令和4年度第2次補正予算成立 参議院本会議での「反対討論」と「賛成討論」

令和4年度第2次補正予算成立 政治・経済

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政府の総合経済対策の裏付けとなる2022年度第2次補正予算は12月2日、参院本会議で自民、公明、国民民主などの賛成多数で可決・成立した。一般会計の歳出総額は28兆9222億円で、物価高の負担軽減策や新型コロナウイルス感染症対策を講じる。財源の約8割は22兆8520億円の国債を発行して賄う。

末松信介・予算委員長の報告

ただいま議題となりました令和四年度第二次補正予算二案の審査の経過と結果を御報告申し上げます。

補正予算二案は、去る十一月二十一日に国会に提出され、二十二日に財務大臣から趣旨説明を聴取し、衆議院からの送付の後、十一月三十日から本日まで、岸田内閣総理大臣及び関係各大臣に対し、質疑を行いました。

質疑は、総合経済対策の意義と効果、コロナ後の財政政策の在り方、前年度決算を踏まえた予算審議の必要性、コロナ対策に係る予算措置の妥当性、子供予算の充実に係る対応方針、賃金の動向に対する政府の現状認識、日銀の財務状況の健全性、日中首脳会談等を踏まえた今後の外交政策、防衛力強化に関する政府の方針、今後のエネルギー政策の在り方、酪農業の現況と支援充実の必要性、漁業支援も含めた福島復興の取組、旧統一教会被害者救済法案の実効性、閣僚等の任命責任など、多岐にわたりましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。

質疑を終局し、討論、採決の結果、令和四年度第二次補正予算二案は賛成多数をもっていずれも原案どおり可決すべきものと決定いたしました。

以上、御報告申し上げます。

反対討論 横沢高徳(立憲民主・社民)

立憲民主・社民の横沢高徳です。

私は、会派を代表して、令和四年度第二次補正予算二案につきまして、反対の立場から討論いたします。

以下、反対の理由を申し述べます。

政府の対応は、その場しのぎで不合理な上に遅過ぎる

第一は、政府の対応は、その場しのぎで不合理な上に遅過ぎる点です。

政府は、十月二十八日に物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策を閣議決定し、それに基づいて第二次補正予算を提出しました。しかし、これまでの政府の対応は余りにも遅過ぎると言わざるを得ません。

我々は、今年三月の当初予算を審議している段階から物価高騰対策の必要性を訴えるとともに、四月には緊急経済対策を取りまとめ、本格的な補正予算の編成を求めてきました。

政府は通常国会の終盤にようやく第一次補正予算を提出しましたが、この中身は、既に支出した予備費の埋め戻しに充てる分を除けば一・二兆円の原油価格高騰対策のみであり、物価高騰の影響を受けている国民生活を守り抜くことができるものではありませんでした。九月には、大量に積み上げた予備費から支出し、住民税非課税世帯への給付金などを決定しましたが、いずれも不十分な内容にとどまっています。

そもそも、各種支援策が国民に届くまでには時間を要することが想定されます。当初予算の時点で組替えをしていれば、あるいは我々が経済対策を示して補正予算の編成を求めた四月の時点で本格的な補正予算を編成していれば、今頃、国民には支援が行き届いていたはずなのであります。

また、岸田総理は六月の時点で、日本の物価上昇率は欧米に比べて低い水準であると自らの物価高騰対策の成果を誇っていましたが、この認識の甘さが対応の遅れを招いたのではないでしょうか。国のかじ取り役として、岸田総理の対応からはスピード感が感じられないのです。

北国では雪が降り始めました。私の地元岩手県内の高齢者介護施設や障害者支援施設では、電気代や燃料費が増える冬に向けて、七割以上の施設が経営への影響を不安視しております。また、施設で提供している給食の食材費が上がり、価格の安い食材に切り替えたり、提供する食事の量を減らしたりしているそうです。

各自治体の判断による様々な交付金が使えるとはいえ、現場に届くまでは時間が掛かります。政府の対応の遅れは最終的には国民の生活にしわ寄せが来るということを重く受け止めていただきたいのであります。

財政民主主義の趣旨に反して、異常な規模の予備費を積み上げている

第二は、財政民主主義の趣旨に反して異常な規模の予備費を積み上げている点です。

政府は予備費を四・七兆円とし、現在の残高と足し合わせると実に六兆円、今年度予算全体では十兆円を超える規模となり、極めて異常です。予備費は国会の事前議決の例外であり、今回のような濫用は財政民主主義をないがしろにするもので、断じて容認できません。

予備費は、財政法第二十四条によると、予見し難い予算の不足に充てるためとあります。巨額の予備費を積み上げるということは、裏を返せば、今後どのように社会経済の情勢が変化していくのか先を見通す能力が著しく低いということを自ら証明しているようなものです。そのような政府に経済財政運営を任せるのは甚だ不安としか言いようがありません。総理は、僅か数か月の間に六兆円もの予備費が必要であるとする根拠を明らかにすべきです。

そもそも、これから年度末にかけてほとんどの期間にわたり国会が開会される見込みであり、年度内に新たに予算が必要になった場合は補正予算を編成して国会審議を経ることが本来あるべき姿ではないでしょうか。

年度内に支出困難なものや、来年度当初予算で措置すべきものを多分に積み上げている

第三は、年度内に支出することが困難なものや、来年度当初予算で措置すべきものを多分に積み上げている点です。

財政法第二十九条では、補正予算は、特に緊要となった経費の支出とあります。内容を見ると、必要な予算ではあるものの、本来であれば来年度当初予算で措置すべきものや基金に多分に積み上げられております。令和四年度の第二次補正予算である以上、会計年度独立の原則に基づき、原則として年度内の支出が可能なものを計上すべきであり、歳出予算の繰越しはあくまでも例外にとどめるべきです。政府は、あらかじめ繰越しを想定している予算と年度内に支出を終える予算の内訳を明らかにすべきであります。

また、一般に補正予算は当初予算に比べて査定が甘くなるために、翌年度の概算要求に盛り込んでいたものを補正予算に横滑りさせる事例も散見されます。

賃金が上がらない中でコストプッシュ型の物価高が続く中、賃金上昇に伴う安定的な物価上昇を実現していかなければなりません。今回の補正予算は賃金上昇につながる内容であるかも疑問であります。

政府自身が危機的状況と認識している課題にすら取り組まれていない

第四は、政府自身が危機的状況と認識している課題にすらほとんど取り組まれていない点です。

二十八日の松野官房長官の会見で、今年一月から九月までの出生数が過去最少のペースで推移していることについて、危機的状況だと認識していると発言があり、その上で、結婚支援、妊娠、出産支援、男女共に仕事と子育てを両立できる環境の整備、子育て世代の経済的支援など、ライフステージに応じた総合的な少子化対策を進めていきたいと発言をされています。

我々立憲民主党は、政府予算の足らざる点を補い、無駄を削る組替え動議を日本維新の会と共同で衆議院に提出をいたしました。我々の提出した組替え動議は、第一に、安心して妊娠、出産のできる環境を整えるため、出産費用の実質無償化。第二に、養育費の不払が子供の健全な成長を阻害することのないよう、養育費の立替払制度の導入。第三に、児童手当の特例給付に関わる所得制限によって特例給付を受けられない世帯に対して相当額を給付し、所得制限の実質的な撤廃を図る。第四に、家計の経済的負担を軽減するため、公立の義務教育段階の子供の給食費の無償化。第五に、奨学金の返済について当面支払を猶予し、有利子奨学金については利子を減免、同時に、給付型奨学金や授業料減免の制度を拡充する内容です。

しかし、与党側は一顧だにせず、残念ながらこの組替え動議は否決されてしまいました。松野官房長官、政府が危機的状況と言った課題解決に有効であるにもかかわらずです。

約三年にも及ぶコロナ禍から物価高騰、出生数が過去最少と、我が国の生活や仕事の現場はまさに待ったなしです。国民の生活が第一、本気でこの国を立て直していかなければなりません。その熱い思いがこの補正予算からは伝わらない、そう申し上げて、私の討論とさせていただきます。

御清聴いただき、ありがとうございました。

賛成討論 片山さつき(自由民主党)

自由民主党の片山さつきです。

私は、自民、公明を代表し、ただいま議題となりました令和四年度第二次補正予算二案に対し、賛成の立場から討論を行います。

それでは、本補正予算案に賛成する主な理由を申し述べます。

現下の経済状況に適合した予算規模を当面は確保している

第一に、我が国の現下の経済状況に適合した予算規模を当面は確保している点です。

内閣府の調査によれば、現在、日本の需給ギャップは約十五兆円と言われています。しかも、本年七―九のGDPは年率マイナス一・二%と、四四半期ぶりのマイナスであります。

コロナ禍に伴う生活や経済への痛みが癒えていない中、ロシアのウクライナ侵略が引き起こしたエネルギーや小麦などの食料価格の高騰、そして、円安により約四十年ぶりの上昇と言われる価格高騰に対しては、金利引上げによる需要引締めを通じたインフレ抑制ではなく、需要を増加させて、価格上昇に負けない経済成長と賃上げを実現していくことで対応すべきであります。

今回の補正予算案は、国費ベースで二十九兆六千億円と、ほぼ三十兆円を確保しており、マクロ経済的にも正しい方向性にあります。

臨機応変な対策を講ずることができるよう、四兆七千四百億円を確保している

第二に、経済予測によれば、世界経済の失速が懸念され、先行きの不透明さが増していることから、臨機応変な対策を講ずることができるよう、今後の備えとして、新型コロナウイルス感染症及び原油価格・物価高騰対策予備費三兆七千四百億円、ウクライナ情勢経済緊急対応予備費一兆円、合わせて四兆七千四百億円を確保している点です。

特に、コロナ・物価高騰対策予備費については、当初予算で計上したうち使途を決めていない分と合わせると約五兆円になります。これから冬に向かって、ウクライナ情勢に伴い、エネルギーや食料の供給は更に不安定化するおそれがあり、今のこの局面では備えあれば憂いなしの予備費であります。

物価高騰対応が盛り込まれている

第三は、物価高騰対応が盛り込まれている点です。

電力やガス料金については、燃料価格の高騰状態が続いていることから、更に価格引上げが見込まれており、既に幾つかの電力会社は来年四月からの値上げ申請を提出しております。電力、ガス、ガソリンは、家計や企業の経営に幅広く、しかも大きく影響することから、対策は必須であります。

今回の補正予算案では、総理が思い切った対策を講ずると言及されたとおり、検針票などに単位当たりの料金引下げ額を明記するなど、消費者や経営者にとって分かりやすい形で行われ、ガソリン価格の抑制も当面継続であります。

これらの措置により、標準的な世帯では使用量の増える来年一月には七千七百円の負担軽減になるとの試算も委員会では発表され、来年一月から九月までに四万五千円の負担軽減となるわけであります。

本年九月二十日には、足下の物価高騰に対する追加対策などを目的としてコロナ・物価予備費の使用が閣議決定され、その中で、総額六千億円の電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金が創設されておりますが、さらに、地方公共団体が経済対策に合わせた独自の地域活性化策を円滑に実施できるように、令和四年度の地方交付税を約五千億円増額交付することとしております。

これらの合わせ技で、各地方公共団体が学校給食の材料費高騰対策ですとかLPガスへの支援、あるいは地域の公共交通への支援を含め、価格高騰や地域地域の実情に合わせた支援を重点的に、効果的に活用できるように、家計などへの負担が和らぐことが期待できます。

エネルギーの関係では、全国どこでも石油製品の安定価格を行える体制を維持確保するために、SSの、サービスステーションの設備投資や人材育成を支援する予算、さらに、子育て・若者夫婦世帯による高い省エネ性能の新築住宅の取得又はリフォームの支援予算などもしっかりと確保しております。

また、食料品の価格上昇や農林漁業者への経営への影響を和らげるための生産者への補助金や、肥料、飼料、穀物等の国産化の促進のための経費等も計上をしております。

物賃上げを促進する中小・小規模事業者支援が盛り込まれている

第四に、物価上昇に負けない継続的な賃上げと、それを促進するための中小・小規模事業者を支援する施策が重点的に盛り込まれている点であります。

この日本全体で賃上げを実現していく上で大切なのは、日本の雇用の七割を支えている中小・小規模事業者であります。ここで働く方々の賃金の引上げに向けて、ニーズの高い事業再構築補助金や生産性革命推進事業につきまして、条件に応じて補助率を引上げしたり、上限の引上げ等を図っております。

また、コロナ下で実施された実質無利子無担保融資、いわゆる民間ゼロゼロ融資につきましては、返済の開始時期が来年の七月から再来年の四月の間に集中することを見据えまして、一〇〇%保証の借換え制度を創出する予算も盛り込まれております。さらにですね、過大債務を抱えていて、事業再構築を図ろうにも投資資金が借りられない事業主のために、債務圧縮を伴う事業再生を可能とする約三十兆円のセーフティーネットの枠は既に政策金融公庫やREVIC等で手当てされておりますので、早急に事業者を助けるスキームの具体化に向けた対応を政府に要請したいと思います。

人への投資、GX・DXなどの成長四分野に重点投資

また、岸田内閣の目玉政策である新しい資本主義の加速として、人への投資、五年一兆円、GX・DXなどの成長四分野に六兆円の重点投資を進めることが盛り込まれ、これこそ日本の将来の生きる道であります。

例えば経済産業省では、物資の高騰や円安などの経済環境変化の中、半導体、蓄電池、産業用ロボットなど、重要物資のサプライチェーンの強靱化や先端半導体の国内生産拠点の確保のための予算のほか、中小企業の事業再構築促進事業の中にもサプライチェーン強靱化枠が初めて設けられるなど、約一兆七千億円といういまだかつてない規模の予算が計上され、強力に企業の国内回帰による日本経済構造の強靱化が図られるわけであります。

さらに、少子化対策や子供、子育て世代への支援として、我が会派などが提言した妊婦、低年齢児の親への出産準備などのための経済的支援と伴走型相談支援の一体的な実施、一人親御家庭や要支援世帯の子供の居場所や食への支援、また、子供の安心、安全を確保するために、送迎用バスの安全装置改修などへの支援などの予算も盛り込んでおります。

インバウンド観光などコロナ禍からの需要回復、ど地域のデジタル化を通じて地方創生

加えて、インバウンド観光などコロナ禍からの需要回復、デジタル田園都市国家構想交付金など地域のデジタル化を通じて地方創生、スーパースマートシティ構想等を推進するための予算、第八波の感染拡大が懸念されることから、病床や変異株などに対応するワクチンの確保など、新型コロナウイルス感染対策予算、農林水産物ほか円安を生かした輸出拡大予算、防災・減災、国土強靱化の推進や外交・安全保障の環境の変化に対応する予算など、これらもしっかりと積み上げております。

以上、本補正予算案に対する主な賛成理由を申し述べました。

国際情勢、国内経済状況共に風雲急を告げております。国民の命と健康、生活、雇用、事業を守り抜くため、一刻も早く本補正予算案を執行に移し、国民の皆様に一日も早くお届けすることこそが今求められているのではないでしょうか。

そのためには、速やかな成立が不可欠でございまして、議員各位に本予算案への賛成をお願い申し上げまして、私の討論といたします。

御清聴ありがとうございました。

賛成討論 礒崎哲史(国民民主党・新緑風会)

国民民主党・新緑風会の礒崎哲史です。

会派を代表し、ただいま議題となりました令和四年度第二次補正予算案に賛成の立場から討論を行います。

問題点・・多額の予備費、多額の基金、赤字国債の野方図な発行

ただし、本補正予算案には様々な課題もあることから、以下、まず留意すべき点を挙げます。

一つ目は、多額の予備費です。当初予算、第一次補正予算に続き、今回の第二次補正予算案でも四・七兆円の予備費を積み増しています。国会の審議を経ない形で湯水のように税金を使う現状は、財政民主主義の観点から大いに問題があります。また、その使途についても、議事録が残らないクローズの場である予算委員会理事懇談会での事前説明にとどまっており、国会における運用面での改善が必要と考えます。

二つ目は、多額の基金です。安易な積み増しも問題ですが、とりわけ年度途中に大規模基金を新設することに疑義があります。基金については、予算の単年度主義の弊害を乗り越え、中長期的な政策の実現に資するというメリットがある反面、国会のチェックが働きにくくなることで、予備費と同様、財政民主主義の観点から問題が生じやすくなります。

本年度成立した経済安全保障法に基づいて設立された指定基金には国会のチェックを働かせる仕組みが導入されていますが、他の基金についても同様の対応が必要です。その上で、十分な政策目的を果たせていない基金については、改めて国庫返納や解散を求めていきます。

三つ目は、赤字国債の野方図な発行です。財政規律の観点から見逃すことはできません。一方で、給料が上がる経済を実現するための財政出動は必要であり、日銀保有国債の一部永久国債化や外為特会の活用など、財源の多様化を検討するべきです。

評価すべき点・・電気料金の引下げ、EV導入促進補助金予算の増額、災害対策

以上、留意すべき点を挙げましたが、そうした中でも、目の前の急激な物価高騰による国民生活の負担軽減に資することから、以下、評価すべき点を具体的に挙げつつ、本補正予算案に賛成するものとします。

十月二十日に、国民民主党は岸田総理に対し、緊急経済対策案を始め各種政策について直接申入れを行いました。その結果、以下のことが実現できました。

まずは、電気料金の引下げです。国民民主党は本件をいち早く選挙公約に掲げ、今国会でも議員立法を提出しました。結果として、本補正予算案の中では、企業で一割、一般家庭で二割程度の負担減とするための予算が計上されました。再エネ賦課金の徴収停止の案は取り入れられませんでしたが、負担減額としては我々の訴えたもの以上の中身になったことから、一つの成果と考えています。

次に、クリーンエネルギー自動車導入促進補助金予算の増額です。電気自動車を中心に電動車の購入が進み、十一月半ばには予算切れになりそうな状態にありました。半導体不足等で納期が長くなる中、補助金が出ることを前提に購入を決めていた消費者や自動車販売店の現場で説明に窮する担当者にとっては喫緊の問題でありました。衆参における本会議代表質問や各委員会で我々が訴えた結果、当初予算の一・五倍以上となる七百億円の予算が追加されることとなりました。我々の訴えを受け止めていただいたものと考えています。

さらには、災害対策予算の計上です。

岸田総理への申入れの際には、我が党の榛葉参議院議員、田中健衆議院議員から、大規模豪雨災害があった静岡市清水区等の対応として速やかな災害復旧対応を強く要請しました。その結果、同地区だけでなく、九州、東北地方における豪雨災害対策予算も計上されたことから、補正予算案の本来の編成趣旨にも沿うものであり、適切な対応であったと受け止めています。

以上が本補正予算案について我々が評価すべきとした点であり、本補正予算案に賛成する理由となります。

補正予算案の編成替え動議の再提案

その上で、本補正予算案に対して国民民主党が提出をした十二・四兆円規模の追加歳出及び歳入減を伴う補正予算案の編成替えを求める動議は衆議院で否決されてしまいましたが、その内容を改めて提案させていただきます。

まずは、収入面についてですが、本補正予算案において更なる予備費の積み増しは必要なく、同予算四・七兆円を予備費ではなく歳出に充てる財源とします。その上で、外為特会の資金を一般会計へ七・七兆円繰り入れ、更なる赤字国債の発行なしに十二・四兆円の財源をつくります。

その歳出面として、その十二・四兆円を使って、所得連動型給付方式による一人一律十万円のインフレ手当に十兆円、トリガー条項の凍結解除を実施することに〇・八兆円、再エネ賦課金の徴収停止分を補填するための予算として一・四兆円、さらには、地方において重要なエネルギーインフラでありながら、この度の燃油高対策に入っていなかったLPガスのガス代を一割程度引き下げることに〇・二兆円を充てることを改めて提案いたします。

また、今後更なる経済対策を打つ場合でも、十一月三十日に我々が参議院に法案も提出しました、外為特会の資金の一般会計への繰入れにより財源を確保し、対応すべきと考えます。

令和五年度本予算案と税制改正案について

そして、年末に向けて策定が進む令和五年度本予算案と同税制改正案について二点申し上げます。

一つ目。岸田総理が本年一月に表明した教育予算倍増を文字どおりの形で来年度の本予算から直ちに実施願います。補正予算でこれだけの規模の歳出を打てるのであれば、毎年五兆円の教育・科学予算の増額は可能です。これは、しかも、これはその場限りの経済対策ではなく、中長期的に見て将来人財を育成し、結果として少子化対策や経済の活性化につながる政策です。だからこそ、我々は教育国債での実施を訴え、これは単なる借金ではなく投資なのだということを強調しています。

あわせて、児童手当の所得制限を撤廃願います。これは約七百億円でできる政策です。何度も言っていますが、子育て、教育政策に所得制限は必要ありません。どういった家庭に生まれようとも、子供に対する政府からの支援は平等でなくてはなりません。国民民主党が掲げる人づくりこそ国づくりの理念に賛同いただけるのであれば、いち早い実施を求めます。

二つ目として、自動車に対するいわゆる走行距離課税及びEV、FCVの自動車税の見直しに代表されるような増税は検討さえもしないでいただきたい。議論すること自体が国民の生活不安を助長し、ひいては消費マインドにも影響すると思いませんか。とりわけ、車が生活必需品である地方に暮らす方々の生活コストを増やし、地方の活性化の妨げになりかねません。また、ドライバー不足や長時間労働等の労働環境問題、価格転嫁が進まないことで苦しむ物流業界を更に厳しい環境に追い込むことは容易に想像できます。さらには、エコカーの普及にブレーキを掛けることで政府が掲げる脱炭素化方針にも逆行します。

何よりも、減少傾向にある燃料税収を穴埋めしたいがためだけの議論は、税の公正性の観点から厳に慎むべきであり、給料が上がる経済を目指す中で、可処分所得を減少させるような税制には断固反対の立場です。

最後に、今回の電気料金引下げの件について、改めて一言申し上げておきます。

国民民主党は、本年夏の参議院議員選挙の際に、公党の中で唯一電気料金の引下げを公約に盛り込み、再エネ賦課金停止による負担軽減を訴え続けてきました。そのことが引き金となって政府・与党を動かし、今回の電気料金引下げの実現に結び付いたと自負しています。

我々は引き続き、国民生活と経済状況の改善による給料が上がる経済の実現に向けて、政策本位で、対決より解決の姿勢で国会審議に臨んでいくことを申し上げ、討論を終わります。

ありがとうございました。