維新の鈴木宗男議員 党に無断で渡航中止勧告のロシア訪問、維新は処分を検討

参院法務委員会に出席する日本維新の会の鈴木宗男氏=6月8日、国会内 政治・経済

維新・鈴木宗男参院議員、党に無断で渡航中止勧告のロシア訪問…NHK

維新 鈴木宗男参院議員 党に無断で渡航中止勧告のロシア訪問(NHK 2023年10月3日 21時49分)

日本維新の会の鈴木宗男 参議院議員が、政府が渡航中止勧告を出しているロシアを訪問し、外務次官と会談しました。日本維新の会は、党に無断で訪問したとして処分を検討することにしています。

ロシア外務省などによりますと、日本維新の会の鈴木宗男・参議院議員は、ロシアを訪問し、2日、ルデンコ外務次官と会談しました。

会談でロシア側は、ウクライナ侵攻をめぐる日本による対ロ制裁について「アメリカに押しつけられた反ロシアの路線だ」と批判し「日本の国益に合致しない」などと主張したということです。

去年2月のウクライナ侵攻開始後、日本の国会議員のロシア訪問が明らかになったのは初めてです。

松野官房長官は、3日の記者会見で「ロシア全土にレベル3、渡航中止勧告以上の危険情報を発出していて、どのような目的であれロシアへの渡航はやめていただくよう国民に求めてきている」と述べ、国会議員も対象に含まれるという認識を示しました。

政府に対し、鈴木氏側から事前の連絡などはなかったということです。

ロシアによる侵攻をめぐって鈴木氏は、これまでウクライナ側にも責任があるという認識を示していますが、松野官房長官はロシアを非難する日本の立場を重ねて強調しました。

鈴木氏側によりますと、参議院には事前に訪問を届け出たということですが、日本維新の会は党に無断で訪問したとして、帰国後に本人から事情を聴き、処分を検討することにしています。

鈴木議員が取材に「手続きは秘書が時間的に遅れた」

また鈴木氏は3日、首都モスクワで記者団の取材に応じ、モスクワでは、日本などアジア地域を担当している外務省のルデンコ次官などと2日に会談したことを明らかにしました。

鈴木氏によりますと、ルデンコ次官との会談では、北方領土の元島民らが先祖の墓を訪れる「北方墓参」の再開を求めたのに対して、ルデンコ次官は「墓参の枠組みは残っているが昨年来の日本側の判断、反応によっていまは停止している」と主張したということです。

また、ロシア政府が協定の履行を停止している北方四島周辺での安全操業については「日本の姿勢が問題でいまは交渉に入っていない」と述べたということです。

一方、今回のロシア訪問について日本維新の会が党に無断で訪問したとして処分を検討するとしていることについて鈴木氏は「維新に対する手続きは秘書が時間的に遅れた。5日に日本に帰るので馬場代表などと会うべく日程をとっている。話を聞きたい」と述べました。そして「こんなときだからこそ対話が必要だという思いで来た。率直な意見交換ができただけでも甲斐はあった」と述べました。

上川外相「政府として答える立場にはない」

上川外務大臣は記者会見で「鈴木宗男参議院議員のロシア訪問の目的などについて政府として答える立場にはない」と述べました。

その上で「ロシアによるウクライナ侵略は国際秩序の根幹を揺るがす暴挙だ。わが国はG7をはじめとする国際社会と連携しつつ、ロシアに対して厳しい制裁を行うなどの外交的取り組みを進めてきており、今後もしっかりと進めていきたい」と述べました。

自民 茂木幹事長「望ましいことではない」

自民党の茂木幹事長は記者会見で「ロシアには『危険情報』が出されており、鈴木議員がどのような経緯や目的で訪問したかは存じ上げないが、望ましいことではない」と述べました。

立民 岡田幹事長「維新の中で議論されるべき」

立憲民主党の岡田幹事長は記者会見で「党に届け出がなかったという話も出ているが、それは日本維新の会の中で議論されるべき話だ。鈴木氏がロシアに行ってどういう話をし、その中身しだいで国益を損ねるようなことがあれば非常に問題になるが、現時点では分からないのでコメントしかねる」と述べました。
一方で「鈴木氏がロシアを訪問したことを正当化している訳ではないが、ロシア側と何もしなくていいのかというと、一般論としてはそうは言えない。私はプーチン大統領と岸田総理大臣が虚心坦懐に話すことも必要ではないかと思っている。例えばトルコのエルドアン大統領は双方と会っていろいろ調整していて、日本が何もできないでいる状況で本当にいいのかということは議論がわかれるところだ」と指摘しました。

公明 山口代表「決して望ましいものとは言えない」

公明党の山口代表は記者団に対し「どのような目的や経緯で行ったのかや、どういう対話をしているのか定かではないが、政府が国民に対して『危険情報』を発している中であり、国民の代表である国会議員のふるまいとしては決して望ましいものとは言えない」と述べました。

国民 玉木代表「利用されるような行為とならないよう対応を」

国民民主党の玉木代表は記者会見で「力による現状変更は許さず、領土の統一性を乱すような侵略行為を認めないというのは わが国の立場であり、今回の訪問はG7を中心とした結束を乱すような行為として捉えられてしまう。日本維新の会としてもロシアに利用されるような行為とならないようしっかり対応してもらいたい」と述べました。

維新の鈴木宗男氏、ロシア訪問 侵攻後に国会議員で初、処分検討…共同通信

維新の鈴木宗男氏、ロシア訪問 侵攻後に国会議員で初、処分検討(東京新聞 2023年10月3日 11時49分 (共同通信))

ロシア外務省は2日、ルデンコ外務次官が日本維新の会の鈴木宗男参院議員を迎え、会談したと発表した。鈴木氏がモスクワを訪れたもようだ。昨年2月のウクライナ侵攻開始後、日本の国会議員の訪ロは初めてとみられる。維新は今回、必要な届け出が党に提出されていなかったとして鈴木氏が帰国後、本人から事情を聴いた上で処分を検討する。

鈴木氏周辺によると、1日に訪れ、5日に帰国する予定。訪ロ前に参院に海外渡航届を提出していた。上川陽子外相は会見で「政府として鈴木氏から事前、事後に連絡は受けていない」と説明した。鈴木氏はロシアとの友好を重視し、今年春の訪ロを検討していたが、党執行部の要請を受けて取りやめた経緯がある。

松野博一官房長官は3日の会見で、鈴木氏の訪ロに関し「ロシア全土に渡航中止勧告以上の危険情報を出しており、どのような目的であれロシアへの渡航はやめてもらうよう国民に求めている」と述べた。自民党の茂木敏充幹事長も会見で「どのような経緯、目的で訪問したか存じ上げないが、望ましいことではない」と語った。

維新が鈴木宗男氏の処分検討 無許可でロシア渡航…産経新聞

<独自>維新が鈴木宗男氏の処分検討 無許可でロシア渡航(産経新聞 2023/10/3 09:23)

党に届け出ずにロシアへ渡航したとして、日本維新の会が鈴木宗男参院議員の処分を検討していることが3日、分かった。党幹部が取材に「党がルールとして定めていた海外渡航の際の届け出はない。国会議員団の副代表を務める鈴木氏の責任は軽くない。帰国後に本人から話を聞いて処分内容を決めたい」と答えた。

ロシア外務省は2日、ルデンコ外務次官が鈴木氏を迎え、会談したと発表。鈴木氏がモスクワを訪れたもようだ。