高市氏は内部文書を完全否定 “森友アベ答弁”彷彿「大臣も議員も辞める」とことん強気のナゼ

参院予算委で立憲民主党の小西洋之氏の質問に答弁する高市早苗経済安保相=3日午後、参院第1委員会室 政治・経済

高市氏は内部文書を完全否定 “森友アベ答弁”彷彿「大臣も議員も辞める」とことん強気のナゼ(日刊ゲンダイ 公開日:2023/03/04 11:25 更新日:2023/03/04 12:29)

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安倍政権下の内部文書か、放送の公平性巡りやりとり 立憲議員が公表

「まったくの捏造文書だ」──。立憲民主党の小西洋之参院議員が入手した総務省の内部文書をめぐり、3日の参院予算委員会が紛糾した。放送法で定める「政治的公平」について、2014~15年に官邸と総務省が交わしたとされるやりとりを、当時総務相だった高市経済安保担当相は冒頭のように強い言葉で完全否定だ。ケンカ上等答弁の根拠に迫る。

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「小西委員が入手された文書の信憑性について、大いに疑問を持っている」

小西議員が示した文章について、高市氏は開口一番、そう決めつけた。高市氏は安倍政権下の14年9月から17年8月まで総務相を経験。問題の文書には、15年3月9日付で総務省の大臣官房参事官から情報流通行政局長への連絡として、高市氏と安倍首相(当時)の電話会談の結果が、次のように記されている。

〈総理からは、「今までの放送法の解釈がおかしい」旨の発言。実際に問題意識を持っている番組を複数例示?(サンデーモーニング他)〉

この発言の事実関係を問われると、高市氏はイライラを抑え切れず「捏造」を主張したのだ。

小西氏が「捏造ではない場合は大臣も議員も辞めるか」と迫ると、高市氏は「結構ですよ」と応酬。“辞職上等”で自信たっぷりに言い放つ姿は、いやでも森友事件の公文書改ざんにつながった安倍発言を彷彿とさせる。結果的に職員の自死を招いた反省はゼロだ。

「口を割らない」とタカをくくり

文書内の高市発言メモの中でも目を引くのが、15年2月13日に行われた情報流通行政局長から高市氏への大臣レク。発言内容はこうだ。

〈そもそもテレビ朝日に公平な番組なんてある?どの番組も「極端」な印象〉〈民放相手に徹底抗戦するか。TBSとテレビ朝日よね〉

この発言についても、高市氏は「悪意を持って捏造されたもの」と怒気を含みながら断言。そう考える理由について、総務相時代を振り返り、「NHK改革に関して省内で大変な反発があった」「一部の放送関係幹部と私の関係が良くなかったのは確か」などと、“反高市勢力”による陰謀論までチラつかせた。

不思議なのは、ここまで強気な理由だ。文書には具体的な「配布先」として、桜井俊総務審議官(当時)、福岡徹官房長(同)、今林顕一総括審議官(同)、安藤友裕情報流通行政局長(同)らの実名が記載されている。1人でも「文書内容は事実」と認めれば、高市氏の立場は危うくなる。

「後に次官まで上り詰めた桜井氏は現在、一般財団法人『マルチメディア振興センター』の理事長。福岡氏も安藤氏も総務省管轄の民間企業に“天下り”しています。再就職先で役員待遇を受けており、文書の存在を認めてまで古巣に盾突くとは考えにくい。文書によれば、官邸側にレクを行っていたとされるのは安藤氏ですが、真偽については口を割らないでしょう。それゆえに高市大臣はタカをくくっているのではないか」(総務省関係者)

改めて小西議員に聞いた。

「この文書は、安倍政権による放送法の私物化を示す資料です。真に迫る文書だと思っていますし、『捏造』と言うなら、具体的にどこが信憑性に欠けるのか問いたい」

 かつて加計問題をめぐり、「総理のご意向」などと記された文書を「怪文書」と批判した菅官房長官(当時)は、その後撤回に追い込まれた。高市氏の運命はいかに。