「WE HAVE WINGS」(開会式)、「Harmonious Cacophony」(閉会式)というコンセプトにきちんと向き合っていた
東京五輪・パラの開閉会式。4つの式典でパラ開会式「片翼の少女の物語」の評価が一番高かった理由とは(Yahoo!ニュース 河尻亨一編集者(銀河ライター主宰)・東北芸術工科大学客員教授)より抜粋
東京オリンピック・パラリンピックが閉幕した。コロナ禍の中、開催への賛否は激しく割れたが、連日繰り広げられる熱戦に感動し、声援を送った人も多いだろう。
パラリンピックのセレモニーは、おおむね好感を持って受け入れられたようである。ネットでは「オリンピックより良い」の感想がトレンド入りするなど、オリパラで評価がきっちり割れた印象がある。
海外メディアも軒並み高評価だ。「色彩と祝賀に満ちた内容」(英BBC)、「活き活きした雰囲気」(米CNN)、「選手は逆風でも飛べるとの精神を示した」(中国・国営新華社通信)など、アメリカから中国まで絶賛に近い状態だ。
では具体的にどこが「オリンピックより良かった」のか。
まず指摘できるとすれば、パラリンピックのセレモニーはともに「WE HAVE WINGS」(開会式)、「Harmonious Cacophony」(閉会式)というコンセプトにきちんと向き合っていると感じた。
つまり「何が言いたいか」がよくわかった。簡単なことに思えて、つくり手の立場からするとこれが一番難しい。
片翼の少女の物語を描いた開会式の演出プランは、プロのクリエイターにとって、実は勇気がいるものである。パラリンピックという場を考えたとき、あまりにストレートな”見立て”への反発も予想されるからだ。
演出家は考え抜いた上で、この「わかりやすさ」を選択したのではないか。
パーソンズ会長、「金継ぎ」を共生社会をあらわす言葉として使い、日本人の琴線に響く閉会挨拶
シシド・カフカさんも登場…東京パラ五輪閉会式を世界はどう評価したのか…「記憶に残るもの」「色鮮やかで活力に満ちた」(Yahoo!ニュース THE PAGE 9/6(月) 7:13配信)より抜粋
東京パラリンピックの閉会式が5日、東京の新国立競技場で行われ、史上最多となる4403人が参加して13日間に渡って繰り広げられた大会が幕を下ろした。
閉会式のショーディレクターは、俳優でイベントプロデューサーである小橋賢児さんが担当。「ハーモニアス・カコフォニー(すべての違いが輝く街)」がコンセプトで、オープニングのパフォーマンスでは、様々な障害を抱えた男女のパフォーマーたちが個性豊かな音楽やダンスで躍動した。
閉会の挨拶では、開会式でも日本語を交えた熱血スピーチで評判になった国際パラリンピック委員会(IPC)のアンドリュー・パーソンズ会長が、再び「ありがとう、東京」と絶叫。
欠けたリ割れた器などを漆で修復し金で彩る日本の伝統工芸文化である「金継ぎ」を共生社会をあらわす言葉として使い、日本人の琴線に響く内容で、長いと不評で退場する選手が続出した国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長の五輪閉会式でのスピーチとの“違い”を再びみせつけた。
東京五輪の閉会式に比べてネットの評価は高く、ヤフーが行っているアンケート「あなたの満足度は10点満点で何点?」では、6日午前5時の時点で約3万3900人の投票があり、75%が10点。0点は8.6%だった。
英紙The Guardian「世界には大きな違いがあるが、それは弱点ではなく強み」
「記憶に残るものとなった」パラリンピック大会を英紙が評価!閉会式の演出は「締めくくるにふさわしい」(Yahoo!ニュース THE DIGEST 9/6(月) 17:49配信)より抜粋
12日間にかけて熱戦が繰り広げられたパラリンピック大会が9月5日、ついに幕を閉じた。
同日に「Harmonious Cacophony(調和する不協和音)」というコンセプトの下で行なわれた閉会式。このイベントには、世界中から注目が寄せられたが、中でも「パラリンピックを締めくくるのにふさわしい式典だった」として、英紙『The Guardian』は振り返りの記事を掲載している。
同紙は「不調和に輝く照明に、色鮮やかで大音量の音楽、これらすべてが一体となって、心を揺さぶるようなものに仕上がっていた」と評すると、「同時に派手な(東京の)街も作られていたが、それは一部混乱しているようだった」と感想をコメント。式全体を通しては、カラフルな演出が強く印象として残ったようだ。
さらに、コンセプトについて「モダンでデジタルな光景を作り出しただけでなく、より大きな意味を持っていた」とコメント。「それはパラリンピックが目指してきたもので、『世界には大きな違いがあるが、それは弱点ではなく強みであり、力を合わせることでより良い未来をもたらすことができる』というものだ」と説明した。
出場した163か国の選手に対しては、「一人ひとりが大きな困難を乗り越えて東京にたどり着いた」と続けると、「彼らは感謝の気持ちと同時に、障がい者が世界から注目される小さな窓を最大限に活用し、競技に臨む決意を表明した」と言及。「日本で開催されたこの2週間は記憶に残るものとなった」と称賛している。