「連合」はもはや労働者の見方ではない。正体は、経営者と自民党にすり寄る「労働貴族」。

連合は経営者と自民党にすり寄る労働貴族 政治・経済・社会

労働者の味方ヅラ「連合」の噴飯 いよいよ正体があからさまに(日刊ゲンダイ 公開日:2022/01/09 17:00 更新日:2022/01/09 17:00)

2022年夏は、岸田政権の今後を占う「試金石」となる参議院選挙が行われる。前回(2019年)の参院選は、立憲、共産、国民民主、社民の4党が全国32の1人区で候補を一本化し、10選挙区で自民党候補を破った。

今回も野党側は、1人区で候補者を一本化する意欲を見せており、立憲の泉代表も「可能な限り一本化を目指していきたい」と前向きな姿勢を示しているが、現時点で野党間の調整はほとんど手付かずのまま。このままだと、昨秋の衆院選に続く野党敗北という最悪のパターンが現実味を帯びてくるだろう。

参院選まで半年余り。野党は一刻も早く共闘に向けた動きを加速させなければならない時なのに、それが遅々として進まない要因は明白。立憲の支援組織である連合(日本労働組合総連合会)の芳野友子会長が会長就任来、一貫して立憲と共産党との選挙協力を批判し続け、野党共闘に向けた選挙区、候補者の調整については立憲と国民民主両党で進めるように求めているからだ。

連合は労働者の信頼を失い自滅の道を進む

「連合と共産党の考えが違う。立民と共産党の共闘はありえないと言い続ける」

会長就任早々に出演したBS番組でこう言い放った芳野会長。先の衆院選はもちろん、野党結集の必要性を認識した過去の参院選の野党共闘すら否定するかのような異例の発言は注目を集め、その後も複数のメディアに露出するたび、共産党アレルギーの発言を繰り返してきた。

昨年12月には連合トップとしては「7~8年ぶり」に自民党本部を訪問し、茂木幹事長や麻生副総裁と面会して会長就任のあいさつ。その際、茂木から「連合初の女性会長として頑張ってほしい」などと声を掛けられてニンマリしていたという。今月5日には、岸田首相が自民党の首相として9年ぶりに連合の新年交歓会に出席した。

そんな「与党すり寄り」の姿勢が“評価”されたのか、芳野会長は岸田政権が肝いりで発足させた「新しい資本主義実現会議」のメンバーにも選ばれたわけだが、これじゃあ、ネット上で「会長は野党潰しの工作員なのか」なんて批判の声が出るのも無理はないだろう。

労働者の賃金は減らされ非正規雇用は拡大

法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)がこう言う。

「連合、全労連(共産党系労組)に歴史の違いはあれど、いずれも目的は『労働者の利益』であり、その視点に立てば、これまで労働環境を悪化させてきた政権与党なのか、それとも賃金引き上げ、環境改善を常に訴えてきた野党のどちらを支持するべきなのかは明白です。労働者の利益を高めるためには今、何をするべきなのか。それが最重要であり、好き嫌いを言っている場合ではないのです。このままだと、連合は労働者の信頼を失い、組織そのものが自滅しかねません」

かつての労働貴族の復活が幹部の目的に

厚労省の調査によると、労組を持つ企業の規模は「1000人以上」が65%余り。全労働組合員数のうち、自動車や電機などの大企業を多く抱える連合が約7割を占める。もはや連合は長時間労働や低賃金に苦しむ中小企業の代弁者とは程遠い存在。「労働貴族」が叫ばれた昔もそうだが、自民ベッタリ大企業の産別労組の堕落した幹部に、今や全労働者の4割にも達する非正規の苦しみが分かるわけがないのだ。

中小企業出身の芳野会長に対しては、そんな大企業中心の悪しき体質を変える手腕を期待されるところもあったはずだ。それなのに会長に就いた途端、より政府、与党に近しい正体を鮮明にしているのだから何をかいわんや。非正規労働者の組織化に取り組みたい、という考えも疑わしいと言わざるを得ない。

歴史を振り返ると、今の連合の動きは、1970年代に野党共同路線を放棄して共産党との断絶を求め、自民党との連合路線に舵を切った民社党を支援していた同盟系労組の姿を彷彿とさせる。

埼玉大学名誉教授の相澤幸悦氏(経済学、金融論)がこう言う。

「近年の連合はかつての労使協調路線を主張した同盟系右派の考え方に近い。要するに幹部は経営者側とうまくやって企業内でも出世したい、そんな思惑が透けて見えます。いわゆる労働貴族の復活です。しかし、かつてと違って国際競争力を失い、経済的な発展も見込めない中で労組の力が低下すれば、シワ寄せを食らうのは一般労働者です。賃金はさらに減らされ、非正規は今以上に増える。そうなってからでは遅いということを国民も早く気付くべきでしょう」

立憲がやるべきは「労働者の味方ヅラ」をした連合の理解を得ることに労力を費やすのではなく、直ちに縁を切り、その怪しげな正体を暴くことではないのか。