手紙110円に値上げ了承 10月ごろ改定 政府関係閣僚会議
政府は21日、首相官邸で物価問題に関する関係閣僚会議を開き、手紙(25グラム以下の定形郵便物)の郵便料金の上限を現行の84円から110円に引き上げる改定案を了承した。これを受け、総務省は6月中旬をめどに省令を改正し、日本郵便は10月ごろに110円に改定する見通し。値上げは消費税増税時を除き1994年以来、30年ぶりとなる。
日本郵便は、省令改正が必要ない50グラム以下の手紙も94円から110円とする予定。はがきは63円から85円に見直す。定形外郵便物などは一部を除き、約30%引き上げる方針だ。日本郵便は郵便事業が赤字となっており、収益改善のため値上げに踏み切る。
円安が「利益押し上げた」 企業のわずか7% 帝国データバンク
円安が「利益押し上げた」 企業のわずか7% 帝国データバンク
円安を追い風にトヨタ自動車などの大企業が過去最高益を更新し、高額のすしや海鮮丼を楽しむ訪日外国人(インバウンド)も見慣れた光景になったが、恩恵にあずかっている企業は一部にとどまるようだ。帝国データバンクの調査によると、円安が利益を押し上げた企業は7・7%程度。逆に63・9%の企業が利益にマイナス影響を受けており、売上高が増えた企業も原材料費や海外工場のコストアップに悩んでいることが明らかになった。
調査は5月10~15日、約1000社に円安の影響を聞いた。売上高への影響は「プラス」との回答が16%、「マイナス」が35%、「影響なし」が49%。利益面で「影響なし」は28・5%だった。自社にとって適正な為替レートは「1ドル=110~120円台」が50・1%と最多だった。
6~8月は全国的に猛暑予想 「ラニーニャ現象」影響? 気象庁
6~8月は全国的に猛暑予想 「ラニーニャ現象」影響? 気象庁
気象庁は21日、6~8月の3カ月予報を発表した。地球温暖化の影響に加え、後半になるほど南米ペルー沖の海面水温が下がる「ラニーニャ現象」が発生する可能性が高くなるため、全国的に平年より気温が上がると予想。猛暑による熱中症対策を呼びかけた。
太平洋高気圧が日本の南で強く張り出すため暖かく湿った空気が流れ込みやすく、西日本と沖縄・奄美では降水量が平年並みか多くなる。大雨への備えが必要だ。
▽6月 西日本太平洋側と沖縄・奄美では、前線や湿った空気の影響で平年より曇りや雨の日が多い。
▽7月 東日本太平洋側と西日本で、前半は平年より曇りや雨の日が多い。後半は晴れの日が多い。沖縄・奄美は高気圧に覆われ平年より晴れの日が多い。
▽8月 北日本は天気が数日周期で変わる。東、西日本と沖縄・奄美は晴れる日が多い。全国的に気温が高い。
沖縄と奄美が梅雨入り 今年初、平年より遅め
気象庁は21日、沖縄地方と鹿児島県・奄美地方が梅雨入りしたとみられると発表した。梅雨入りは今年、全国で初めて。沖縄の梅雨入りは平年より11日、昨年に比べ3日遅かった。奄美は平年に比べ9日、昨年より3日遅かった。
気象庁によると、沖縄と奄美は21日、前線の影響で曇りや雨となった。今後1週間も曇りや雨が多くなる見込みで、梅雨入りしたとみられると判断した。
25府県が「カメムシ注意報」 春先から大量発生の異常事態
リンゴやナシ、モモなど幅広い果物に被害をもたらす果樹カメムシ類が今年は大量発生し、注意報を発令した自治体が21日時点で例年を大きく上回る25府県に達したことが農林水産省の調べで分かった。通常は少ない春先から各地で多数確認される異常事態で、夏の産卵期を経て、さらに広がる恐れがある。温暖化などの影響で越冬した成虫が増えたとみられ、農家は薬剤散布や果実への袋がけといった対策を迫られている。
果樹カメムシ類は収穫前の果実の汁を吸い、変形や落果被害を及ぼす。
東京スマート度急落、世界86位 142都市中、デジタル化遅れで
東京スマート度急落、世界86位 142都市中、デジタル化遅れで
スイスの国際経営開発研究所(IMD)がこのほど発表した「2024年スマートシティーランキング」で、東京は前年から順位を大きく下げ、世界86位と低迷した。デジタル化の遅れが響き、コロナ禍前の19年から5年間で順位が急落した。
対象は世界の主要142都市。インフラの充実度を示す「構造」とデジタル化などの「技術」の両面から各都市を格付けし、順位を付けた。24年の首位はスイスのチューリヒ。2位はノルウェーのオスロ、3位はオーストラリアのキャンベラと続いた。トップ3の順位は前年と同じだった。東京は前年から14ランク低下。19年の46位からの落ち込みが際立つ。
「ICCの独立性」支持 イスラエル首相ら逮捕状請求で…仏・スペイン
「ICCの独立性」支持 イスラエル首相ら逮捕状請求で―仏・スペイン
国際刑事裁判所(ICC)の主任検察官がイスラエルのネタニヤフ首相やイスラム組織ハマス指導者の逮捕状を請求したことを受け、フランス、スペイン両政府は、司法機関としてのICCの「独立性」を支持すると相次ぎ表明した。逮捕状請求を「言語道断」と非難したバイデン米大統領とは対照的な対応となった。欧州メディアが21日伝えた。
仏外務省は声明で「パレスチナ自治区ガザでの容認できない市民の犠牲」を何カ月も警告してきたと強調。スペイン外務省もX(旧ツイッター)への投稿で、ICCの職務は「介入を受けず自由に遂行されねばならない」と訴えた。
AI向けパソコン展開 作業振り返り機能も…米MS
米マイクロソフト(MS)は20日、人工知能(AI)利用に最適なパソコンを6月に発売すると発表した。最先端の半導体などにより、処理性能を最大20倍向上。その日の作業を振り返って確認できる「リコール」など、AIを活用した新機能を搭載した。
MSは今回の製品を「コパイロット+PC」と呼ばれる新カテゴリーに位置付けた。自社の端末ブランド「サーフェス」で、対応のノートパソコンとタブレットを6月18日から発売する。いずれも999ドル(日本では20万7680円)から。
半導体テコに脱中国依存 「AIの島」構想表明…台湾新総統
台湾の頼清徳新総統が20日、就任した。頼氏は就任演説で、新政権の経済政策について、世界最高水準の製造技術を誇る半導体をテコに、人工知能(AI)産業を発展させ、台湾を「AIの島にする」と表明。「世界の民主的サプライチェーン(供給網)」のカギを握る存在として、日米欧などとの経済関係を強化し、中国依存からの脱却を図る意思をにじませた。
「台湾は経済分野で『太陽の沈まない国』になれる能力を絶対に持っている」。頼氏は演説でこう力説し、台湾の国際的地位向上に貢献した半導体に次ぐ重要産業を育成することで、「台湾に経済の奇跡を再びもたらす」と宣言した。