岸田首相襲撃で各国の不安加速…自前の警備を引き連れてきたら広島サミットは大混乱!

G7広島サミットの会場近くで行われた海上警備大規模訓練 政治・経済

岸田首相襲撃で各国の不安加速…自前の警備を引き連れてきたら広島サミットは大混乱!(日刊ゲンダイ 公開日:2023/04/19 06:00 更新日:2023/04/19 06:00)

「サミットは大丈夫なのか」

衆院補選の応援に訪れた和歌山県の演説会場で爆発物を投げ込まれた岸田首相がイラ立ちを募らせているという。

「総理は事件直後に平然と散髪に行ったほどで“鈍感力”には定評がありますが、今回の事件で当事者意識が芽生え、何としても成功させたいG7広島サミットの警備体制が急に心配になったようです」(官邸関係者)

自分がテロの標的になれば、不安が増すのは当然だ。16日も公邸でのぶら下がり取材に対し、岸田首相は「日本全体として最大限、安全に努めなければならない」と、サミットの安全確保を気にしていた。

今回の事件を受けて、警察庁はサミットの警察官配置を増強するなど警備の強化を全国警察に指示したが、安倍元首相が昨年銃弾に倒れてから1年も経たずに同様の事件が起きたことで、海外でも日本警察の警備への不信感は高まっている。

英BBCが「安倍元首相が選挙運動中に射殺されてから、日本では政治家の安全確保に不安を感じる」と伝えるなど、多くの海外メディアが岸田首相の事件を安倍銃撃と関連付けて報じた。

アメリカも韓国も…信用されない日本警察

「日本の警備が信頼されなくなり、訪日する海外要人が自前の警護隊を引き連れてくることが常態化するのではないか」と話すのは某県警の警備担当者だ。

米大統領が他国を訪問する際、身辺警護にあたるシークレットサービスを自国から100人規模で連れて行くことは知られている。大統領専用車「ビースト」や警護車両なども事前に送り込む。他国の警備をまったく信用していないからだが、日本の場合、米国以外の首脳警備は基本的に日本警察が担ってきた。

しかし、今年3月に韓国大統領が来日した際は、銀座での“オムライス外交”を中継する映像に大統領警備隊(Counter Assault Team)の姿が写り込んでいると話題になった。銃器こそ構えていなかったが、「CAT」のロゴが入った軍装で周囲に目を光らせていたのだ。

「見えないようにしているが、武器を携帯しているはず。広島サミットでも、日本の警察を信用できない参加国がそれぞれ自前の警備隊を連れてくると言ったら、日本政府は許可するのでしょうか。現場は大混乱になりますよ。各国の部隊が自国首脳を守ることだけを念頭に動き、統制がきかなくなる。それに、不測の事態が起きた時に他国部隊とどうやって意思疎通をはかるのか。かえって会場の安全確保が難しくなりそうです」(前出の警備担当者)

広島サミットまで1カ月。無事の開催を願うしかない。