2023年8月24日 今日の出来事

「なし崩し」憤りと反発 漁業者ら、冷静な消費者も

「強引すぎる」「なし崩しだ」。反対を押し切る形で始まった原発の処理水海洋放出に、各地の漁業者や市場関係者からは憤りと反発が相次いだ。「消費者は知識を身に付ける必要がある」と冷静な意見を口にする買い物客もいる中で、福島の港では淡々と仕事に打ち込む漁師の姿があった。

「起動します。3、2、1、0」。東京電力福島第1原発では24日、運転員がモニターを指さしで確認しながらカウントダウンし、画面に表示された「OK」ボタンをクリックすると処理水の海洋放出が始まった。

原発の南約30キロに位置する福島県いわき市の久之浜漁港では、放出から約1時間たった午後2時ごろ、漁師吉田康男さん(56)がヒラメの餌となるイワシを釣っていた。「心の準備はしてきた。明日も明後日も、俺らは魚を取って市場に届けるのみだ」と淡々と話した。

吉田さんは放出前から風評被害とみられる魚価低下が他県で始まっていることを心配する。「政府、東電から具体的な対策の話はまだ出てこない。本当に補償してくれるのか」と疑念を示した。

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墜落機搭乗者リストにプリゴジン氏 10人死亡、連絡取れず…ロシア

ロシア当局は23日、中部トベリ州クジェンキノで自家用ジェット機が墜落し、搭乗者リストに民間軍事会社ワグネルの創設者エブゲニー・プリゴジン氏(62)が含まれていると発表した。乗っていた10人全員が死亡したもようだ。プリゴジン氏が実際に搭乗していたかどうかは確認されていないが、ワグネル系列メディアはSNSで、プリゴジン氏の「訃報」を伝えた。爆発物が仕掛けられていたという見方もあり、当局は捜査を開始した。

ジェット機は、モスクワのシェレメチェボ空港から北西部サンクトペテルブルクに向かっていた。墜落原因は不明。地元メディア「フォンタンカ」によると、関係者はプリゴジン氏と連絡が取れなくなっている。同氏の側近ドミトリー・ウトキン氏も一緒にいたという情報がある。

ウクライナ侵攻に協力していたワグネルは前線から撤退後の6月23~24日、武装反乱を起こした。首謀したプリゴジン氏は、プーチン大統領から免責を受けるのと引き換えに、反乱軍と共に隣国ベラルーシに渡ることを約束した。しかし、拠点とするサンクトペテルブルクなどとの間を行き来し、合意を守っていなかった。

反乱を事前に予見していたとされる国際的な調査報道機関ベリングキャットのロシア担当調査員は最近、英紙に対し「6カ月後、プリゴジン氏は死んでいるか、2度目の反乱を起こすかのいずれかだ」と予想。反乱時にプーチン氏が「裏切り者」という強い言葉を使ったことを根拠に挙げ、近くプリゴジン氏の身辺に異変が起きる可能性があると分析していた。

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「不屈の国民」たたえる 独立記念日に合わせ演説動画…ウクライナ大統領

ウクライナのゼレンスキー大統領は24日の独立記念日に合わせ、ビデオ演説を発表した。ロシアによる侵攻が続く中、この日を「自由で強く、尊厳のある国民の祝日」と位置付け、ロシアと戦う国民の「不屈さ」をたたえた。

ゼレンスキー氏は「(独立は)私たち一人一人にとって価値あるもので、私たちはこのために戦っている」と強調した。

中国が日本産の水産物を全面禁輸「人民の命と健康を守る」…原発処理水の海洋放出を非難

東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出を受けて、中国税関当局は24日、同日から日本産水産物の輸入を全面的に禁止したと発表した。税関当局は「放射性物質で汚染された日本食品の輸入を防ぎ、人民の命と健康を守る」と主張した。

中国の輸入停止に対し、岸田文雄首相は同日、官邸で記者団に「外交ルートで即時撤廃を申し入れた。科学的根拠に基づいて専門家同士で議論するよう強く働きかける」と語った。

中国はこれまで福島など10都県の水産物輸入を禁じており、対象地域を全国に広げる。今後、水産物以外の食品も輸入を制限する懸念もある。

中国外務省は24日に談話を発表し、「日本政府は国際社会の強い疑念と反対を無視して、一方的に汚染水の放出を強行した」と非難し、日本側に放出停止を求めた。生態環境省は同日、中国周辺海域での放射性物質濃度の監視体制を強化すると明らかにした。

中国は処理水を「核汚染水」と呼び、放出に反対してきた。国際原子力機関(IAEA)が放出の安全性を認める報告書を発表した7月以降、中国は日本の水産物への放射性物質検査を強化しており、鮮魚などの輸入はほぼ止まっている。

イランなど6カ国新加盟 中国の思惑反映、米欧に対抗…BRICS

南アフリカのラマポーザ大統領は24日、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アで構成する新興5カ国(BRICS)の枠組みに、イランなど6カ国を新たに加えると発表した。南アのヨハネスブルクで開かれたBRICS首脳会議で決定した。

イラン以外の新規加盟国は、アルゼンチン、エジプト、エチオピア、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)。2024年1月1日付で加入する。

加盟国の増加は、10年に招請された南ア以来となる。米欧への対抗軸形成に向け新規加盟促進を唱えてきた中国は、拡大後の枠組みを通じ新興・途上国「グローバルサウス」との連携を強化する構えだ。

BRICS首脳は24日の共同記者会見で、新メンバーを歓迎すると表明。中国の習近平国家主席は「BRICS諸国と発展途上国の団結と協力の決意を表している」と称賛した。

北朝鮮「衛星」打ち上げ失敗認める…早期解明し“10月にも再び打ち上げ断行”と強調

北朝鮮の国営メディアは、「軍事偵察衛星」の打ち上げ中に事故が発生したと発表し、打ち上げの失敗を認めた。

北朝鮮の朝鮮中央通信は先ほど、24日未明、西部・東倉里にある西海衛星発射場から偵察衛星「万里鏡1」を載せたロケットを打ち上げたものの、ロケットの1段目と2段目はいずれも正常飛行したが、3段目の飛行中にシステムに不具合が発生し、打ち上げは失敗したと明らかにした。

ただ、事故の原因については「大きな問題ではない」としていて、早期に解明を行った上で、10月にも再び打ち上げを断行すると強調している。北朝鮮は、今年5月にも軍事偵察衛星の打ち上げに失敗していた。

北朝鮮としては今回の打ち上げを通じて、来月9日の建国75年の記念日に向けて国内の雰囲気を盛り上げる狙いがあったとみられるが、その思惑が外れた形だ。

米エヌビディア、AIで急成長 利益9倍、過去最高更新

米半導体大手エヌビディアが23日発表した2023年5~7月期決算は売上高が前年同期の約2倍の135億700万ドル(約2兆円)、純利益が約9.4倍の61億8800万ドルと、それぞれ四半期として過去最高を更新した。強みを持つ人工知能(AI)開発に対応した半導体が大きく伸びた。

米インテルなど同業他社の業績が世界的な需要減による半導体不況で低迷する中、生成AIブームの追い風を受けたエヌビディアは急成長している。

AI開発向けを含むデータセンター部門の売り上げが約2.7倍に膨らんだ。8~10月期の全体の売上高は160億ドル前後と成長が続くと予想している。

【1年前の今日の出来事】 2022年8月24日