倉庫に布製「アベノマスク」8200万枚、保管費用は6億円、税金の無駄遣い

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「アベノマスク」8200万枚配られず、倉庫保管料は6億円 !!

「アベノマスク」8200万枚配られず、倉庫保管料は6億円にも…希望する施設減ったため(読売新聞 2021/10/27 18:31)

新型コロナウイルス対策で全国に配布するために政府が調達した布マスク約2億8700万枚のうち、3割近い約8200万枚(約115億円相当)が配られずに倉庫に保管されていたことが、会計検査院の調べでわかった。保管費用は今年3月で計約6億円に上っており、検査院は近く、厚生労働省に有効活用などを求める方針。

政府は昨年3月以降、感染拡大に伴うマスク不足の解消を目的に、全世帯向け(1世帯2枚)の約1億3000万枚と、介護施設などや妊婦向けの約1億5700万枚の計約2億8700万枚(約400億円)を調達し、配布。多額の調達費用や配布遅れなどから「アベノマスク」と 揶揄やゆされた。

検査院がマスクの配布状況を調べたところ、今年3月末時点で、全世帯向けの約400万枚と、介護施設などや妊婦向けの約7800万枚が、配られずに倉庫に保管されていた。保管費用は昨年8月~今年3月で計約6億円に上った。

布マスクの配布は段階的に行われ、政府が昨年7月に3回目となる8000万枚の配布方針を示した際には、マスク不足が解消されつつあった。希望する施設などが減ったために余ったという。厚労省は「施設への配布を進め、有効活用に向けた具体策を検討する」としている。

磯崎仁彦官房副長官は27日の記者会見で、政府の対応について「当時の状況においては適切だった」と述べた。

昨年7月 追加配布に「ありがた迷惑」「税金の無駄遣い」など批判殺到

アベノマスク8000万枚の追加配布に批判殺到 「ありがた迷惑」「税金の無駄遣い」(東京新聞 2020年7月29日 06時00分)

新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、政府が2020年7月30日から、介護施設などを対象に布マスク約8000万枚を追加で配布することが分かった。厚生労働省によると、全体の事業規模は妊婦向けや事務費を含めて計1億5000枚で約247億円。追加分のマスク調達費は計118億円余りになる。既に市販のマスクが店頭に並び、全戸配布された布マスクの使用者も少ないことなどから、配布対象者などから「ありがた迷惑」「税金の無駄遣いだ」といった声が相次ぐ。

厚労省によると、30日から追加で配るのは保育所や高齢者施設、障害福祉施設などを対象にした1億4000万枚の一部。4月中旬までに2000万枚を配り終え、6月下旬から4000万枚を配ってきた残りの部分。全体で、職員と施設利用者(園児を除く)に1人当たり7枚が行き渡る計画という。

妊婦にも約600万枚を配る計画があり、今月下旬から約256万枚を追加で配布予定。施設と妊婦を対象にした計1億5000万枚について、厚労省は調達費を216億円と示し、1枚当たり144円の計算になる。ほかに事務費が31億円で、総額247億円の事業という。

市中から批判の声が続出

街中で不織布マスクが買いやすくなったのに、今後も布マスクを配る政府の方針には疑問の声が上がる。東京都内の老人介護施設では、既に不織布マスク約5万枚を確保した。男性施設長(62)は「布マスクは洗う手間もあるし、使い捨ての方が衛生的。これだけの予算は別なところに使ってもらった方が…」。

都内で認可保育所を運営する社会福祉法人の女性理事長(73)は「ありがた迷惑」とため息。6月に職員に余ったマスクの寄付を呼び掛け、布マスクばかり集まったが、引き取り手がないという。「今はマスクが手に入る。現場の状況を知らないのでは」と厳しい。

5月からマスクの寄付を受け付ける横浜市ボランティアセンター(同市中区)は「集まった数百枚のうち、3分の1は生活困窮者の支援団体に渡したが、供給過剰の状態」と明かす。

マスクの効果に詳しい聖路加国際大学公衆衛生大学院の大西一成准教授は「不織布製の方が、布製よりウイルスなどの通過を防ぐ性能は高い。感染拡大を防ぐなら、不織布製を優先して使うべきだ」と指摘する。