が開かれた。行方不明となっている乗客の家族ら約30人が出席した。

説明会は非公開。終了後、取材に応じた馬場隆町長によると、24日夜からの捜索状況が説明されたほか、社長が「記者会見の場を設ける」との方針を示したという。馬場町長は取材に「一番やらなければいけないことは早く(乗客を)見つけることだ。家族に寄り添っていく」と語った。海保の担当者も「我々としては一刻も早く行方不明の方が見つかるように捜索していく」と話した。

運航会社社長、事故当日の出港は「いけると思った」乗客家族らに釈明

【知床観光船事故】運航会社社長、事故当日の出港は「いけると思った」乗客家族らに釈明(日刊スポーツ 2022年4月26日8時7分)

北海道・知床半島沖で乗客乗員26人が乗った観光船「KAZU 1(カズワン)」=19トン=が遭難した事故で、運航会社「知床遊覧船」(斜里町)の社長が、荒れた海への出港判断について「私はいけると思った」と、駆け付けた乗客の家族らに釈明していたことが26日、分かった。

第1管区海上保安本部(小樽)などは、死亡が確認された11人の大半が見つかった知床岬周辺で、残る行方不明者15人の捜索を続行。ダイバーが岩場を確認するほか、船内にいる可能性もあるとみて水中音波探知機(ソナー)で海底を調べる。

取材に応じた行方不明者の家族によると、カズワンについて「船の前方にひびが入っているのを見た」との証言もあるが、社長は「検査して問題がなかった」と説明。事故があった23日は、地元漁師が出港を見合わせるほど強風で波が高かったが、社長は「私はいけると思った」と述べた。

さらに家族側から「どうして引き返さなかったんだ」と問い詰められると「はい、すみませんでした」と謝った。

国土交通省によると、知床遊覧船は昨年5月にもカズワンが浮遊物に衝突、乗客3人がけがを負う事故を起こした。その話を持ち出されると「軽い傷だった」と弁解したため、家族側は「もっと責任感を持って運航すべきだ」と伝えたという。

カズワンの豊田徳幸船長(54)は出港前、複数の知人から「やめておけ」と忠告されていた。

国交省は特別監査で同社の安全管理に問題がなかったかを調べている。(共同)