GoToトラベル利用者はコロナ発症が2倍 東大チームらが調査

政治・経済・社会

東京大学や大阪国際がんセンターなどの共同研究チームは、GoToトラベル利用者は、利用経験のない人に比べて、過去1か月以内に発熱、咽頭痛、頭痛、嗅覚・味覚異常を2倍近く発症していたとの調査結果を公表した。

同研究は、宮脇敦士・東京大学大学院医学系研究科助教、田淵貴大・大阪国際がんセンターがん対策センター疫学統計部副部長、遠又靖丈・神奈川県立保健福祉大学大学院保健福祉学研究科准教授、津川友介・米カリフォルニア大学ロサンゼルス校助教授によって構成される共同研究チームによるもの。

調査は、およそ2万8000人を対象に実施され、過去1か月以内に嗅覚・味覚の異常を訴えた人の割合は、「GoToトラベル」の利用者が2.6%に対し、利用しなかった人は1.7%と、統計学上、有症率の差はおよそ2倍にのぼった。

研究論文は、通常、「査読」(論文が学術誌に掲載される前に行われる同じ分野の研究者らによる評価・検証)が行われた後に正式に発表されるものだが、今回は「緊急性が高い」として、査読前の原稿を12月6付でインターネット上に公開した。

以下に、報告書の抜粋を掲載する。

Go Toトラベル利用者の方が、新型コロナウイルス感染症を示唆する症状をより多く経験していることが明らかに
投稿者: 津川友介 投稿日: 2020/12/06


Association between Participation in Government Subsidy Program for Domestic Travel and Symptoms Indicative of COVID-19 Infection
Atsushi Miyawaki, Takahiro Tabuchi, Yasutake Tomata, Yusuke Tsugawa

Go To トラベル利用の有無別の新型コロナを示唆する5つの症状の有症率

性別・年齢・社会経済状態・健康状態などの影響を統計的に取り除いた上で、Go To トラベルの利用経験のある人は、利用経験のない人に比べて、過去1ヶ月以内に発熱(Go Toトラベル利用者4.8% vs. 非利用者3.7%; オッズ比 1.9)、咽頭痛 (20.0% vs. 11.3%; オッズ比 2.1)、咳 (19.2% vs. 11.2%; オッズ比 2.0)、頭痛(29.4% vs. 25.5%; オッズ比 1.3)、嗅覚/味覚異常 (2.6% vs. 1.7%; オッズ比 2.0)を、より多く認めていたことがわかりました。

年齢および基礎疾患の有無で層別化した分析も行いました。

高齢者 vs 非高齢者で分けた分析

Go To トラベルの利用経験による有症率の違いは、65歳以上の高齢者よりも、65歳未満の非高齢者で顕著でした。この結果は、高齢者の方が新型コロナ感染を恐れているため、たとえ旅行をしても慎重に行動し、その結果として感染リスクを増加させていなかった可能性を示唆しています。

基礎疾患なし vs 基礎疾患ありで分けた分析

基礎疾患の有無によって、Go Toトラベル利用と有症率との関係は変わりませんでした。
※基礎疾患…過体重・高血圧・糖尿病・心疾患・脳卒中・COPD・がんのうち少なくとも1つを持つか否か

研究者のコメント

今回の結果は、以下の2通りの解釈が可能です。

① Go To トラベル利用によって新型コロナ感染のリスクが増加した可能性 
② 新型コロナの感染リスクの高い人の方がより積極的にGo To トラベルを利用している可能性

①である場合、Go To トラベル事業そのものが新型コロナの感染拡大に寄与しているということになります。一方で②の場合はGo To トラベル事業は新型コロナの感染拡大の直接の原因ではないものの、新型コロナに感染しているリスクが高い人が移動していることを示唆しているので、その結果として間接的に新型コロナの感染拡大につながっている可能性があります。

コメント

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