2023年8月26日 今日の出来事

高円寺阿波おどりが開幕、4年ぶりの制限なし 「やっぱり高円寺は最高」

夏の終わりの風物詩、東京高円寺阿波おどりが26日、東京都杉並区のJR高円寺駅周辺で始まった。新型コロナウイルス流行を経て4年ぶりに制限なしの完全開催となり、待ち望んだ踊り手たちが「ヤットサー」のかけ声と、軽快なおはやしとともに躍動した。

27日までの2日間、商店街などの8つの演舞場を隊列で練り歩く「流し踊り」や、2カ所のホールで「舞台踊り」がある。延べ約110の連(グループ)、9000人の踊り手が参加。地元や本場の徳島などを拠点とする連のほか、初めて都内在住の外国人らでつくる「アジア連」も加わった。約200人のボランティアも交通整理などで協力した。

地元住民でつくる振興協会が主催し、今年で64回目。新型コロナの影響で2020年は史上初の中止。21年はオンライン公演、昨年は舞台踊りのみの開催だった。

地元の「しのぶ連」では昨年5月、長く連長を務めた粕谷俊春さんが70歳で死去。次男で副連長の祐司さん(43)は「阿波おどりの復活を願っていた父の思いも込めて踊った。沿道の声援もたくさん聞こえて、やっぱり高円寺は最高」と笑顔だった。

富士山麓で「吉田の火祭り」 巨大たいまつ100本

世界文化遺産の富士山の麓、山梨県富士吉田市で26日夜、夏の登山シーズンの終わりを告げる「吉田の火祭り」が開かれた。約100本の巨大なたいまつにともされた炎が晩夏の夜空を赤く染め、見物客を魅了した。

午後6時半過ぎ、北口本宮冨士浅間神社に続く道に並んだ高さ約3メートルのたいまつに火が付くと、見物客から歓声や拍手がわき起こった。

「日本三大奇祭」の一つとされる吉田の火祭りは、富士山の噴火を鎮めるために行われてきた。静岡県清水町から初めて訪れたという会社員青木均さん(60)は「夜にともるたくさんのたいまつは幻想的。神事も見たが、非常に厳かな祭りだと感じた」と感激した様子だった。

大曲の花火、競演1万8千発 秋田、5万円のペア席新設

日本三大花火大会の一つとされる第95回全国花火競技大会(通称・大曲の花火)が26日、秋田県大仙市で開かれた。全国の花火師が腕によりをかけた約1万8千発が夜空で競演。4年ぶりに会場内に屋台も出る制限なしの開催となり、大勢の見物客でにぎわった。

東京都中野区の無職大月博さん(69)は「もう20回ほど来ているが、毎年わくわくする」と満面の笑みで話した。

5万円のプラチナペア席(378席)を新たに設けるなど、昨年より有料席を増やした。近年は安全対策として会場周辺を目隠しのフェンスで囲っている。12都県から28業者が参加。成績は27日に発表される。

期待乗せLRT出発進行、栃木 一番列車に120人

宇都宮市と栃木県芳賀町が整備した次世代型路面電車(LRT)が26日、開業した。大勢の市民や鉄道ファンらが見守る中、午後3時ごろに最初の客約120人を乗せた車両が宇都宮駅東口の停留場を出発。路面電車の開業は富山県高岡市の現・万葉線以来75年ぶりで、全線新設のLRTは全国で初めて。高齢化や人口減が進む中、利便性が高い街づくりにつながると期待される。

一番列車に乗るために昨夜から並んだという栃木県高根沢町の会社員、佐藤正規さんは「宇都宮駅での新幹線との接続も良い。これからどんどん利用したい」とうれしそうに話した。

午前には開業を祝う式典も開かれ、記念電車が市内をパレードした。

同駅東口から芳賀町間の14.6キロを48分で結ぶ。「ライトライン」の愛称が付いた車両は、雷が多い宇都宮市が「雷都」と呼ばれることにちなみ稲妻をイメージ。低い床や運行時の振動軽減など、高齢者らが乗りやすい工夫を施した。運行に関わる電力は再生可能エネルギーで賄う。事業費は684億円。当初の開業予定は22年3月だった。

魚もトリチウム検出されず 処理水放出で初検査…水産庁

水産庁は26日、東京電力福島第1原発の処理水放出後に原発沖合の海域で採取した魚を調べた結果、放射性物質トリチウムは検出されなかったと発表した。24日の海洋放出後に採取した魚の分析結果が公表されるのは初めて。

25日には、海水のトリチウムが検出可能な濃度を下回ったと東電が発表している。水産庁は今後1カ月程度、原則として毎日検査を実施し、漁業者や消費者の安心感につなげたい考えだ。

台風9号、30日先島諸島南西へ 10号は28日三陸沖か…気象庁

非常に強い台風9号は26日午後、フィリピンの東海上を南へ進んだ。今後進路を反転させ、30日午後に猛烈な勢力で沖縄県・先島諸島の南西海上を北西に進む見込み。気象庁は同諸島の沿岸海域では29日ごろから高波に警戒するよう呼び掛けた。

9号は31日午後には台湾と中国大陸の間の海峡に進むと予想される。

一方、台風10号は南鳥島近海を北上した。28日午後に三陸沖へ進んだ後、進路を東に変えて遠ざかり、30日午後までに温帯低気圧に変わる見込み。

9号は26日午後3時、フィリピンの東海上をゆっくりと南へ進んだ。中心気圧は955ヘクトパスカル、最大風速45メートル、最大瞬間風速60メートル。半径95キロ以内が風速25メートル以上の暴風域、南東側280キロ以内と北西側165キロ以内が風速15メートル以上の強風域。

金、1グラム9968円 連日で過去最高更新

地金大手の田中貴金属工業(東京)は26日、金の店頭販売価格を1グラム当たり前日比20円高の9968円に設定した。国内の金小売価格の指標として2日連続で過去最高を更新し、改めて大台の1万円に近づいた。27日も同価格で販売する。

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が25日、金融引き締めの継続方針を表明したため、ニューヨーク外国為替市場で円安ドル高が一段と進行した。この影響で金の国内価格の上昇に弾みがついた。

金は原油など資源と同様、国際的に売買されるため、取引関係者の間では価格はドル建てが基準となっている。円建て換算する際は円安進行で値上がりすることが多い。

アフリカ開発会議、設立30周年 首相、協力推進呼びかけ

日本主導でアフリカ各国の発展を後押しするアフリカ開発会議(TICAD)の設立30周年を記念したイベントが26日、東京都内で開かれた。岸田文雄首相はビデオメッセージを寄せ「国際社会でアフリカの重要性や発言力はますます高まっている」と強調。2025年に横浜市で開く第9回TICADを見据えた協力推進を呼びかけた。

アフリカ諸国は食料やエネルギー価格の高騰、不透明・不公正な開発金融などの課題に直面していると指摘。昨年の第8回会合で表明した3年間で官民合わせて300億ドル規模の資金投入を着実に進める意向を示した。

行事には在京アフリカ外交団や林芳正外相、森喜朗元首相らが出席した。TICADはアフリカへの支援、投資などを議論する首脳級の国際会議。1993年10月に初めて開かれ、これまで8回開催。次回は2025年に横浜市で行われる。

【1年前の今日の出来事】 2022年8月26日