2月8日午前、新年度予算案を審議する衆議院予算委員会で、自民党の佐々木紀議員(ささき・はじめ、石川県2区)がマスクについて取り上げた。
佐々木議員は「『不織布マスク警察』というのを聞いたことがあるでしょうか」と切り出し、布マスク着用者が「不織布にしろ」「病人に感染させるつもりか」などと詰め寄られるケースがあるとした上で、「素材より性能が大事だ」と主張。マスク選びの参考となる認証や品質基準が必要ではないかと尋ねた。
田村憲久厚労大臣は、「一定の性能があれば、布であろうが不織布であろうが、ちゃんと着ければ一定の効果はある」と説明。その上で、「国民の要望もある」とし、業界団体の自主基準にとどまることも考慮しながら「厚労省として適切に対応していく」と答えた。
【出典】国立大学法人豊橋技術科学大学 Press Release(2020年10月15日) 一部変更
豊橋技術科学大学によるミスト(飛沫)生成装置などを使った実験や理化学研究所などによるスーパーコンピューター「富岳」のシミュレーションでは、
マスクをした人から出る飛沫の量は、不織布マスクはマスク無しの場合と比べて20%に減り、布マスクは18~34%に減ったのに対し、ウレタンマスクでは50%までしか減らなかった。他の人の飛沫を吸い込む量は、不織布マスクはマスク無しに比べ30%に減ったが、布マスクは55~65%、ウレタンマスクは60~70%だった。
フェイスシールドを着用した人から出る飛沫量は、何もつけていない場合と比べて80%、マウスシールドは90%にしか減らず、他の人が排出した小さな飛沫を防ぐ効果は無かった。
ただし、素材だけでマスクの性能が決まるわけではない。
マスクのつけ方や使い方によって、マスク本来の性能がどの程度発揮できるのか大きく異なる。顔面とマスクの隙間が大きくなればなるほど、発揮できる性能は低くなる。
【参考 youtube】
手作りマスク、漏れ率は? 飛沫防ぐ性能は不織布より…
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