安倍元首相を再び不起訴、「桜を見る会」前夜祭の会費補填問題は「結論ありきの再捜査」

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【出典・引用記事】

安倍元首相、再び不起訴で捜査終結 「桜を見る会」前日の夕食会費補塡問題で東京地検特捜部(東京新聞 2021年12月28日 20時46分)

安倍元首相を再び不起訴「結論ありきの再捜査」 岩井名誉教授(朝日新聞 2021年12月28日 21時03分)

安倍晋三元首相の後援会が「桜を見る会」の前日に主催した夕食会の費用補塡ほてん問題で、東京地検特捜部は28日、公職選挙法違反と政治資金規正法違反の疑いで東京第1検察審査会が「不起訴不当」と議決した安倍氏を、再び不起訴(嫌疑不十分)とした。検審の議決が「起訴相当」ではなかったため2度目の審査は行われず、捜査は終結した。

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夕食会は東京都内のホテルで「安倍晋三後援会」(山口県)が会費5000円で主催。不足分は安倍氏側が補塡して支払っていた。特捜部は昨年12月、2016〜19年分の政治資金収支報告書に夕食会の収支計約3000万円を記載しなかった政治資金規正法違反の罪で、後援会代表だった元公設第1秘書を略式起訴。安倍氏に関してはすべて不起訴とした。

検審は今年7月、補塡が参加者への寄付に当たるとする公選法違反と、安倍氏が代表を務める資金管理団体「晋和会」の会計責任者の選任・監督を怠った政治資金規正法違反の2つの容疑で、安倍氏の不起訴は「不当」と議決。特捜部が、一部の参加者や安倍氏らの供述だけで判断したことを問題視した。

◆特捜部、聴取対象を広げるも…

特捜部は今回、聴取対象を広げるなどして再捜査したが、公選法違反については、提供された食事が会費以上の寄付に当たるとの認識が参加者にあったとは立証できないと判断したとみられる。政治資金規正法違反に関しても起訴するための十分な証拠がなかったとした。

18年の夕食会に関する公選法違反容疑など、一部では時効が成立した。

◆不起訴処分という結論ありきで再捜査が進んだ

この判断に対し、政治とカネの問題に詳しい岩井奉信・日本大名誉教授(政治学)は「不起訴処分という結論ありきで、再捜査が進んだという印象だ」と話す。

特捜部が認定した補填額は2019年までの4年間で計約708万円にのぼる。これについて安倍氏は「事務所に預けていた私の預金」と説明している。岩井教授は「夕食会の費用補塡が長年にわたって大規模に行われてきた実態があるのは確かなので、検察はさらに捜査を尽くして、起訴した上で裁判所に判断を求めるべきだった」と指摘。「安倍氏自らも、経理処理などの全体像を筋道を立てて、再び会見で説明するべきだ」と注文をつけた。

◆安倍政治は「虚偽答弁」と「忖度」