愛人と地下壕でパーティー 四面楚歌のプーチンは「身体的にも、精神的にもガタがきている」

ウクライナ国旗色のバスタブに入り、血を浴びるロシアのウラジーミル・プーチン大統領を模した山車。ドイツ西部デュッセルドルフで開催された「ローズマンデー」のパレードで(2023年2月20日撮影) 国際

愛人と地下壕でパーティー 四面楚歌のプーチンは「身体的にも、精神的にもガタがきている」(デイリー新潮 2023年02月21日)

軍によるミニ・クーデターか

昨年2月24日にロシアがウクライナへ電撃的に戦闘を仕掛けてから1年が経とうとしている。戦況が膠着する中、政権内部で深刻な亀裂が生じているといわれるが、侵攻を仕掛けた張本人であるプーチン大統領は地下壕を転々とする日々。新年にはその地下壕で愛人とパーティーを開いたといわれており…。

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現在、プーチン政権には、二つの火種があるといわれている。元読売新聞国際部長でモスクワ支局長も務めた、ジャーナリストの古本朗氏によると、

一つ目は軍内部です。今年1月にウクライナ侵攻軍のセルゲイ・スロビキン将軍が総司令官を解任され、ワレリー・ゲラシモフ参謀総長が任命されました。これを巡っては、軍によるミニ・クーデターではないか、との見方も出ているのです」

今回のウクライナ侵攻におけるロシア軍には二つの勢力がある。一つは正規軍、もう一つは非公式に投入されてきた民間軍事会社「ワグネル」などの傭兵部隊だ。そして解任されたスロビキンは「ワグネル」創設者、エフゲニー・プリゴジンの盟友と目されている。

「戦況が悪化するに連れ、比較的高度な戦闘能力を持つ『ワグネル』の力が増してきた。プリゴジンはその功をアピールし、スロビキンを総司令官に推しましたが、それに不満と危機感を抱いたゲラシモフら軍部がプーチンに直訴し、交代を迫ったとの見方が出ているのです」(同)

二つ目の火種は、プーチン大統領の権力基盤であるシロヴィキにあるという。シロヴィキとは、ロシアの支配階級である軍、治安、情報機関系の勢力を指す言葉だ。

「現在、この筆頭といわれるのが、安全保障会議のニコライ・パトルシェフ書記です。KGB出身の彼はプーチンの最側近で盟友。しかし、最近、プーチンと彼の間に対立が生まれたとの情報が出ているのです」(同)

ここでも見られるのは内部での権力闘争だ。時事通信モスクワ支局長を務めた、拓殖大学の名越健郎・特任教授も言う。

「パトルシェフは従来、戦争終結後、プーチンの後継者に農相を務める自らの息子を据えることをもくろんでいたが、プーチンが応える気配が見えない。それに激怒し、安全保障会議のオンライン会議を欠席しているとの話があります」

愛人と新年のパーティー

筑波大学の中村逸郎・名誉教授(ロシア政治)は、四面楚歌のプーチンについて「身体的にも、精神的にもガタがきているのは明白です」と述べる。

「かねて報じられているように、がんやパーキンソン病を患っている可能性が高い。また、精神状態も乱高下しています。最近では、1月に開かれた閣僚会議でのシーンが話題を呼んでいます。ロシアのテレビで流されたその映像を見ると、戦地への兵器輸送がうまくいっていないことについて、“何をやっているんだ、バカ野郎!”“ふざけるな! ひと月以内に終わらせろ!”などと副首相に怒鳴り散らしているのです。これを受けて記者から質問された報道官は、“日常的な光景だ”と言ったとか」

また、ウクライナの攻撃を恐れてクレムリンを離れることも少なくなく、国内にある邸宅や地下壕などを転々としているという。名越教授によれば、

「政権の内情に通じているため、専門家も注目する『SVR将軍』なるSNSアカウントがある。その投稿によれば、地下壕を含めて幾度も居場所を変えるため、“塹壕じいさん”と呼ばれているとか。正妻と離婚して現在、独身のプーチンは、新体操の五輪金メダリスト、アリーナ・カバエワを愛人にしているといわれています。昨年には子を宿したとの情報もありますが、プーチンは新年もウラル山脈周辺のバンカー(地下壕)で迎え、その席には彼女もいて、たくさんのごちそうとケーキが供されたとも投稿されています」

2月22日発売の「週刊新潮」では、暴挙から1年経ち、いよいよ終末に近づきつつあるプーチンの現状とロシアの暗い将来について多角的にレポートする。

週刊新潮 2023年3月2日号掲載